ダングラール家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 17:19 UTC 版)
「モンテ・クリスト伯」の記事における「ダングラール家」の解説
ダングラール (Danglars) モレル商会の会計士。ダンテスの出世を妬み、また帳簿の不正を知られていたため彼の存在を疎ましく思い、虚偽の密告状を作ってフェルナンに提出させる。 ダンテスが投獄された後、モレルの紹介でスペインの銀行へ入って頭角を現し、頭取に気に入られて娘と結婚する。そしてフランス有数の銀行家にまでのし上がり、妻を早くに亡くした後で貴族の未亡人と再婚し男爵の地位も得る。その一方、身上を潰したカドルッスや破産しかけたモレルが融資を求めてきても鐚一文出さず、恩を仇で返した。 やがてモンテ・クリスト伯爵の画策によって、融資先が突然破産する、誤報を掴まされて安定していた公債を売却してしまうなど、次第に銀行の経営が傾いていく。ユージェニーをアンドレアと結婚させ、彼の実家から送られる結納金を元手にして再帰を図ろうとするが、結婚式の最中にアンドレアの正体が発覚して面目を失った上、娘にも捨てられる。 最後に残った預金をモンテ・クリスト伯爵とボヴィルに同時に引き出されたことで、不渡りを出さざるを得なくなり、家族を捨てて夜逃げする。ローマで伯爵の受領証を換金し現金を手に入れるが、伯爵に指示されたルイジ・ヴァンバの一味に拉致され、食事と引き換えに有り金を巻き上げられて餓死寸前まで追い込まれる。やがて赦しを乞うたモンテ・クリスト伯爵から彼自身の正体を知らされ、ショックで放心状態になった後、解放される。 フェルナンと同じくマチュー・ルピアンがモデルである。 エルミーヌ (Hermine) ダングラール男爵夫人。フランス国王シャルル10世の侍従セルヴィユの娘で、前夫のナルゴンヌ男爵の自殺後、ダングラールと再婚する。再婚前はヴィルフォールと愛人関係にあった。金銭面や恋愛面で評判の良くない女。 ユージェニー (Eugénie) ダングラールとエルミーヌの娘。フェルナンの息子アルベールが許嫁だが、お互い結婚に乗り気ではなく、彼女自身はむしろ男を軽蔑している。芸術の才能があり、特に音楽に秀でている。学友にして音楽の教師であるルイーズ・ダルミィー (Louise d'Armilly) との同性愛関係が示唆されている。 ルピアンの娘で偽侯爵と結婚させられたテレーズと、ルピアンの息子のユージェーヌがモデルである。
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