ダイヤル112番がスタート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 19:03 UTC 版)
「119番」の記事における「ダイヤル112番がスタート」の解説
これまでは交換手に『火事』と伝えれば済んだが、自動化で機械処理させるため、火災報知にも電話番号が必要になった。逓信省は電話局の加入者サービス用3桁特殊番号(10X, 11X)の中に、火災報知用番号を割り込ませることにした。 ダイヤル付き電話機で一番早くダイヤルできるのが「1」であり、その次が「2」で、一番時間がかかるのが「0」である。一刻を争う火災報知には、加入者サービス用10X, 11Xの中からダイヤル時間が短い「112」が選ばれた。ただし先頭の1については「ダイヤル時間が短い」からではなく、「加入者サービス用の番号は1から」と決められ、他に選択肢がないためだった。なお最もダイヤル時間が短い「111」は、(後述する)自動交換システムの都合上で使用が見送られていた。 1926年(大正15年)1月20日、京橋局の自動化とともに火災報知用112番の運用がはじまった。自動交換局における加入者サービス用3桁特殊番号は以下の通りである(1926年1月20日時点)。 100: 市内番号案内 101: 市外通話の申込み 104: 市外通話の種別変更、申込取消、待機時間の問合わせ 105: 市外の番号案内 106: 市外通話の申告 (111 は交換システムの都合により使用を見合わせ) 112:火災報知 113: 電話の不良・障害 114: 通話停止、解除、移転の問合わせ 115: 同一共同線内での相互通話 116: 市内通話に関する申告 もしダイヤルされた番号が、相手方の都合で一時的に電話を止めていたときや、現在使われていない番号に掛けた場合には自動的に通知台(114番)へ回線接続され、通知台の交換手がその旨を伝えた。また何らかの理由により消防官署が112番に出ないときの案内や、報知情報が不完全なまま受話器を置かれてしまった場合に消防官署の要請で再接続するために、通知台では以下の運用が行われた。 自動交換局に収容されている加入者が112番をダイヤルすると、予め定められた消防官署に自動接続されその着信ベルが鳴る。 同時に、自動交換局の通知台では火災報知ランプ(Fire line lamp)と証査ランプ(Check lamp)が点灯し、警報電鈴(Alarm)が鳴る。 消防署が受話器を上げて応答すると、通知台の火災報知ランプが消えるので、通知台交換手は加入者と消防署のやり取りの聴話を開始する。 報知が終わり加入者と消防署の双方が受話器を置くと、通知台交換手は復旧キーを押して回線接続を切断する。(これを押すまで接続は切れない) 1925年度(1926年3月末日まで)に自動交換機が先行導入され、112番の運用が開始されたのは東京の5局と横浜の2局だった。また相変わらず出火場所の問合せに火災報知用電話を使われるケースが続出していた。手動交換では交換手の機転により接続を断ることもあったが、今後は112番を廻すと消防官署へ直接接続されるため、新聞でそういう行為を戒めたり、新しく作り直された電話番号簿 に、112番で出火場所を問い合わせないよう明記した。
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