ソウルへ着陸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 14:50 UTC 版)
「よど号ハイジャック事件」の記事における「ソウルへ着陸」の解説
金浦国際空港では、よど号が到着するまで8時間弱の間に平壌国際空港に偽装する工作が韓国中央情報部(KCIA)によってなされていた。KCIAは急遽北朝鮮国旗を用意し、駐機中の韓国や欧米の飛行機は離陸させられ、韓国企業のマークが入った車両は黄色くペンキで塗りつぶされた。 15時16分、同機は管制の誘導のもと「金浦国際空港」に着陸する。韓国兵は朝鮮人民軍兵士の服装をして、「平壌到着歓迎」のプラカードを掲げるなど、犯人グループの目を欺き韓国内で事件を解決させようと企図された。 しかし犯人グループの一人が金浦国際空港内にノースウエスト航空機などが駐機しているのを発見し異常に気づく(この点については、「航空燃料タンクの商標」「シェル石油のロゴのついた給油トラック」「犯人グループが持っていたラジオをつけたらジャズやロックが流れた」「ジープに乗ったネグロイドの兵士がいる」「フォードの車が動いている」「北朝鮮の職員に偽装した韓国の警官が、『日本の大使が待っています』と発言した」など、諸説ある)。 さらに犯人グループは機体に近づいてきた男性に「ここはピョンヤン(平壌)か?」と尋ねた。男性は「ピョンヤンだ」と答えたが、犯人がさらに北朝鮮における五カ年計画について質問したため、答えに窮してしまう(「九カ年計画の三期目と答えた」との説もある。また、ほかの軍人に「ここはソウルか?」と尋ねたところ、事情を知らないその軍人は「ソウルだ」と答えた。こうした食い違いは、当事者の少なさやその当事者の後日談による部分が多いためだと考えられる)。 これを見た犯人は、畳みかけるように「キン・ニチセイ」(金日成)の「大きな」写真を持ってくるように要求したが、北朝鮮の敵国である韓国においてこの写真は当然用意することもできず、犯人グループは偽装工作を確信する(写真の件については諸説あり、用意できたという説もある)。
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