ジョリヴェ「オンド・マルトノ協奏曲」とは? わかりやすく解説

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ジョリヴェ「オンド・マルトノ協奏曲」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:01 UTC 版)

オンド・マルトノ」の記事における「ジョリヴェ「オンド・マルトノ協奏曲」」の解説

アンドレ・ジョリヴェの「オンド・マルトノ協奏曲」は、メシアントゥランガリーラ交響曲並んでこの楽器初期である1940年代オンド・マルトノ可能性探求した曲として重要である。しかしトゥランガリーラ交響曲比べ演奏頻度は低い。 この曲ではオンド・マルトノ精霊を表すものと作曲者によって定義されており、実質存在であるその他の楽器によるオーケストラ対極をなす存在である。つまり、この曲においてオンド・マルトノは、従来あらゆる楽器超える存在であることを念頭に書かれている。その考え詩的なアイデアだけにとどまらず楽譜あらゆる場所で読み取れる例え冒頭オンド・マルトノソロは、低音域のF2から始まってC7に至るまでの長くゆっくりのメロディを、一息でしかも全オクターヴにおいて均等な音質演奏している。このような楽器それまで弦楽器管楽器存在せずピアノ減衰音である以上アーティキュレーション異なる。オルガン唯一の例外だが、オンド・マルトノそれよりずっと繊細なアーティキュレーションヴィブラート伴って演奏できる第1楽章カデンツァでは、単音しか発し得ないオンド・マルトノに、トレモロによる擬似和音効果求めている。しかもその和音複数声部分けてポリフォニック書かれており、バッハ以来一つ楽器ポリフォニー求め伝統の、音楽的な表現豊かさ忘れていない。(この冒頭カデンツァ二つ譜例は、伊福部昭著書管絃楽法」にも記載されている。)第1楽章終盤には、オンド・マルトノリボン奏法オクターヴ昇るのに合わせてハープグリッサンド重ねられており、管弦楽法としてとても効果的に響く。 第2楽章では変拍子スケルツォ乗せて楽器様々な可能性試みられる。音色極端な変化鍵盤奏法リボン奏法瞬間的な交替、超高速グリッサンドスタッカートなどアーティキュレーション変化と、それらの各音色あわせてシロフォンピッコロ、あるいはサクソフォンとの交替によるオーケストレーション可能性試されている。クライマックスでは6オクターヴもの異国的な音階鍵盤上で駆け上がるが、これはジョリヴェ前作である「リノスの歌」のフルートによる5オクターヴの上昇を踏襲している。第3楽章ではリボン奏法とパルム・スピーカーの効果中心とした、緩徐楽章でのカンタービレであり、第1・第2楽章のヴィルトゥオージティに対してオンド・マルトノ音色そのもの聴き込む曲となっている(この急・急・緩という楽章構成〔つまり、緩徐楽章最後に来る〕は、協奏曲としては異例である)。

※この「ジョリヴェ「オンド・マルトノ協奏曲」」の解説は、「オンド・マルトノ」の解説の一部です。
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