ジュウニヒトエとは? わかりやすく解説

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じゅうに‐ひとえ〔ジフニひとへ〕【十二単】

読み方:じゅうにひとえ

女房装束中世近世における俗称。単(ひとえ)の上数多くの袿(うちき)を重ねて着たことからいう。

シソ科多年草原野生え、高さ約15センチ全体に白い毛が密生し白緑色で縁にぎざぎざがある。4、5月ごろ淡紫色の唇形の小花多数輪生して咲く。《 春》「汝(なれ)にやる—というを/虚子

十二単の画像
多年草のジュウニヒトエ

十二単

読み方:ジュウニヒトエ(juunihitoe)

女房装束呼称


十二単

読み方:ジュウニヒトエ(juunihitoe)

公家女子正装

別名 女房装束、裳唐衣


ジュウニヒトエ


十二単

読み方:ジュウニヒトエ(juunihitoe)

ギョウジャニンニク別称
ユリ科多年草高山植物

学名 Allium victorialis subsp.platyphyllum


十二単

読み方:ジュウニヒトエ(juunihitoe)

シソ科多年草園芸植物薬用植物

学名 Ajuga nipponensis


十二単

読み方:ジュウニヒトエ(juunihitoe)

ハウチワカエデ別称
カエデ科落葉高木高山植物

学名 Acer japonicum


十二単衣

読み方:ジュウニヒトエ(juunihitoe)

シソ科多年草園芸植物薬用植物

学名 Ajuga nipponensis


十二単

読み方:ジュウニヒトエ(juunihitoe)

シソ科多年草四月ごろ、淡紫色小さい唇形の花が集まって咲く

季節

分類 植物


ジュウニヒトエ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 13:58 UTC 版)

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ジュウニヒトエ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
亜科 : キランソウ亜科 Ajugoideae
: キランソウ属 Ajuga
: ジュウニヒトエ A. nipponensis
学名
Ajuga nipponensis Makino (1909)[1]
和名
ジュウニヒトエ(十二単)[2][3]

ジュウニヒトエ(十二単、学名Ajuga nipponensis)は、シソ科キランソウ属多年草[2][3][4]

特徴

は数本が束生し、花時に直立または斜上して、高さは10-25cmになり、全体に白い長毛が密生する。基部に2-3対の鱗片状のがあり、茎の中部以上の2-4対の葉は大きくなり、さじ状から倒卵状長楕円形になり、長さ3-5cm、幅1.5-3cm、白色がかった緑色になる。葉の先は鈍頭から円頭、基部は次第に狭くなって翼のある長さ1.5-3cmの葉柄になり、縁にはまばらに粗い波状の鈍鋸歯がある[2][3][4]

花期は4-5月。は淡紫白色の唇形で、茎の上部に5-10段になる長さ4-8cmの輪散花序になる花穂をつける。花は花軸のまわりに輪生し、は長い毛があり、5裂する。花冠は長さ約9mm、上唇は浅く2裂して小さく、下唇は大きく3裂して長さ5-6mmになり、中央の裂片は大型になる。雄蕊は4個あり、うち2個は花糸が長い。果実は4個の長さ1.5mmになる分果で、宿存性の萼に包まれる[2][3][4]

分布と生育環境

本州、四国に分布し、やや乾いた丘陵地のやや明るい林の中、林縁、草原に生育する[3][4]

中国大陸台湾から報告されるものは本種ではなく、別種で、シンチクキランソウ Ajuga labordei Vaniot (1938)(中国名:紫背金盤)[5](シノニム、Ajuga nipponensis auct. non Makino[6])という[4]

名前の由来

和名ジュウニヒトエは、「十二単」の意で、花が重なって咲く様子を女官が着用する十二単に見立てたもの[2][3][4]。古くからある名前で、1856年(安政3年)に出版された飯沼慾斎の『草木図説』前編20巻中第11巻の「ジウニヒトヘ」には、「形キランサウの花ノ如乄(して).帽尤小ニ乄(して)頂ニ一缺アリテ殆ト十二裂ノ看アリ」とある[7]

種小名(種形容語)nipponensis は、「日本の」の意味[8]で、牧野富太郎 (1909)による新種記載[1]

保全状況評価

国(環境省)によるレッドデータ、レッドリストの選定はない。

都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[9]。 福島県-絶滅危惧IA類(CR)、栃木県-準絶滅危惧(Cランク)、千葉県-一般保護生物(D)、石川県-情報不足(DD)、福井県-県域絶滅危惧I類、愛知県-絶滅危惧Ⅱ類(VU)、滋賀県-絶滅危惧増大種、京都府-絶滅危惧種、大阪府-絶滅危惧Ⅱ類、和歌山県-絶滅危惧IB類(EN)、鳥取県-絶滅危惧Ⅱ類(VU)、山口県-絶滅危惧IB類(EN)、愛媛県-絶滅危惧Ⅱ類(VU)、

下位分類

  • シロバナジュウニヒトエ Ajuga nipponensis Makino f. nivea Hiyama (1953)[10] - 純白色の品種[11]
  • ジュウニキランソウ Ajuga × mixta Makino (1909)[12] - キランソウとジュウニヒトエの交雑種、別名、キランジュウニヒトエ[12]

ギャラリー

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b ジュウニヒトエ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1063
  3. ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』p.463
  4. ^ a b c d e f 米倉浩司 (2017)『改訂新版 日本の野生植物 5』「シソ科」p.110
  5. ^ シンチクキランソウ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  6. ^ シンチクキランソウ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  7. ^ [飯沼慾斎 草木図説前編20巻(11)、ジウニヒトヘ、コマ番号7/82、国立国会図書館デジタルコレクション-2022年5月30日閲覧
  8. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1504
  9. ^ ジュウニヒトエ、日本のレッドデータ検索システム、2022年5月30日閲覧
  10. ^ シロバナジュニヒトエ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  11. ^ 檜山庫三、日本植物雑記、シロバナジュニヒトエ, The Journal of Japanese Botany,『植物研究雑誌』,Vol.28, No.3, p.94, (1953)
  12. ^ a b ジュウニキランソウ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献

外部リンク



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