サターンI用ASC-15
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 01:11 UTC 版)
「ASC-15」の記事における「サターンI用ASC-15」の解説
サターンIブロックI(ミッションSA-1、2、3、4)では誘導コンピュータは使用されなかった。SA-2の誘導装置を図4に示す。ピッチプログラムは、Servo Loop Amplifier Boxに配置されたカム装置によって提供された。イベントシーケンスは、ジュピターミサイルでも使用されたプログラム装置によって制御された。これは6トラックのテープレコーダーで、一連のリレー(フライトシーケンサ)にパルスを送信して、さまざまな回路を正確なタイミングで開始または停止させた。 ASC-15は、最初に軌道に達したミッションSA-5で初飛行した。これは、最初のサターンIブロックII打上げ用ロケットである。このミッションで、ASC-15はパッセンジャー(荷物)として搭載し、誘導は行わなかったが、後に評価するためにテストデータを生成した。SA-5に搭載された能動的誘導装置は、以前のフライトと同様のものであった。パッセンジャーシステムにはASC-15とST-124慣性プラットフォーム(英語版)が用いられた。ガイダンスはオープンループで、つまりガイダンスコマンドは時間だけの関数である。SA-5では、計器ユニット(英語版)(Instrument Unit)も導入された。 ミッションSA-6では、第1段(S-I)でST-90Sオープンループ誘導を使用していたが、分離後はST-124とASC-15が経路適応誘導(クローズドループ)で第2段(S-IV)を制御した。SA-6誘導装置を図5に示す。経路適応誘導の有効性は、S-IV 8番エンジンの早期停止が機体の軌道にほとんど影響を与えなかったことで思いがけず示されることになった。 SA-6に搭載されたST-90SおよびST-124システム(ASC-15誘導コンピュータを含む)の配置を図6に示す。これは、SA-5、6、7で飛行した計器ユニットのバージョン1である。 ミッションSA-7では、ST-124システムが各段の発射を誘導した。 SA-7誘導制御装置を図7に示す。デジタルコンピュータはASC-15である。ASC-15は、以前のミッションでS-Iチルトプログラムを格納していたカム装置と、それらのミッションのイベントシーケンスを制御するプログラム装置の両方を置き換えた。 SA-7の次に飛行したミッションはSA-9である。このミッションでは、新しいバージョンの計器ユニットが搭載された。これは非加圧で、バージョン1よりも0.61 m(2フィート)短かった。バージョン2は、残りのサターンIミッション(SA-8、9、10)で飛行した。図8では、マーシャル宇宙飛行センター(MSFC)で製作中の様子が示されている。図9は、この画像を拡大したもので、ダミーASC-15とダミーST-124が見える。
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