ケーブルテレビの覇権争い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 18:07 UTC 版)
「アメリカ合衆国のボクシング中継」の記事における「ケーブルテレビの覇権争い」の解説
2003年10月には米国で初めて、同じ日に開催される2興行がいずれもPPVで販売された。まずケーブルテレビ局のShowtimeがラスベガスからイベンダー・ホリフィールド対ジェームズ・トニー戦などを44.95ドルで、3時間遅れのスタートでHBOがロサンゼルスからエリック・モラレス対グティ・エスパダス・ジュニア戦などを34.95ドルで提供した。しかしHBOはこの頃、有力選手の契約数で突出しており、同年12月にはかつてShowtimeと契約していたドン・キング・プロダクションの8大タイトルマッチもHBOのPPVで中継され、ShowtimeはHBOに水をあけられていった。Showtimeは若手選手の試合を中継する『ショウボックス』も定期的に放送することをやめ、看板選手であったマイク・タイソンの進退も不明確なまま、ボクシング中継から撤退するのではないかとの憶測も囁かれた。 NBCによる2005年のリアリティ番組『ザ・コンテンダー』を最後に、4大ネットワーク (ABC、CBS、NBC、FOX) による地上波でのボクシング中継が途絶えると、ケーブルテレビや衛星放送での中継が一般的になった。2011年3月に有料ケーブルテレビチャンネルのエピックス(英語版)がボクシング中継に参入、ヘビー級に重心を置いてヨーロッパの試合を定期的に放送していたが、同局は2013年5月の試合を最後にボクシング中継を打ち切った。2011年7月には、それまでHBOスポーツ社長を務めていたロス・グリーンバーグが退陣。グリーンバーグはボクシングに年間3500万ドルの予算を費やしてきたが、ボブ・アラムとの確執から、それまでHBOで中継していたマニー・パッキャオの2011年5月のシェーン・モズリー戦の契約をShowtimeおよびCBSに奪われたことが主因となった。同時期、HBOはミゲール・コットとの契約も失っている。2012年11月には、ケーブルテレビ局のウェルスTV(英語版)が英国、カナダなどの試合の他、ブライアン・ビロリアとエルナン・マルケスによる1960年代以降初の世界フライ級王座統一戦などを中継した。2015年2月からはケーブルテレビ局のCBSスポーツネットワークがボクシング中継に参入した。 ケーブルテレビを受信する世帯は1960年には7パーセントしかなかったが、1990年には56パーセントに増加。66パーセントがビデオデッキを持っていた。それでも2006年には視聴者の89パーセントはリアルタイムで観ており、DVR(デジタルビデオレコーダー)を使用した視聴者は1.6パーセントだけだった。しかし2012年になると、テレビのある世帯ではDVRの他にもゲーム機、DVDレコーダーなどのデバイスが接続されており、リアルタイムで視聴する者は85パーセントに減少し、DVRを使用したタイムシフト視聴者が8パーセントに増加した。2009年からニールセンは、DVRによるタイムシフト視聴者も含めた数値を発表しているが、2012年初めにはテレビを持つ世帯の43パーセントにDVRが普及。 DVRの世帯普及率の伸びは減速し始めたものの、ビデオ・オン・デマンドやストリーミングなどを使ったタイムシフト視聴者の増加は加速しており、番組の総合的な人気を評価することは非常に困難になっている。
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