グリーン車と特別席の乖離
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/27 08:52 UTC 版)
1980年代以降高速バスや航空機などの競争に対して主に特別急行列車や急行列車で座席指定券を要する座席指定席と自由席の腰掛で差異をつけることで需要喚起を行うとされたが、グリーン車自体も1975年より1984年まで料金値上げにより利用率の減少があり、それに伴い余剰となったグリーン車を活用すると言う意味合いがあった。 これは1980年に四国総局(現・JR四国)管内運行の急行列車で初めて実施された。グリーン車連結を廃止しそのまま普通車座席指定席に転用したものである。 また、1980年代以降、主に高速バスとの競争に対して、速度が遅く居住性が劣り車両も老朽化した急行列車を吸収する形で運行本数を増やした中央東線特急「あずさ」や信越本線特急「あさま」では、座席指定券を要する座席指定席と自由席を腰掛で差異をつけることで需要喚起を行う方法を取った。これらの特急列車群に連結されていたグリーン車については車内での飲料サービスなどで対応する事で差別化を図った。 しかし、1990年代中盤以降、旧国鉄から引き継いだ車両から自社製造の車両に移行したことや、車両の改修により普通車で座席指定席と自由席との差違をつけることが明確ではなくなる場合も見られるようになってきている。また、グリーン車の需要の低下により、東日本旅客鉄道(JR東日本)・九州旅客鉄道(JR九州)では自社内運行の特急・急行列車での利用に関しては値下げを行うなど、普通車の特別席は余り例を見なくなる。 なお、普通車であるが特別な座席として取り扱う事例として特異な例として北海道旅客鉄道(JR北海道)の「uシート」が挙げられる。詳細は同座席の項目を参照されたいが、同じ空港連絡輸送に特化したはずの関空特快「ウィング」の座席指定席と異なり、こちらは特急列車並みのサービスを計った事により成功した事例である。この車両は運用の兼ね合いからのちに同社の電車特急列車の座席指定席へ運用もなされている。
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