ギャンブル障害に関連する特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 22:56 UTC 版)
「ギャンブル依存症」の記事における「ギャンブル障害に関連する特徴」の解説
DSM-5によれば、ギャンブル障害では、歪曲された思考(例:否認、迷信、偶発的な出来事の結果を超える力と支配力の感覚、オカルト、確率の誤解、自信過剰など)が存在していることがある。金が彼らの問題の原因であり、かつ解決策であると強固に確信している場合もある。 Blaszczynski, A. らは、ギャンブル障害の3Pathways Modelを提唱し、衝動型(ADHD型)、回避型(不安型)、いずれも弱い型の三タイプでのギャンブル障害の分類を提案している。 ギャンブル障害には実際、併存障害が多い。Dowling NA et al.(2015)によれば、アルコール依存症 15.2%、薬物依存症 4.2%、大うつ病性障害 29.9%、双極性障害 8.8%、統合失調症 4.7%、パニック障害 13.7%、社交不安障害 14.9%、PTSD 12.3%、ADHD 9.3%、など併存障害全体では74.8%におよぶという。 宮岡らは、「病的ギャンブリング「いわゆるギャンブル依存」の概念の検討と各関連機関の適切な連携に関する研究、2013」(厚労科研調査)で、日本のギャンブル障害を以下に区分している。 タイプI(単純嗜癖型:特に背景要因がなくギャンブルにはまる) タイプII(他の精神障害先行型:大うつ病性障害、双極性障害、統合失調症、不安障害、パーキンソン病、むずむず脚症候群、アルコール使用障害など) タイプIII(パーソナリティ等の問題型:境界性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、アスペルガー症候群やADHD等の発達障害、もともとの生活上の問題、認知症、器質的な問題など) すなわち、ギャンブル障害の問題をとらえる場合、併存障害のアセスメントは必須で、単純嗜癖型としてのみギャンブル障害のすべてをとらえようとすると弊害を生む可能性がある。また単純嗜癖が病的といえる段階に至る背景には併存障害、パーソナリティ、ストレス状況などを想定する必要がある。 ギャンブル障害の特徴として留意すべき最大のポイントは自殺企図である。治療をしている半数の人たちは自殺念慮を持ち、そして約17%が自殺企図があったとDSM-5では記載されており、久里浜医療センターの平成25年6月~26年12月までのギャンブル外来初診データでも35名中8名(22.9%)に自殺企図がみられており、自殺予防対策は急務である。
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