キャドバリーの買収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 00:56 UTC 版)
「クラフトフーヅ・インク」の記事における「キャドバリーの買収」の解説
2009年9月7日、クラフトフーヅは、イギリスの老舗製菓会社であるキャドバリーに対し102億ポンドでの買収を提案した。キャドバリーはこの提案を拒否し、これは「くだらない」(derisory)提案だと述べた。クラフトフーヅは同年12月4日にも同様の提案を行った。この提案は、イギリス内外からの大きな反発を受け、イギリス政府に対して大企業の企業買収に対する保護主義政策を求める意見も挙がった。2010年1月19日、キャドバリーはクラフトフーヅからの修正提案を了承し、195億ドル(115億ポンド)で買収された。買収資金の一部はロイヤルバンク・オブ・スコットランドが提供した。 この買収は、2007年3月にクラフトフーヅの会長兼CEOに就任したアイリーン・ローゼンフェルド(英語版)が策定した、同社の成長のための3年計画に基づくものだった。ローゼンフェルドは会長就任時に、新規市場の開拓と製品の幅を広げることが必要であると述べた。キャドバリーの買収は、インドやブラジルなどのクラフトフーヅが未開拓の市場への進出に役に立つと想定されていた。キャドバリーの買収により、クラフトフーヅは世界の菓子の市場のシェアの14.8%を占め、世界最大の菓子メーカーとなった。マースが14.6%でそれに続き、ネスレが7.8%で3位だった。 キャドバリーの売上は、クラフトフーヅによる買収の後は横這いとなった。クラフトフーヅの同年第4四半期の純利益は、イギリスでの事業統合の費用により24%減の5億4千万ドルとなった。クラフトフーヅは、北米と欧州におけるコストの上昇のために商品を値上げせざるを得なくなった。また、トウモロコシ、砂糖、ココアなどの原材料の価格上昇と戦うことになった。統合費用を考慮すると、クラフトフーヅの1株当たりの配当は、キャドバリー買収直後から約33%減少した。キャドバリーの買収時にイギリスでの生産は継続すると公約していたが、2011年3月、クラフトフーヅはイギリス国内の工場を閉鎖してその土地を5千万ポンドで売却し、生産拠点をポーランドに移した。これは、イギリス国民の激しい怒りを生んだ。ソマーデール工場は2010年の買収直後に閉鎖された。工場の従業員はローゼンフェルドCEOに説明と謝罪を求めたが、ローゼンフェルドはそれを拒否した。 2010年3月1日、クラフトフーヅは北米の冷凍ピザ部門をネスレに37億ドルで売却した。
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