市場の開拓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 13:28 UTC 版)
UNIVAC Iは比較的単純な計算とデータ処理を高速に実行するビジネス用途を目的として設計したものとしては米国初のコンピュータで、これまでの科学技術用の複雑な計算を行うコンピュータとは対照的だった。この分野はパンチカード集計機の市場であり、UNIVACはこれと競合する商品であったが、当初UNIVACにはパンチカードの入出力機能がなかった。カードに保存された大量のデータを手作業で入力しなければならず、作業コストの懸念から売り上げは伸びなかった。カードを読んで磁気テープに出力する装置と、磁気テープからカードに出力する装置の2つのコンバータをUNIVACが別途発売したことでこの問題は修正された。しかしながらUNIVAC Iの当初の売り上げはレミントンランドの希望よりも低かった。 宣伝のためCBSと提携してUNIVAC Iに1952年大統領選挙の結果を予想させた。事前の世論調査ではアドレー・スティーブンソンが有利とされていたが、UNIVAC Iはアイゼンハワーの逆転勝利を予想した。CBSのスタッフはUNIVACが間違っていると確信しており、UNIVACは使い物にならないと考えていた。開票作業が進むとUNIVACの予想が正しかったことが明らかになり、アナウンサーがUNIVACの能力を評価したことでマシンは有名になった。これによりコンピュータに対する国民の評価が変わり、以降コンピュータによる選挙予想は選挙結果を伝える夜の報道に欠かせないものとなった。
※この「市場の開拓」の解説は、「UNIVAC I」の解説の一部です。
「市場の開拓」を含む「UNIVAC I」の記事については、「UNIVAC I」の概要を参照ください。
- 市場の開拓のページへのリンク