エンジン機関室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 06:08 UTC 版)
L = 427 mm (16-7/8 in) この区画には、エンジンを冷却するために水が自由に入ってくるように作られている。起動スタータ、「調和器」とよばれる圧力レギュレータ、ウェットヒーター式燃焼室、主エンジン、そして水平舵(昇降舵)制御器が内部にある。 起動スタータは、魚雷が水面に落下する間、1個は垂直の縦舵操舵用の、もう1個は両側の翼ラダーが付いている安定舵用の、それぞれのコントローラを起動する。水平舵(横舵)は上げ一杯の位置に固定されている。起動スタータは、魚雷が水面を打ったとき推進の主エンジンを起動する。航空機に搭載されている間は、ロックとして太いボルトがスタータに挿し通されている。魚雷が投下されるとこのボルトは引き抜かれ、ボルトは航空機の機体の下側に残る。 「調和器」と呼ばれるエンジン吸気部の圧力レギュレータ(降圧器)は、2段構成になっていて、それぞれに圧力調整弁が付いている。これは気室の高圧空気の 215〜50 気圧 (3,000〜711 psi) を、10 気圧 (142 psi) 程度の一定圧力に降圧調整する。気室の圧力は水面下を走行するにつれて低下するが、圧力レギュレータは一定圧の空気をエンジン吸入口に供給し、速度 43 ノット (80 km/h) を保つ。 ウェットヒーター室(加熱室)は耐熱鋼でできている。九一式航空魚雷の各種は、第2次大戦中の他のほとんどの魚雷と同じくウェットヒーターエンジンを使った。一般的なウェットヒーター燃焼方法は、魚雷のエンジンの燃焼効率を劇的に改善した。エンジンは、ウェットヒーター部(加熱部)の燃料石油と高圧空気の混合ガスに真水をスプレーし、加圧水蒸気燃料ガスを生成してエンジンに供給する。高圧石油燃料ガスは 800 ℃ で燃焼する。燃焼ガスに真水の霧を噴霧すると、水蒸気爆発を起こし、石油燃料が完全に燃焼する。 主エンジンは、8気筒星型単列ピストンエンジンである。 尾部水平安定板の水平舵(昇降舵)は、前部浮室(フロート部)にある深度計からの接続ロッド機構によって操舵される。
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