エタノール沈澱
エタノール沈殿
原理
DNAやRNAといった核酸は、非常に多くのリン酸ジエステルのアニオンをもつ高分子である。このような親水性の高い分子は、エタノールのような有機溶媒に対する溶解性が低く、不溶化する。一般に、扱うDNAやRNAは少量なので、遠心分離機で沈殿を集める。
目的
方法
ヒント
沈殿はDNAのNa塩
核酸は、リン酸の対イオンとしてNa+とイオン結合したナトリウム塩として沈殿させるために0.3M NaOAcを加える。(加えすぎると、エタノールaq.を加えたときにDNA塩でなく、別のNa塩が析出してしまうので注意。)
沈殿ができないときは
核酸の量が非常に少ない場合は、沈殿がなかなかできない。濃度が低いために溶けてしまったり、凝集に時間がかかるため。 その場合は、遠心前に多糖を添加(20mg/mLのグリコーゲン溶液1μL)して共沈させることもできる。あらかじめ調製された各ベンダーの共沈剤を使っても良い。
また、極性の低いイソプロパノールを等量用いて沈殿させることもできる。イソプロパノールはエタノールほど揮発しないので、最後に70%エタノールでエタ沈してイソプロパノールを除く必要がある。イソプロパノールで沈殿させたDNAは透明に近いので、沈殿がはっきりと見えない場合がある。
どうしても沈殿ができない場合は、DNA溶液をブタノール濃縮してからエタ沈すると沈殿させることができるかも知れない。
完全に乾燥するかどうか
遠心エバポレーターで完全に乾燥すると、再度溶解する場合に時間がかかる。次の反応や操作によっては、風乾で良い場合もあるので、実験計画にあわせて対応する。再度溶解するときに、まちがってもソニケーターを使わないように
廃液
問題
溶液
70%エタノール
100%エタノール
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エタノール沈殿
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