エイプリルフールとメディア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 12:27 UTC 版)
「エイプリルフール」の記事における「エイプリルフールとメディア」の解説
4月1日には、世界中で新聞が嘘の内容のニュース記事を掲載したり、報道番組でジョークニュースを報道したりといったことが広く行われている。インターネットが普及してからは、実用性のない冗談RFCが公開されたり、ウェブサイトではジョークコンテンツを公開するといったことも行われる。 ジョークの規模についても、簡易なものから大きな労力をつぎ込んだものまで存在し、公式サイトにおいては、個人発から大手企業発まである。時に、閲覧者から嘘の情報の内容についての問い合わせが来ることもある(BBCの「ビッグ・ベンのデジタル化、およびそれによる時計針のプレゼント」(1980年、2008年)「ペンギンが空を飛ぶ」(2008年)など)。 なお、かつては通信社が配信した嘘記事を、日本の新聞社が本当のニュースとして掲載したことがあった。1995年には「ドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスが初の小説『山々の彼方に』を出版する」という記事が朝日新聞にニュースとして掲載された。しかし、出典元のフランクフルター・アルゲマイネの記事がエイプリルフールの冗談であったとして、後に記事を撤回した。2005年に日本の東京新聞が掲載した「スマトラ沖地震の余波で沖縄南端に新島が出現」という記事を、韓国の京郷新聞がニュースとして掲載するなど、別のメディアが情報元を真に受けてしまった事例もある。 東京新聞の「こちら特報部」は、2001年(平成13年)から4月1日に、エイプリルフールの記事を紙面に掲載していると共に、エイプリルフール連動広告を組んでいる。 月初めでもあり、同時に情報として公開するインパクトが強い日でもあるため、本当の記事や発表も紛れ込ませ、後の日に本当であることを公表し印象付けるケースもある。 中華人民共和国では、新華社が2016年4月1日に『エイプリルフール』について「中国の特色ある文化や社会主義の核心的価値に合わない。便乗して参加せず「嘘をつかない、嘘を伝え広げない、嘘に惑わされない」様に新浪微博で呼びかけたが、中国のインターネットユーザーは「国営メディアは毎日が嘘情報」「中国人民は67年間も嘘を付かれ続けてきた」「西洋諸国にとって、エイプリルフールは4月1日が過ぎれば終わりだが、中国では年中エイプリルフールだからな」「冗談も言えないような民族は悲しいものだよ」とブラックジョークとして皮肉り、イギリスのガーディアンやアメリカ合衆国のニューヨーク・タイムズも「2016年のベストジョーク」として報道した。 2016年アメリカ合衆国大統領選挙で、いわゆる偽ニュース(フェイクニュース)が社会問題化すると、北欧メディアなどでは2017年から伝統となっていたエイプリルフール記事を自粛するようになった。
※この「エイプリルフールとメディア」の解説は、「エイプリルフール」の解説の一部です。
「エイプリルフールとメディア」を含む「エイプリルフール」の記事については、「エイプリルフール」の概要を参照ください。
- エイプリルフールとメディアのページへのリンク