イトヨリダイとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 魚類 > > イトヨリダイの意味・解説 

いとより‐だい〔‐だひ〕【糸××鯛】

読み方:いとよりだい

スズキ目イトヨリダイ科海水魚全長35センチ。体は細長く、やや側扁し、紅色の地に6本の黄色縦帯が走る。尾びれの上部の軟条糸状伸びている。本州中部以南近海に多い。冬に美味いとくりうお。いとより

糸縒鯛の画像

イトヨリダイ

学名Nemipterus virgatus 英名:Golden thread
地方名アカナボチョ 
脊椎動物門硬骨魚綱スズキ目イトヨリダイ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
側線より上方に1本、下方に5本の黄色帯が走る。尾びれの上方が長い糸状になっている側線の始部に3個の赤い斑点がある。生息水深40100mくらいで砂泥底にすんでいる。小動物食べる。産卵期は5〜8月浮遊性卵を産む釣り刺し網漁獲される。あっさりとした上品な白身魚関西では高級魚として取り扱われる。旬は冬で照り焼き煮付け新鮮なものは刺身にするとおいしい。うろこの大きさは中くらいである。

分布:南日本北西オーストラリア琉球列島を除く) 大きさ:36cm
漁法:一本釣り延縄 食べ方:刺身照り焼き煮付け

糸撚鯛

読み方:イトヨリダイ(itoyoridai)

イトヨリダイ科海水魚

学名 Nemipterus virgatus


糸綟鯛

読み方:イトヨリダイ(itoyoridai)

イトヨリダイ科海水魚

学名 Nemipterus virgatus


糸撚鯛

読み方:イトヨリダイ(itoyoridai)

タイ科海魚

季節

分類 動物


イトヨリダイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/24 05:42 UTC 版)

イトヨリダイ
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: イトヨリダイ科 Nemipteridae
: イトヨリダイ属 Nemipterus
: イトヨリダイ N. virgatus
学名
Nemipterus virgatus
Houttuyn, 1782
シノニム[2]
  • Sparus sinensis Lacepède, 1802
  • Nemipterus matsubarae Jordan & Evermann, 1902
  • Dentex setigerus Valenciennes, 1830
  • Sparus virgatus Houttuyn, 1782
  • Synagris virgatus Houttuyn, 1782
英名
golden threadfin bream
yellowlipped threadfin bream
釣り上げられたイトヨリダイ

イトヨリダイ(糸撚鯛・糸縒鯛、学名:Nemipterus virgatus)は、イトヨリダイ科に属する魚類の一種。西太平洋の砂泥底に生息し、漁業の重要な対象種とされる。

分類と名称

1782年にオランダ博物学者であるマールテン・ホッタインによって Sparus virgatus として記載され、タイプ産地は日本とされた[3]。従来スズキ目に分類されていたが、『Fishes of the World』第5版では、タイ目に分類されている[4]。種小名は「縞模様」を意味し、体側面にある黄色い縦縞に由来する[5]

和名は糸を撚るような動きで泳ぐことに由来する[6]。生鮮魚介類として流通する場合には「イトヨリ」の名称も用いられる[6][7]。また、地方名として「イトヒキ」と呼ばれる場合もある[6]

分布と生息地

南日本東シナ海ベトナムから台湾海峡フィリピンまでの南シナ海オーストラリア北西部とアラフラ海にかけての西太平洋に分布する[1]。日本では新潟県以南の日本海岸、鹿島灘以南の太平洋岸、瀬戸内海で見られる[8]底魚であり、水深40-220m、幼魚は水深18-33mの砂泥底に生息する[2]。東シナ海では春から夏にかけて大陸棚の浅場に留まり、冬には沖合に移動する[8]

形態

背鰭は10棘と9軟条から、臀鰭は3棘と8軟条から成る[2]。体長は体高の3.2-4倍で、吻部は眼の直径よりも長い。上顎の前部には3-4対の犬歯がある[9]。胸鰭と腹鰭は長く、肛門の高さから臀鰭の起点まで伸びている[2]。尾鰭は中程度に二叉し、上葉は糸状に伸びる。上半身はピンク色で、下半身は徐々に淡くなる。体側面には6本の縦縞が入り、1本は側線より上にある。胸部と腹部は白色である。頭部はピンク色で、上唇から眼の前下縁にかけて黄色の縞が走り、頬の上には不明瞭な黄色の横帯が2本ある。眼はバラ色で、上唇は黄色。背鰭は淡いピンク色で、幅広く黄色で縁取られる。背鰭の前縁は赤く、基部のすぐ上にもう1本の黄色の縞がある。臀鰭は半透明のピンク色で、縁の下に黄色の縞があり、基部のすぐ上には最後の軟条の先端まで伸びる細い黄色の縞がある。尾鰭はピンク色で、上縁は黄色である。腹鰭はピンク色で、第2および第3条に沿って黄色の線があり、胸鰭は半透明のピンク色である[9]。体長は通常23cmで、最大35cmに達する[2]

生態

痕跡的雌雄同体であり、雄は機能する精巣を持ちながら、機能しない卵巣を持つ。南シナ海では産卵は2月から6月の間に起こり、2月から4月の間にピークを迎える。小魚、甲殻類頭足類を捕食する[9]。2-3歳にかけて、尾叉長26cmごろに成熟する。駿河湾では1-6月に産卵し、4-6月がピークである。5-8月にかけて仔稚魚が見られる[8]

人との関わり

東シナ海と南シナ海の商業漁業の重要な対象種であり、釣り延縄底引網で漁獲される一方、稚魚はエビのトロール漁で大量に混獲される。年間漁獲量は2010年までの10年間で30%減少しており、IUCNレッドリストでは危急種に指定されている[1]

日本

日本ではうま味が強い白身魚で、美味であるため、経済的価値が高い魚として漁獲され、取引される。中でも、近海で漁獲された大型の物は、高値で取引され、特に関西で珍重される[10]。しかし、日本で市販されている物には輸入された物も多く、その場合は鮮度が落ちるので注意が必要である。日本での旬は、秋から冬にかけてとされる[11]

身が柔らかく崩れ易いため、煮付け料理には向かず、蒸し魚や塩焼きにする場合が多い。身が柔らかいため、病人用の食事として供される場合もある。なお、鮮度が高ければ、刺身にして食べる例も見られる。

台湾

台湾では「金線鰱」(ジンシエンリエン)と称し、中級の魚として食べられている。油で煎り焼きにする事が最も多いものの、台湾では「話梅」(干し梅)の風味を付けた汁をかけて食べたりもする。また、蒸し魚、塩焼きなどにする場合もある。さらに、魚肉練り製品の材料に使われる場合もある。

中華人民共和国

香港広東省では「紅衫」「広東語、ホンサーム)と称し、中級の魚として食べられている。油で煎り焼きにする事が最も多いものの、例えば、香港では落花生油で焼いて、豆豉で味を付けるなど、地域によって味付けに違いが見られる。また、蒸し魚、塩焼きなどにする場合もある。

出典

  1. ^ a b c Carpenter, K.; Matsuura, K.; Collette, B.; Nelson, J.; Dooley, J.; Fritzsche, R. & Russell, B. (2010). Nemipterus virgatus. IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T154900A115250542. doi:10.2305/IUCN.UK.2010-4.RLTS.T154900A115250542.en. https://www.iucnredlist.org/species/154900/115250542 2025年2月5日閲覧。. 
  2. ^ a b c d e Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2023). "Nemipterus virgatus" in FishBase. October 2023 version.
  3. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Nemipterus”. researcharchive.calacademy.org. 2025年2月5日閲覧。
  4. ^ Nelson, J.S.; Grande, T.C.; Wilson, M.V.H. (2016). Fishes of the World (5th ed.). Hoboken, NJ: John Wiley & Sons. pp. 502-506. doi:10.1002/9781119174844. ISBN 978-1-118-34233-6. LCCN 2015-37522. OCLC 951899884. OL 25909650M 
  5. ^ Order ACANTHURIFORMES (part 6): Families GERREIDAE, LETHRINIDAE, NEMIPTERIDAE and SPARIDAE”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf (6 February 2024). 9 February 2024閲覧。
  6. ^ a b c イトヨリダイの特徴 | 釣魚図鑑(特徴・仕掛け・さばき方) | Honda釣り倶楽部”. Honda公式サイト. 2023年10月27日閲覧。
  7. ^ 魚介類の名称表示等について(別表1)” (pdf). 水産庁. 2013年5月29日閲覧。
  8. ^ a b c 小枝圭太 (2018)「イトヨリダイ」中坊徹次(編/監修)『小学館の図鑑Z 日本魚類館』p.282、小学館、ISBN 978-4-09-208311-0
  9. ^ a b c B. C. Russell (2001). “Nemipteridae”. In Carpenter, K.E.. The Living Marine Resources of the Western Central Pacific Volume 5: Bony fishes part 3 (Menidae to Pomacentridae). FAO Species Identification Guide for Fishery Purposes. FAO Rome. p. 3063. https://www.fao.org/3/y0770e/y0770e30.pdf 
  10. ^ イトヨリダイ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑”. ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑. 2025年2月5日閲覧。
  11. ^ 本山荻舟 『飲食事典』 p.36 平凡社 1958年12月25日発行

関連項目




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イトヨリダイ」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
糸縒り デジタル大辞泉
52% |||||

7
糸縒鯛 デジタル大辞泉
52% |||||

8
34% |||||



イトヨリダイのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イトヨリダイのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
長崎県水産部長崎県水産部
Copyright © Nagasaki Pref. Japan.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイトヨリダイ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS