アームストロング法とは? わかりやすく解説

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アームストロング法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 00:14 UTC 版)

1907年恐慌」の記事における「アームストロング法」の解説

1880年代アメリカにおける証券引受は、次に掲げるような個人銀行が行っていた。JPモルガンクーン・ローブシュパイヤーSpeyer family, 全盛においてはロスチャイルドよりも富裕であったといわれる)、セリグマン(J. & W. Seligman & Co.)、キダー・ピーボディ(Kidder, Peabody & Co., 現UBS)などである。しかし彼らは1893年恐慌資金引き上げてしまった。そこで資金がないなりにアメリカ産金機関経営統合進んだこの中で三大生保保有契約総資産両面にわたり顕著にシェア拡大した1900年両面で五割に迫る)。ミューチュアル生命Mutual Life Insurance Company of New York, 現アクサ)、エクイタブル生命(The Equitable Life Assurance Society, 現アクサ)、ニューヨーク生命New York Life Insurance Company)である。生保銀行株保有することによって、商業銀行信託銀行系列化した。こうして生保証券引受直接介入するだけの独占体制確立した。もともと三大生保先に列挙した個人銀行家と一緒に鉄道債を引受ける力があった。 1905年8月1日アメリカ上院議員アームストロングWilliam W. Armstrong)が委員長となり、「生命保険会社経営活動調査するために任命されニューヨーク州上下合同委員会(The Joint Committee of the Senate and the Assembly of the State of New York appointed to investigate the Affairs of Life Insurance Companies)」が設置された。この委員会9月6日から12月31日にかけて、関係者召還しての公聴会を含む57回の会合開いた10巻にまとめられ報告勧告は、おおよそ次のようなものであった粗末なコーポレート・ガバナンス比較小さ論点となった事業費濫費されたことが指摘され一因として据え置き配当積立金槍玉にあがり全廃まで勧告された。コンツェルン化にともなう創業者利得焦点となり、株式投資禁止保有株式処分証券引受活動禁止自由な証券売却妨げ協定禁止などが提言された。委員会勧告若干修正加えられ1906年改正ニューヨーク州保険法として実施移された。 ジョージ・パーキンス(George Walbridge Perkins)の活躍で、ニューヨーク生命ミューチュアル生命大規模な対外投資行っていた。パーキンスニコライ2世直に相談してロシア確固たる地歩築いていた。生命保険業ゆきすぎ活動委員会調べにより徹底摘発された。調査官らは、保険会社全体毎年新規取扱い高1.5ドル制限すべきである勧告した。この制限1907年1月1日課せられた。こうしてエクイタブル、ミューチュアルニューヨーク生命は、国内および海外での販売削減したミューチュアル生命は、海外これ以上担保供託をしないことを決めた。エクイタブル生命1912年までに海外進出中止決意した。しかし、パーキンスニューヨーク生命だけは、国際事業活動断固として踏みとどまった法令順守のため生保数年かけて保有株式売却した。そしてミューチュアル生命ニューヨーク生命モルガン系列となった。この二社とも、1915年末の総資産占め証券比重は五割を超えた。エクイタブル生命内紛とアームストロング法によりクーン・ローブおよびナショナル・シティーロックフェラー家)と関係を深めた1911年ニューヨーク保険監督官がエクイタブル生命対し銀行株保有を各銘柄について5%にまで減らすよう勧告した。これが追い討ちとなり、エクイタブル・コンツェルンは分解されモルガンロックフェラークーン・ローブ支配された。 1912年春、後述アメリカ信託会社(#信用回復への取り組み)がエクイタブル信託吸収された。エクイタブル信託1930年ジョン・ロックフェラー2世チェース・ナショナル(現JPモルガン・チェース)に買収された。

※この「アームストロング法」の解説は、「1907年恐慌」の解説の一部です。
「アームストロング法」を含む「1907年恐慌」の記事については、「1907年恐慌」の概要を参照ください。

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