アームストロングへの批判と戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 10:05 UTC 版)
「グレッグ・レモン」の記事における「アームストロングへの批判と戦い」の解説
「ランス・アームストロングのドーピング問題」も参照 2001年に、レモンは当時ツール・ド・フランスを連覇中であったランス・アームストロングの成功をドーピングの力によるものと示唆し、論争を巻き起こした。「アメリカ人によるツール総合優勝」、「生命の危機からの奇跡の復帰」といった共通項を有する先輩が、ツールで活躍を続ける現役選手を批判したことは、世界的に衝撃を与えることになった。 さらに、アームストロングがツール連覇を続けた2004年7月にも、再び「もしもアームストロングがクリーンなら、まれにみる復活劇だ。そしてもしもクリーンではなかったとしたら、史上まれにみる茶番だ」とコメントした。また「ランスにはなんでも秘密にしておける才能があるようだね。どうやってみんなに潔癖さを信じ込ませ続けているのか私には理解不能だ」と『ル・モンド』紙へのコメントで語った。 これに対しアームストロングは反論し、著書においても引用している。しかし、レモンはアームストロングやドーピングへの批判を止めず、そのためさまざまな報復や困難に遭うことになった。 2006年、レモンは、後にアームストロングのドーピングを告発した1人で、自身もドーピングによって2006年のツール・ド・フランス総合優勝のタイトルを剥奪されたフロイド・ランディスに対する公聴会にエディ・メルクスとともに参考人として証言を求められていたが、そのマネージャーから公聴会に出廷しないよう脅迫電話を受けていた。後日、ランディスのマネージャーは脅迫電話の事実を認め、レモンとその家族に謝罪した。 2008年、レモンのブランドバイク「LeMond Bicycles」を販売していたトレック・バイシクル(トレックはアームストロングの主なスポンサー)は、レモンが長年アームストロングとトレックに対して「悪意あるコメント」を行ってきたとして、販売停止を求める訴訟を提訴した。これによってレモンは以降5年間にわたって、事実上同車の販売ができなくなってしまった。 2012年8月24日、米国反ドーピング機関(USADA)は、ドーピング違反で告発したランス・アームストロングについて、7連覇を達成したツール・ド・フランスのタイトルが含まれる1998年8月1日から2012年現在までの競技成績を剥奪、さらに自転車競技からの永久追放処分を科す、と発表、2013年1月14日にはアームストロング自身もドーピングを行っていたことを認めた。この結果、レモンの指摘は正しかったことが証明されたが、その間にレモンが受けたさまざまな妨害や被害はとても大きいものであった。
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