アントニトからオシアへ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/26 07:28 UTC 版)
「クンブレス・アンド・トルテック・シーニック鉄道」の記事における「アントニトからオシアへ」の解説
この区間は小さな畜産業の町であるアントニトから路線の中間地点のオシアまで、鉄道の東半分を走る。マイルポスト280.70 マイル地点にあるアントニトは、現在はユニオン・パシフィック鉄道の一部となっている、かつてのデンバー・アンド・リオグランデ鉄道の企業城下町であった。ここには修理工場や給水タンクなどが置かれている。もともとあった鉄道のヤードやデルタ線、駅設備などはコロラド州・ニューメキシコ州に売却されなかったので、ここのほとんどの設備はクンブレス・アンド・トルテック・シーニック鉄道によって建設されたものである。 駅を出ると、列車は丘陵地帯に入るまでほぼ3 マイル (4.8 km) ほどまっすぐ走る。そこを過ぎると、マイルポスト285.87 マイル地点でファーガソン橋を渡る。この橋の名前は、ここで機関車から吊るされた男の名前にちなんでいる。この橋は、ウィリー・ネルソンとデルタ・バーク (Delta Burke) の出演した1988年のテレビ映画Where the Hell's That Gold?!!?で取り上げられている。このテレビ映画向けに実施した爆発は予想より大きなものとなって、橋を焼失してしまうものとなった。仮の橋ができるまで1週間に渡って運行が止まり、その年の冬にほぼ原型に忠実にトレッスル橋が復元された。さらに3 マイルほど先に、累計で11回に及ぶニューメキシコ州との州境通過の1回目があり、岩棚をラバ・メサ (Lava Mesa) へ向かって登っていく。マイルポスト291.55 マイル地点のラバ (Lava) には、1971年にアントニトから移設された古い給水タンクがある。ここには転回線として使用されているΩ状の線路があり、チャマからやってきたロータリー除雪車が転回するために使っている。クンブレス・アンド・トルテック・シーニック鉄道には、ロータリーOMおよびロータリーOYと呼ばれる2両のロータリー除雪車がある。 西へ向かい、2回に渡ってΩ状のカーブになっているウィプラシュ・カーブ (Whiplash Curve) を通る。ここから1 マイルほど進むと、ビッグ・ホーン (Big Horn) に側線とデルタ線がある。ビッグ・ホーンを過ぎると、最初の給水停車があるサブレット (Sublette) まで、山に沿って何度もΩ状のカーブを通っていく。 サブレットは放棄された鉄道の保線基地で、木造の詰め所、保線基地、側線やそのほかの建物がある。かつては側線の西側に給水タンクがあったが、現在はその場所に給水管がある。炭水車に水を補給すると、青々と茂ったポプラの森へ列車が入っていく。 サブレットを出ると、トルテック側線を通過する。ここは、1950年代にチャマやファーミントン (Farmington) とアラモサ (Alamosa) の間で長い油井用パイプを運んでいた列車が対向列車と交換するために使っていた。そこを過ぎるとマッドトンネル (Mud Tunnel) を通る。このトンネルはやわらかい火山灰の地質なので、木の柱で内張りがなされている。このトンネル内の梁が崩壊したときには、デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道はトンネルを迂回して旅客や小型の車両を移動できる道を造り、反対側に待機している列車に移動できるようにしたことがある。このトンネルを抜けるとファントム・カーブ (Phantom Curve) を通り、カリコ・カット (Calico Cut) を抜けて、列車が速度を落とす。駅のために速度を落とすのではなく、行程中でもっとも景色のよい場所を通るためである。 その後、ロックトンネルに入るときに汽笛を鳴らす。このカーブを描いたトンネルによりトルテック峡谷に入る。ここでは皮の上の600 フィート (180 m) の位置に線路が敷かれている。トンネルを出ると、岩場が広がっている。この岩場をゆっくり抜け出すと、ジェームズ・ガーフィールド大統領の記念碑を通過する。再び列車は加速するがあまり長くはなく、10分ほどでオシアへと到着する。
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