アメリカ音楽史への影響とは? わかりやすく解説

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アメリカ音楽史への影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:55 UTC 版)

アントニン・ドヴォルザーク」の記事における「アメリカ音楽史への影響」の解説

ナショナル音楽院は、作曲学校創設するという目的のために創設され音楽院であった創始者のジャネット・サーバー夫人は、メトロポリタン歌劇場対抗してアメリカ人作曲家による英語のオペラ上演を行うことが夢であった。すなわち、この音楽院は、アメリカにおける国民楽派創立目指す拠点としての位置づけにあったチェコ国民楽派大物作曲家であったドヴォルザーク招聘した目的アメリカ国民楽派創立向けて音楽教育、特に作曲分野での充実を図る狙いがあった。ドヴォルザークアメリカ到着した直後に、サーバー夫人アメリカ人作曲家のためのオペラ賞設立発表している。 しかし、アメリカ時代ドヴォルザーク門下からは特筆するような作曲家音楽作品生まれず、サーバー夫人もくろみ直接的に果たされなかった。その理由として、基本的な音楽教育不備でありナショナル音楽院学生レベル高くなかったこと、ドヴォルザーク教鞭を執った期間が短すぎたこと、ドヴォルザーク自身ネイティブ・アメリカン音楽黒人霊歌研究吸収することに時間費やし実践的教育にまで至らなかったことなど、さまざまな憶測なされている。 しかし、これはドヴォルザーク以後アメリカ音楽発展寄与しなかったということには当たらないドイツを範とする傾向強かった当時アメリカ作曲界に、国民音楽潮流生み出したことは間違いない渡米8ヶ月後の1893年5月21日、「ヘラルド・トリビューン紙上に『黒人旋律真の価値』と題するドヴォルザーク論文掲載された。また1895年チェコ帰国した後ではあるが、ニューヨーク音楽雑誌に『アメリカの音楽』と題する論文発表している。これらの論文通してドヴォルザークは、黒人ネイティブ・アメリカン音楽豊かさ啓発しのだった。そして、その主張何よりも雄弁物語ったものは、交響曲第9番新世界より」、弦楽四重奏曲第12番アメリカ」、チェロ協奏曲といった彼自身音楽作品そのものであった。これらの作品は、スラヴ的であると同時にアメリカフォークロア影響表れており、アメリカ国民音楽創設可能性を示す作品でもあった。ドヴォルザーク門下生たちは、黒人霊歌ジュビリー素材とした短い歌曲ピアノ曲少なからず作曲し出版したし、直接ドヴォルザークとの接触を持たなかった他の作曲家たちも似たような傾向を持つ楽曲作り始めたドヴォルザークアメリカの音楽愛好家深く愛されチェコ帰国するころまでには作品のほとんどがアメリカ初演終えていた。ニューヨーク・フィルハーモニックアメリカ音楽興隆寄与したことを感謝しドヴォルザーク名誉会員推挙したであった

※この「アメリカ音楽史への影響」の解説は、「アントニン・ドヴォルザーク」の解説の一部です。
「アメリカ音楽史への影響」を含む「アントニン・ドヴォルザーク」の記事については、「アントニン・ドヴォルザーク」の概要を参照ください。

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