アプリケーションと使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 10:24 UTC 版)
「オーディオン管」の記事における「アプリケーションと使用」の解説
リー・ド・フォレストは1920年代初めまで、米海軍に既存機器のメンテナンス用としてオーディオンを製造・供給していたが、それ以外の地域では、その時点で時代遅れと見なされていた。実用的なラジオ放送を実現したのは、真空三極管であった。 オーディオンの登場以前は、ラジオ受信機にはコヒーラー、バレット、クリスタルディテクターなどさまざまなディテクターが使われていた。水晶振動子は、ガレナ結晶の小片を細い針金で探針したもので、一般に「キャッツウィスカーディテクター」と呼ばれている。しかし、この検出器は信頼性が低く、頻繁に調整する必要があり、増幅もできない。このため、ヘッドホンで信号を聞く必要があり、音量も小さい。また、長距離通信には巨大なアンテナを必要とし、送信機には膨大な電力が必要であった。 これを大幅に改良したのがオーディオンだが、オリジナルのデバイスでは、信号検出の過程で発生したものを、その後に増幅することができなかった。後期の真空三極管は、三極管の増幅出力を次の三極管のグリッドに供給することにより、信号を任意のレベルまで増幅することができ、最終的にはフルサイズのスピーカーを駆動するのに十分すぎるほどのパワーを供給することができる。これとは別に、受信した電波を検波する前に増幅することができ、より効率的に動作させることができるようになった。 また、真空管は優れた無線送信機にも利用できる。第一次世界大戦中、より高性能の送信機と、より高感度の受信機の組み合わせで、無線通信に革命が起きた。 1920年代後半になると、この「真空管ラジオ」は欧米の一般家庭に普及し始め、1950年代半ばにトランジスタラジオが登場するまでは、ずっとその状態が続いた。 現代の電子機器では、真空管は1947年に発明され、1959年に集積回路に実装されたトランジスタなどの固体デバイスに大きく取って代わられたが、高出力送信機、ギターアンプ、一部のハイファイオーディオ機器などの用途には現在でも真空管が残っている。
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