アセン
アセン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/27 02:01 UTC 版)

アセン (acene) またはポリアセン (polyacene) とは、有機化合物のうち、複数のベンゼン環が直線状に縮合した構造を持つ炭化水素の総称。
有機半導体、蛍光色素などの性質が研究される化合物群である[1] [2]。
アセンの一覧
アセンの各化合物を、環が少ない順に挙げる。ヘプタセン以上の化合物は知られていない。
化合物名 | 化学式 | 環数 | 分子量 | CAS | 構造式 |
---|---|---|---|---|---|
ナフタレン | C10H8 | 2 | 128.17 g/mol | 91-20-3 | ![]() |
アントラセン | C14H10 | 3 | 178.23 g/mol | 120-12-7 | ![]() |
テトラセン | C18H12 | 4 | 228.29 g/mol | 92-24-0 | ![]() |
ペンタセン | C22H14 | 5 | 278.35 g/mol | 135-48-8 | ![]() |
ヘキサセン | C26H16 | 6 | 328.41 g/mol | 258-31-1 | ![]() |
ヘプタセン | C30H18 | 7 | 378.46 g/mol | 258-38-8 | ![]() |
性質

環の数が増加するに従って溶媒への溶解度が低くなり、合成・精製などの取り扱いが難しくなってゆく。紫外可視吸収スペクトル上の吸収バンドも大きなアセンほど長波長側にシフト(レッドシフト)していく。最後のヘプタセンは非常に不安定であり単離された例はない。PMMAマトリクスに保持された状態で光学的な性質が調べられた[3]。
命名法
IUPAC命名法では、テトラセン以上のアセンは(倍数接頭辞)+「アセン (-acene)」として命名される。
誘導体
置換基の導入により、環の多いアセン誘導体を合成する試みが行われている。2010年に、10個のアリールチオ基を両末端と中央のベンゼン環上に導入して安定化させたノナセン誘導体の合成が報告された。ノナセンとはベンゼン環が9個縮合したアセンである。このノナセン誘導体は黒い固体で、溶液状態では血赤色の蛍光を示し週単位の期間におよぶ安定性を示した[4]。
関連項目
参考文献
- ^ IUPAC, Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book") (1997). オンライン版: (2006-) "acenes".
- ^ Anthony, John E. (2008). “The Larger Acenes: Versatile Organic Semiconductors”. Angewandte Chemie International Edition 47 (3): 452–83. doi:10.1002/anie.200604045. PMID 18046697.
- ^ Mondal, R.; Shah, B. K.; Neckers, D. C. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 9612-9613. DOI: 10.1021/ja063823i
- ^ Kaur, I.; Jazdzyk, M.; Stein, N. N.; Prusevich, P.; Miller, G. P. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 1261-1263. DOI: 10.1021/ja9095472
外部リンク
「アセン」の例文・使い方・用例・文例
- その動物ケアセンターにけがをしたヘソイノシシが運び込まれた。
- 堕落しているか腐食された断片(必要であるとき、新素材を組み込む)からの破壊した記念碑の考古学的な再アセンブリ
- ちょっとした皮肉のこもったユーモアセンスを持ったおどけた小男
- 電子サブアセンブリから成るコンピュータの回路
- 彼女のユーモアセンスは、取りえでなければならない
- 分子のアセンブリにおける総エネルギーは、等しく分配されず、統計的分布に従い、平均値のあたりで分配される
- アセンブリー言語をコンピュータ言語に翻訳するプログラム
- より高級な言語で書かれた命令を解読して、アセンブリ言語プログラムを作り出すプログラム
- コンピュータにロードできる準備ができた完全にコンパイルまたはアセンブルされたプログラム
- 規律か主義の問題を規制するために召集される異なった教会、または教区の神学者、司教、および他の代表のアセンブリ
- 米国独立戦争と米国独立戦争の後に会った反逆者居留地から代表で構成された立法上のアセンブリ
- 前のソ連における、ロシアとある他の共和国の支配的なアセンブリにおける立法機関
- 古代アセンズの政府最高会議で、後の裁判所に遭遇する古代アテネの城砦の西への丘
- アセンヤクノキの心材の抽出物で、染色、皮なめし、漁網と帆の手入れに使われる
- 異機種のコンピューターによってアセンブル処理を行うためのプログラム
- アセンブリ言語という,プログラム言語
- オフショアセンターという,国際間の取引に対し特典を与えられた金融市場
- マクロアセンブラーというプログラミング言語変換システム
- ボランティアセンターという,ボランティアの訓練や派遣先の斡旋を行う機関
- アセンブラーという,プログラミング言語の機械語への変換システム
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