映える
ひときわ美しく目立って見えるさま、他と比べても特に際立っているさま、周囲から引き立つように見栄え(見映え)がするさま、などを指す意味で用いられる表現。
一般的な文脈では、たとえば「黒漆に金銀の蒔絵が映える」とか「城の偉容が雪景色に映える」などという風に、周囲の景観が対象そのものを引き立て際立たせるようにして一段と素晴らしく見せる、というような状況が「映える」と表現される。
2010年代後半現在では、Instagram(インスタグラム)をはじめとするソーシャルメディアへの投稿にうってつけの素晴らしい被写体、その意味で撮影し甲斐のある被写体、あるいは、被写体がインスタ上でひときわ良く見えるような素晴らしい撮れ方・写り方、といった意味で「映える」の語が用いられている。
Instagram は、自分が撮った写真をアップロードとして友人・知人や世間一般共有するサービスである。すてきな写真を投稿して好評を得ることが自己アピールにつながる性質をもつ。
ソーシャルメディアに関する文脈で「映える」と表現する言い方は、はじめに「インスタ映え」という連語的表現として世間に浸透し、そこから「動画映え」のような派生的な表現が登場、その末に動詞「映える」自体が「インスタ映えや動画映えにおける映え」というような意味で切り出され単独でも用いられるようになった、というように説明し得る。特にこえれは本来の(国語辞書的な)意味合いと乖離しているわけではない。
「映える」の異表記として「栄える」という表記もある。ただし「栄える」には「さかえる」という読み方もあって紛らわしく、かつ「映す」(うつす)という字義を持たないこともあり、インスタ映えに関する脈絡では「栄える」の表記はほぼ用いられていない。
なお現代の「インスタ映え」に通じる意味・用法においては「映える」は「はえる」ではなく「ばえる」と(語頭を濁音で)読む場合がままある。これは「インスタ映え」(インスタばえ)の語における連濁を前提した言い方であり、意識的にか無意識的にかはともかく、「インスタ映えの意味の映え」であることを示す役割を果たしている。
映え
映え(ばえ)とは、動詞「映(は)える」が連濁化・連用形名詞化した語であり、「見映え(見栄え)の良さ」を意味する俗語。これをさらに動詞化し直した、映える(ばえる)といった形でも使用される[1]。2017年頃から新語・流行語として普及・認知されるようになった[2][3]。
概要
「見映え」「衣装映え」「舞台映え」「写真映え/映像映え」「夕映え」といったように、「○○映え」という表現は以前からあったが、2017年頃に、スマートフォン撮り写真中心のSNSであるインスタグラムにおける写真映えのことが、「インスタ映え」と表現されて流行語として普及・定着し[2][4]、ツイッターなど他のSNSを含んだ一般的な表現として「SNS映え」といった表現も併用されつつ、それらの短縮表現として「映え(ばえ)」部分が独立して用いられるようになり、更にそれが動詞化されて「映える(ばえる)」といった形でも使用されるようになった[1][3]。
脚注
関連項目
- ばえるのページへのリンク