紫斑病 ( purpura )
血管から出血したときには、体内では血管壁や血小板、凝固因子などの作用によって自然に止血する仕組みになっています。しかし、なんらかの原因からこのいずれかの機能が損なわれた場合、皮膚、関節、胃腸、腎臓などの血管に炎症病変が生じます。このような病態が生じたとき現れるのが紫斑病で、おもに出血の原因が血管壁にあるものを血管性紫斑病といいます。とくにその原因がアレルギーによって起こるものをシェーンライン・ヘノッホ紫斑病(またはアナフィラクトイド紫斑病)と呼びます。また、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデスに罹患(りかん)しているや女性の場合、免疫の異常によって起こる高γ(ガンマ)-グロブリン血症性紫斑と呼ばれるタイプもあります。多くは幼児期から学童期にみられますが、おとなでもまれではありません。ある日突然、手足やお尻に盛り上がった紫色のアザができ、同時に粘膜からの出血、関節痛、発疹(ほっしん)、腹痛、腸出血(下血・タール便など)が現れます。カゼを引いたあとに見られることが多いのも特徴です。約半数にタンパク尿や血尿など腎臓の障害がでるため、下痢や嘔吐などのような消化器症状や、腎臓障害の疑われる場合は安静を保つことがたいせつです。紫斑病はウイルスや細菌による感染、薬物、虫さされ、食べ物、寒冷刺激などによって起こります。薬剤が原因と考えられる場合(その薬剤服薬の中止)以外は、症状に合わせた薬剤が処方されます。よく用いられる薬剤にビタミンC、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)、乾燥濃縮ヒト血液凝固第VIII因子製剤(フィブロガミン)などがあります。
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