かまいたち戦法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:01 UTC 版)
先手番では初手▲7六歩もしくは端歩突きの出だしから、中飛車や三間飛車などを除いては基本的には相手の戦術によらず▲4八銀~▲5六歩~▲5七銀と右の銀を中央に進出させるのが基本の構えとなっており(中飛車と三間飛車に対しては▲4八銀以下、飛先不突き型での一直線の右四間飛車に組む形で対抗する)、振り飛車に対しては5筋位取り、居飛車に対しては菊水矢倉に組む戦術を取る。後手番では初手△6二銀の出だしから角道を開けないまま駒組みを進め、対居飛車では△5四歩と突いた際に▲2四歩から飛車先を切られた場合は、そのタイミングで△3四歩と突く。コンピューター評価値では、英春流の初手は疑問手と評価されている。 『イメージと読みの将棋観』(2010年、日本将棋連盟)によると、2手目の△6二銀は平成以降から2008年までの公式戦で通算21局指されて先手の11勝10敗と、五分の成績だという。その中でも1994年の竜王戦1組出場者決定戦で、羽生善治が谷川浩司に対して指し、勝利した一局が有名である。同書で6名の棋士の見解は、居飛車であれば先手だけ飛車先を交換できるなど後手の手順を咎められるが、振り飛車では咎められず、そのため藤井猛は振り飛車党に対して居飛車にしてみろという挑発だとしている。実際三浦弘行に指されて▲2六歩と指して負けて相手の術中にはまったという。谷川浩司は2手目の△6二銀は2手目△9四歩や△1四歩よりも先手が有利としている。 『必殺!かまいたち戦法―英春流のすべて 』(三一将棋シリーズ、三一書房 1988年)によると、鈴木がこの戦法を開発したのは奨励会時代に出会った禅の修行がきっかけと語っており、禅寺での修行時に師の則竹秀南に「禅のことを知るためにはどの本を読めばよいか」と聞いたところ、「(山田無文の「真理の言葉」を指して)この本だけを読めばよい」と告げられた事を端に、将棋においても「この戦法だけでよい」と言い切れる総合戦法を編み出すべく考案された 年齢制限による奨励会の退会後に大よその骨子が完成したこの戦法を用いてアマ棋戦に出場し、1986年と87年にはアマ王将のタイトルを連覇した。
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