お菓子のホームラン王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 04:35 UTC 版)
南関東の小さな菓子店であった亀屋万年堂とその目玉商品が全国的知名度を得たのには、「世界のホームラン王」と讃えられたプロ野球界のスーパースター・王貞治に寄与するところが大きい。読売ジャイアンツの主力選手で当時すでに実力・人気とも球界を代表する存在でもあった王が、意外にも全国的には無名の菓子店の宣伝モデルになることを快諾し、1967年(昭和42年)放映開始とされるテレビCMに出演したのである。当時は東京都内近郊に12~13店舗しかない菓子店がテレビCMを打つこと自体が異例であった。CMは王自らが台詞を担当する「ナボナはお菓子のホームラン王です」というキャッチコピーと共にお茶の間に訴求された。印象的なフレーズは創業者・末治の考案であった。このCMは南関東ローカルではなく近畿地方など他地域でも放映されていた。宣伝効果は絶大で、亀屋万年堂とナボナにとってターニングポイントになった。このCMのおかげで知名度が一躍全国区となった亀屋万年堂の売上は放映開始以前の10倍にもなったという。 なお、宣伝モデルへの起用を王が快諾した背景には、創業者の娘婿で所属チームの先輩に当たる国松彰から依頼されたことがあるという。王は、放映開始からおよそ48年後の2015年(平成27年)4月14日、総本店の改装に合わせて「ナボナ名誉大使」(ナボナのPR大使)に就任しているが、総本店で執り行われた就任式の際、CM出演を承諾した当時を振り返って「我々のような体育会系は先輩の言葉に弱い(※だから、断るという選択肢は無かった)」と語り、出席者を笑わせた。 王貞治ベースボールミュージアム(福岡ドーム〈ヤフオク!ドーム〉内にある、王貞治をテーマとした博物館)でもナボナは販売されている。また、東京ドーム内の売店では「ジャイアンツナボナ」が販売されている。こういった亀屋万年堂と日本プロ野球界のつながりは、球界引退後の1995年(平成7年)に亀屋万年堂に副社長として入社し、のちには代表取締役社長を経て会長になっている国松の人脈がもたらした、かけがえのないものであった。
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