おもな演目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 14:40 UTC 版)
基本的に初代・高橋竹山と白川軍八郎の津軽三味線独奏テープに合わせて独特の舞を踊る。演目名と楽曲名が一致しないことが多々あるが、意図的なものであるかは不明である。尼ヶ崎の舞が盛り上がったところで、観客から「ギリヤーク!」「尼ヶ崎!」という掛け声が入る。声を入れるポイントは、長く尼ヶ崎の舞を見て理解している者でなくては難しく、この掛け声は観客としての一種のステータスであると言える。 幟には「公演時間十五分」と書かれているが、実際には30分近くに及ぶこともある。 念仏じょんがら 演目のクライマックスであり、尼ヶ崎の代表作でもある。黒衣を纏って祈りを捧げ、合間に「ナムアミダー!」の叫びを連発し途中観客の輪を抜けて駆け出し冷水を浴びて転げ回る。最後は「南無阿弥陀仏…」の呟きとともに風の音の中、途切れるように終焉する。 この「念仏じょんがら」では踊りの最中に入れ歯を外すことによって、表情が次第に老人化してゆく演出が施されており、一番の見せどころともなっているが、尼ヶ崎はこの演技のために歯をすべて抜き総入れ歯にしたという。 涅槃じょんがら じょんがら節に合わせ激しく踊りながら表情を千変万化させる。「念仏じょんがら」発表以前の代表演目だが、最近では演目から省略されることが多くなったという。この演目も「じょんがら」という名前がついてはいるが、まったく違う曲が使われることがあった。 じょんがら一代 音源の最初の部分は初代・高橋竹山の「鰺ヶ沢甚句」で次が白川軍八郎の「津軽あいや節」。次が同じく高橋竹山の「津軽おはら節」、次が同様に白川軍八郎の「じょんから節」が使用されている。 じょんがら節を奏でる仕草を基調に激しい動きを見せる。 夢 ピエロ風の衣装で一輪の紅いバラを手にして舞う短時間の演目。 白鳥の湖 演目名は白鳥の湖であるが、曲はチャイコフスキーの同曲ではなく、サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」第13曲「白鳥」を使用している。その題名から想像できるような美しいものでは決してなく、ぼろぼろの穴の開いた簡潔な衣装を身に纏っただけで踊られる。 うかれおわら 「大道芸の大先輩」と語る出雲阿国に捧げた舞。あくまでもたおやかに女性的に踊られる。 よされ節 尼ヶ崎が観客(基本的に女性)とともに踊るコミカルな舞で、使われている楽曲は津軽よされ節ではなく「黒石よされ節」である。 念力 尼ヶ崎が赤フン一丁の姿になり、舞う演目。 老人 尼ヶ崎が徐々に老人へとなりゆく短時間の演目。 パントマイムの巨匠・マルセルマルソーの演目『青年、壮年、老人、死』にヒントを得て作られたという。 果たし合い 2018年8月の北海道公演で試演、10月に新宿で行われた50周年記念公演で完成披露。 俳優の近藤正臣から借り受けた刀のツバ を用いた、相手役不在で、剣先の存在しないちゃんばらの踊り。 念仏じょんがら 念仏じょんがら じょんがら一代 夢 白鳥の湖 よされ節
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