『WaWHO? Nothing is Sacred』
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「ワフー酋長」の記事における「『WaWHO? Nothing is Sacred』」の解説
2006年10月に、オハイオ大学の「複合文化プログラム」で、「インディアン・マスコットが社会に与える負の影響」をテーマにした映画の製作者を集めたシンポジウムが開かれ、地元の映画監督、デニス・アトキンスも出席した。 デニス・アトキンスは、「インディアン・マスコット」を題材にしたドキュメンタリー映画、『WaWHO? Nothing is Sacred』を制作した映像作家であり、自身もインディアンである。この作品には、「ワフー酋長」と「インディアンス」に抗議する、多数のアメリカインディアンと人権活動家が出演している。アトキンス監督は次のように述べている。 「ワフー酋長はアメリカインディアンを人間以下のように見せており、アメリカインディアンは怒っている。それは本当に組織的な人種差別だと感じさせるものであり、それが彼らがワフーを嫌う理由だ」 このドキュメンタリー映画の中で、多数の反「ワフー」活動家が、「この球団の名称とマスコットが、アメリカインディアンに対する人種差別を恒久化している」と指摘している。出演者の一人、エレン・ベアードは、チーム名とマスコットが不公平な固定観念を進めるとコメントしている。彼女は「ワフー酋長」を指して、このドキュメンタリーの中でこう抗議している。 「このマスコットの着けている赤い鷲の羽は、戦争で負傷した人に与えられる典型的なものです。この意匠はアメリカインディアンの文化を嘲るものです。野球の試合は、戦争ではありません。あなたは、組織的な人種差別によって、これに耳を傾けようとしていません。」 多くの人々が、「インディアンスやワフー酋長を擁護する人々は、このことが何を意味するか理解していない」と指摘している。アトキンス監督は、実際にそういった人々が、「チーム名や意匠がアメリカインディアンの文化を守っている」と主張すると言い、「無知が侮辱として使われており、実際それはあなたが何も知っていないということを意味しています、社会の多くは、まるで無知です。」とコメントしている。この映画の中で、白人の男性はまさにそのようなコメントを行っている。「たくさんのファンが、この(ワフーの刺繍された)帽子を被るたびに、彼らがアメリカインディアンに敬意を表していることになるんだよ、それだけのことなんだよ」 ラッセル・ミーンズは、ドキュメンタリーの中で、1972年にクリーブラント・インディアンスを訴えた際に、多数の嫌がらせや脅迫を受けたことを証言している。結局、訴訟は示談となっている。ラッセルは「野球のゲームがなぜそこまでの憎しみを生みだすことが出来るのか、理解できない。私はそのことで家を襲ったりしていない。 我々は単に、人間として扱われることを望んでいるだけなのに」と述べている。 アトキンス監督は、「人々はしばしばスポーツに関して熱心過ぎる」、とし、チーム名とマスコットの変更要求に対して、「スポーツ・ファンは、個人的に彼ら(インディアンの抗議者)を攻撃すればするほど、チームとの強い一体感を抱いている」としていて、「ドキュメンタリーは教育にはならない。今のところ、何も変わらなかった。それは会社の利益の問題だ。結局、チームがワフー酋長を使い続ける理由の1つは金の問題だろう」と述べている。球団がワフーの意匠で売り上げる年間収入は2000万ドル以上と見積もられているのである。
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