『Good Calories, Bad Calories』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 11:15 UTC 版)
「ゲアリー・タウブス」の記事における「『Good Calories, Bad Calories』」の解説
ゲアリー・タウブスは、牛肉を食べるよう推奨している。牛肉産業に従事しているアマンダ・レイドゥキ( Amanda Radke )は、『ビーフ・デイリー』(『BEEf Daily』)にて「世間一般で言われているような『健康への助言』に反する形で、タンパク質と脂肪を豊富に含む動物性食品を食べるよう奨める人はたくさんいる。ニーナ・タイショーツ( Nina Teicholz )やゲアリー・タウブスのような人たちのように」と書いている。 2007年に出版した『Good Calories, Bad Calories』の中で、「『食べ物に含まれる脂肪分が肥満や心臓病の原因ではないか』という仮説がいつしかドグマ( Dogma, 根拠も証拠も無いのに、世間で「真実だ」と思われていること )と化し、科学的手法が如何に無視されてきたかについては議論の余地は無い、と記している。タウブスが「対立仮説」( 『the alternative hypothesis』 )と呼ぶものを提示するにあたって、100年以上も前に発表された食事に関する研究データをたくさん引用している。 タウブスによれば、医学界とアメリカ合衆国政府は、前提からして間違っている栄養に関する研究結果を信用したために、彼らが発表した「健康的な食事の模範となるもの」も誤っているという。「現在受け入れられている栄養学の常識とは正反対だが、心臓病、2型糖尿病、肥満、癌、その他多くの『文明社会の病気』の原因は、精製された炭水化物、とくに砂糖にある」と主張している。本書454ページにあるエピローグにて、タウブスは「飽和脂肪酸であろうと不飽和脂肪酸であろうと、食べ物に含まれる脂肪は、慢性疾患とは何の関係も無い」と断じている。 肥満の研究者、ジョージ・A・ブレイ( George A. Bray )は、「この本には有益な情報がたくさん書かれており、大いに読む価値がある」「だが、『太っている人は痩せている人に比べて明らかに沢山食べている』とも書かれている」「著者の結論と、肥満に対する考え方が一致しない」と述べている。 2007年、ニューヨーク・タイムズに所属するジャーナリストのジョン・ティアニー( John Tierney )は、タウブスの著書を引用し、ミネソタ大学の生理学者、アンセル・キース( Ancel Keys )による「食事に含まれる脂肪分が肥満や心臓病の原因である」とする主張の影響力について議論している。2001年にコクラン共同計画が行ったメタ分析で、「低脂肪食では死亡率に有意差は見られなかった」とする研究結果に注目したティアニーはタウブスを支持した。ハリエット・ホール( Harriet Hall )は、タウブスを「メタ分析の引用の仕方が恣意的だ」と批判している。
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