『アルティメット・コミックス: スパイダーマン』
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「マイルズ・モラレス」の記事における「『アルティメット・コミックス: スパイダーマン』」の解説
2011年9月に発刊された『アルティメット・コミックス: スパイダーマン』の第1話は『フォールアウト』より過去にあたり、マイルズ・モラレスの背景設定と超人的な能力を獲得した経緯が述べられる。マイルズは看護師の母リオ・モラレスと父ジェファーソン・デイヴィスとともに暮らすグレードスクールの少年である。科学者コンラッド・マーカスa[›]がピーター・パーカーの血からスパイダーマンを生み出す化学物質を再合成し、その物質がプラウラー(英語版)(アーロン・デイビス)によって盗み出される。このときマーカスが作ったクモの1匹がプラウラーのダッフルバッグに紛れ込む。数日後、叔父アーロンのアパートを訪れたマイルズはクモに咬まれる。その結果ピーター・パーカーと同種の超人的な能力が発現するが、父親がスーパーヒーローに不信感を持っているため家族には隠し、親友のガンケ・リーにだけ打ち明ける。 マイルズは普通の人生を望んでおり、特殊な能力を得たことを喜ばず、命がけでスーパーヒーロー活動を行おうとは思わない。そこにはマイルズとパーカーの対比を強めようという作者ベンディスの意図があった。しかしマイルズはスパイダーマンがグリーンゴブリンの手にかかって死ぬのを目撃し、罪悪感の中で自分なら助けられたかもしれないと悟る。スパイダーマンの名を受け継ぐようガンケから勧められ、またグウェン・ステイシーからパーカーがヒーローとなった動機を聞かされたマイルズは、コスチュームを着て犯罪と戦う道を歩もうと決意する。 活動を始めてみると、亡きスパイダーマンのコスチュームを着るのは悪趣味だと人々に責められる。そればかりか、スパイダーマンを名乗ったことでスパイダーウーマン(英語版)から詰問され、取り押さえられて素顔のままS.H.I.E.L.D.本部に連行される。そこで待っていたニック・フューリー(英語版)に叔父アーロンの犯罪行為とのかかわりを問い詰められるが、脱走したスーパーヴィランを制圧するのに協力したことで自由の身になり、赤と黒で新調されたスパイダーマン・コスチュームを与えられる。ガンケはそれを見てマイルズが「公式に」新しいスパイダーマンになったという。アース616版のピーター・パーカーも、2012年の『スパイダーメン』ミニシリースでアルティメット世界を訪れてマイルズの活動を認めてくれる。 新しいスパイダーマンの登場がマスコミで報道されると、アーロンはその正体がマイルズであることを察し、自分の下で修業するよう申し出る。しかしその裏で、敵対するメキシコの犯罪主スコーピオンとの抗争にマイルズを利用する。マイルズは道具にされていることに気づき、それ以上の協力を拒否する。二人は激しく衝突する。争いの中でアーロンの武器が誤動作で爆発し、持ち主の命を奪う。 続く展開で、マイルズはパーカーの遺族メイ・パーカーや恋人だったグウェン・ステイシー、メリー・ジェーン・ワトソンらと知り合う。マイルズの秘密を知った三人はパーカーが遺したウェブシューターを贈る。また超人チーム・アルティメッツのメンバーとも何度も共闘する。 2013年のストーリー「ヴェノム・ウォー」では、新スパイダーマンの正体がマイルズの父ジェファーソンだという誤情報が報道される。先代のスパイダーマンに恨みを持つヴェノムはジェファーソンを襲って重傷を負わせる。マイルズとヴェノムが病院で対決したとき、看護師として勤務していたリオはスパイダーマンの正体が自分の息子であることを悟る。割って入った警察隊の銃撃によりヴェノムは倒れる。リオも巻き添えで致命傷を負い、父ジェファーソンには秘密を隠し通すよう言い残す。マイルズはこの経験によってスパイダーマンの名を捨ててしまう。しかし1年が経ち、付き合い始めたケイティ・ビショップ(英語版)に過去を話す決心もついたころ、S.H.I.E.L.D.によって強要され心ならずもヒーロー活動を再開する。
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