「カラーのシークエンス」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 09:50 UTC 版)
「メメント (映画)」の記事における「「カラーのシークエンス」」の解説
テディと廃屋に来たレナード。自身の手には「奴の嘘を信じるな。奴が犯人だ。殺せ」と書き添えられたテディのポラロイド写真があった。とうとう犯人を見つけたのだ。テディに銃を突きつけると彼は「お前は何も分かってない。一緒に地下室へ行けば分かる」と諭すが、レナードは頭を撃ち抜いて殺した。 レストランでナタリーという女性と落ち合う。彼女は犯人の手がかりとして「ジョン・ギャメル(ジョン・G)」の情報を手渡し、殺害場所に適した「麻薬取引に使われる廃屋」を教える。この「ジョン・ギャメル」は「テディ」と同一人物だった。「事実6」である車のナンバーが一致したことでレナードは確信し、テディの写真に「奴が犯人だ。殺せ」と書き加える。 「ドッド」なる血を流した男の写真を手に、一体自分は何をしたのかとナタリーに問い詰める。「私を救ってくれたのだ」と鎮めるナタリー。彼女は元恋人「ジミー」を亡くしたという共通点をもっていた。一夜をともにした翌朝、彼女はレナードの太腿に彫ってあるジョン・Gの車のナンバーを調べてやると言って、昼に再会を約束をする。 町中を銃を持った男ドッドから逃走するレナード。待ち伏せて倒したものの、状況が飲み込めない。過去の自分が残したメモに従って、男を町から追放し、ナタリーの家へ向かう。 「大金を持って麻薬取引にでかけた彼氏のジミーが消えたので、仲間のドッドから裏切りを疑われている」と焦るナタリー。レナードがこのトラブルに関わっていると勘ぐっていたナタリーは、ドッドを殺害しろと要求。一方レナードは拒否し、激しい喧嘩にまで発展する。しかし、ほんの僅かな時間でレナードは喧嘩した記憶を失い、ナタリーへの援助を引き受けるのだった。 タトゥー屋で「事実6」のタトゥーを太腿に彫った後、ポケットに入っていた「あとで来て。ナタリーより」というメモをもとに、あるバーへ向かう。バーテンダーのナタリーは、レナードの車と格好を見て怪しむが、彼が妻を亡くした記憶障害者であるという身上を知ると、哀れんで自宅に招き、数日泊めてやることにした。 レナードは殺したジミーを廃屋の地下へ隠す。ジミーが自分を知っている風だったことに不審を抱き、後から到着したテディを殴って問い詰める。するとテディは、「ジョン・G」がありふれた名前であることを利用してレナードを麻薬のおとり捜査に利用していたこと、真犯人のジョン・Gは既に彼の協力で一年前に殺害済みだったことを白状する。また,レナードがいつも語るサミーにまつわる話は、レナード自身の身に起こったことだという。実はレナードの妻は事件後も生きていたが、記憶能力を失った彼に絶望し、自分にインスリンを過剰投与させ死んだのだ。「サミーを忘れるな」というタトゥーは、自分の話を、過去に出会った実在の保険金詐欺師サミーの話としてすり替えて覚え込み、罪の意識から逃れるためだろうという。テディを恨んだレナードは、知った真実をあえてメモに残さず、テディの写真に「奴の嘘を信じるな」とだけ書き添え、さらに「事実6」として彼の車のナンバーを書き取り、トランクルームに大金の入ったジミーの車を奪って走り去った。現実と自分の作り出した記憶の境界とが曖昧なように感じた彼は、車を走らせながら目を閉じ「こうしている間も世界は実在するだろうか」と自問する。目を開けると街の景色は流れ、移り変わっていた。そこで「やはり世界は(自分の外部に)実在する」と認め、記憶とは所詮自分が自分であると確認するためのものに過ぎないのだと思った。ふとタトゥー屋を見つけ、急停車する。
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