《鵙》の正しい読み方
「鵙」の正しい読み方
「鵙」の読み方は、訓読みで「もず」、もしくは、音読みで「ゲキ」「ケキ」と読む。鳥類のモズ(shrike)を意味する字である。「鵙」は古代中国において成立した漢字である。「鵙(jú)」は最古の漢字字典「説文解字」にも記載されており、現代中国語でもモズを意味する字として残っている。ちなみにモズを指す漢字は「鵙」の他に「鴃」や「鶪」などもある。
日本語の中では「モズ」の漢字表記は「百舌鳥」が一般的である。この「百舌鳥(もず)」は、日本において成立した、いわゆる熟字訓である。
「鵙」の意味解説
鵙=百舌鳥=モズは、スズメ目モズ科の留鳥で、全長は20cmほどである。日本では全国の森林や農耕地、河川、住宅地に生息している。モズには、「早贄(はやにえ)」や「他鳥の声真似」などの特徴がある。
早贄は、獲物として捕らえた昆虫やトカゲ・カエル等を、すぐには食べず、木の枝や有刺鉄線の先端などに串刺しする習性である。
モズの声真似は巧みであり、かつレパートリーが多い。日本語の「百舌鳥」という名前は、これに由来すると考えられている。
なぜ「鵙」を「もず」と読むのか
「鵙」は漢字として古代中国大陸で成立した字である。そして「もず」という読み方は和語である。どちらも鳥のモズを指す言葉であるため、おのずと対応づけられたと考えられる。「もず」という日本語の名称は、特定されているわけではないが、数多くの鳥の声真似ができるという意味で「百(もも)+す」とする解釈が有力説である。「す」は古来、鳥を意味する接尾辞のひとつであったとされる。「もず」の他にも「からす」「うぐいす」「かけす」などの例が見いだせる。
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