《知っておいてください》の敬語
「知っておいてください」の敬語表現
「知っておいてください」は、「知る」と「しておく」を合わせた「知っておく」に、尊敬や丁寧表現である「ください」を付けた「知っておく」の丁寧表現です。「知る」の部分を変形させることによって、同じような意味の他の表現にすることができます。「知る」の尊敬語には、「ご存知」や「お知りになる」などがありますが、「知っておいてください」のように変形させることができるのは「お知りになる」です。「お知りになる」を変形させると、「お知りおきください」というようにすることができます。この表現には、「知って覚えておく、了承しておく」といった意味があり、単に「知っておく」という意味だけではなく、「覚えておく」「承知しておく」といった意味も含む言葉です。
「お含みおきください」も「知っておいてください」とほぼ同意として用いることができる言葉の一つです。「含みおく」には「了解する」や「心に留める」といった意味があり、かつ、「含みおく」の尊敬語が「お含みおきください」であるため、上司や先方など、目上の人達にも用いることができる言葉です。
「ご認識おきください」も「知っておいてください」とほぼ同意として用いることができますが、「認識」という言葉には、相手を敬うようなニュアンスは含まれておらず、そこに「ご」と「ください」を付けて丁寧にしている言葉なので、外に向けて用いるよりは、親しい仲の上司や社内で用いる程度にしておいた方がよいでしょう。
他に、「知っておいてください」と同意で用いることができる表現として「ご承知おきください」「ご承知願います」といった表現があります。承って知る「承知」に「しておく」を付けることによって、「事前に知っておく、理解しておく」という意味になります。そこに丁寧語である「ください」や「願います」を付けることによって、「ご承知おきください」や「ご承知願います」といった表現にすることができます。
「知っておいてください」の敬語の最上級の表現
「知っておいてください」という表現自体は丁寧であるため、そのまま用いることができますが、より丁寧な表現として、「お含みおきください」や「お知りおきください」などが挙げられます。「知っておいてください」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「知っておいてください」をメールや手紙で用いる際には、誰に対して知っておいてほしいのかが重要です。「知っておいてください」をそのまま用いても構いませんが、相手や状況によっては言い方を変えた方がよいこともあります。「知っておいてください」をそのまま用いると、下記のような文章になります。・○○日は15時に集合です。雨天でも決行しますので知っておいてくださいね。
・出発する前に済ませておく予定なので、知っておいてください。
「知っておいてください」という表現を避けたい相手にメールや手紙で用いる際には、「お含みおきください」や「お知りおきください」を用いることができます。
・当日は、事前にお渡しした注意事項をお含みおきいただきますようお願い申し上げます。
・事態によりましては、直前の変更もありますことをお含みおきいただけると幸いです。
・明日の会議には私ではなく、弊社の○○が参加しますので、お知りおきください。
・メールの返信は平日のみとなりますことをお知りおきください。
「知っておいてください」を上司に伝える際の敬語表現
「知っておいてください」を上司に伝える際には、親しい相手であれば「知っておいてください」でも構わないでしょう。「知っておいてください」は「事前に把握しておく」というお願いを「ください」という表現で丁寧に表したものですが、人によっては「知っておくこと」を強制されているように捉えられてしまう可能性があります。「お含みおきください」や「お知りおきください」は、「知っておいてください」と同じく「ください」が用いられているものの、「知っておく」という部分がより丁寧な表現になっているので、「知っておいてください」という表現よりは、上司に用いる際にふさわしい表現と言えるでしょう。「知っておいてください」の敬語での誤用表現・注意事項
「知っておいてください」には似たような意味で用いることができる表現がいくつかありますが、注意しなければならない点があります。「ご承知おきください」という表現は、丁寧語を付けていることもあって、一見、丁寧そうな表現に見えますが、基本的に「承知」は謙譲語としてのニュアンスを持つ言葉です。ですので、上司や先方など、目上の人に対して用いてしまうと、不快に感じてしまう可能性がありますので、注意が必要です。「ご承知願います」という表現は、「ください」よりも柔らかくお願いしているような表現ですが、「ご承知おきください」と似たような理由で、使いどころには注意が必要な表現になります。どちらも誤用表現ではないのですが、丁寧に表現しているつもりであっても、そう捉えられない可能性が考えられる表現です。用いるのは、身内の仲のよい先輩程度に留めておくのがよいでしょう。また、「ご承知おきください」に「どうぞ」や「ぜひ」、「可能であれば」「ませ」「ますよう」「お願い申し上げます」などを付けることによって、ただ「ご承知おきください」とするよりは、柔らかな印象にすることができます。「知っておいてください」の敬語での言い換え表現
・お含みおきください・お知りおきください
・ご承知おきください
・ご承知願います
・ご認識おきください
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