《知っている》の敬語
「知っている」の敬語表現
「知っている」の基本的な意味は「物事を認識する」になります。敬語で「知っている」を表す言葉はいくつか存在するので、自分や相手の立場によって使い分けることが求められるでしょう。「知っている」を丁寧語にするには、語尾にますをつけて「知っています」とするのが一般的です。「知っている」を尊敬語として使いたい場合は、「ご存じ(ご存知)である」とします。頭におをつけて「お知りになる」も間違いではありませんが、この表現は一般的ではありません。「知っている」の基本的な謙譲語には、「存じている」と「存じ上げている」の2つが存在します。「存じ上げる」の「上げる」は尊敬の意味が含まれているので、「存じ上げる」の方がより敬意が強い表現です。「存じている」と「存じ上げている」は、対象がものか人かによって使い分けるといいです。さらに丁寧な表現が求めれている場合は、「存じ上げております」を使うのがおすすめです。「存じ上げております」は謙譲語の「存じる」に尊敬語の「上げる」を組み合わせたもので、人名に対して「知っている」ことを表す場合に使われます。
「知っている」の敬語の最上級の表現
「知っている」の最上級の敬語表現としては、「ご存知である」・「存じ上げている」などが挙げられます。「知っている」ことに対して必要以上に敬意を高めてしまうと、逆に失礼になってしまうので注意が必要です。「知っている」の敬語表現を使用する際は、必要以上に敬意を表そうとするのではなく、自分と対象との関係性に留意をしたほうが失敗をしないですみます。「知っている」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
知っているを手紙やビジネスメールで利用するときの、使用方法を例文を用いて紹介していきます。「知っている」をメールなどで使用する場合は、主に3つの使い方が存在します。1つ目は「知っている」状態を確認する場合で、「当社が現在行っているキャンペーンについてご存知ですか?」などのように用いられます。相手が知っていることを確認するときによく使われます。2つ目は自分や組織が「知っている」場合です。その場合、「かねてからお噂はかねがね存じ上げております」・「ご質問の件に関しては、当方では存じ上げておりません」のように使われます。相手の方から知っているかを問われたときに、返しの敬意表現として使われます。3つ目の使い方は「知っている」を使用して謝罪する場合です。「お客様の事情は存じ上げておりますが、当方ではご希望どおりの対応は致しかねます。申し訳ございません」のように使われます。知っていることを謙譲語を用いて使うことで、相手に敬意を伝えていきます。
「知っている」を上司に伝える際の敬語表現
「知っている」ことを上司に伝えたい場合は、謙譲語の「存じ上げる」を用いるのが一般的です。「存じている」でもいいかと考えるかもしれませんが、「存じている」は物に対して用いられる敬語なので、ここでは控えたほうがいいでしょう。「了承」を用いるのも間違いではないので、文内で重複しているときには、使い分けてください。「知っている」の敬語での誤用表現・注意事項
「知っている」の敬語表現の中にはついつい間違えてしまうものもあるので、あらかじめ間違いやすい表現については覚えておくといいでしょう。「知っている」の敬語の中には「お知りになる」というものがあります。けして間違いではありませんが一般的な表現ではありません。またこの「お知りになる」を「お知りになれる」「お知りになられる」といった風に使う人もいます。こうした表現は人によっては過剰な尊敬表現と受け取られる可能性もあります。間違った尊敬表現はかえって円滑なコミュニケーションの妨げとなってしまうので注意が必要です。「存じ上げる」を疑問形で用いる場合も注意してください。この表現は誰を対象にしているかによって用いられ方が細かく変わるからです。社内で目上の人に対して「存じ上げる」を用いる場合は、目上の人への敬意表現になります。ですからその場合は、尊敬語である「ご存知」を使うのが適切になります。しかし目上の人がその場におらず、顧客などの第三者に対して用いるようなシチュエーションの場合は、謙譲語の「存じ上げる」を用いるのが正解になります。なぜなら対象となる目上の人もまたこの場ではへりくだる対象となるからです。
「知っている」の敬語を使用する場合、相手が本当に知っているかを確認する必要があります。相手が知っているのなら問題ないのですが、もし知らなかった場合は失礼に当たってしまいます。ですから「知っている」の敬語表現を使用する場合は、「念の為にご紹介しますが」や、「確認を兼まして簡単にご説明させていただきますが」などを文頭に置いておくと、相手を不快にさせる可能性を抑えられます。
「知っている」の敬語での言い換え表現
知っているの敬語表現の言い換え表現には、「聞き及ぶ」・「ご承知」・「所存」・「了承」などがあります。「ご承知」も「聞き及ぶ」の言葉も尊敬語、謙譲語の両方に使うことが可能です。一般的ではありませんが「心得る」も言い換え表現として利用できます。「所存」には「心のなかで思っていること」という意味がありますから、実際に文章の中では「所存でございます」などという形で使用するといいでしょう。「了承」は相手に依頼する場合や、相手の頼みを許可するときに利用する言い回しです。- 《知っている》の敬語のページへのリンク