《抜釘》の正しい読み方
「抜釘」の正しい読み方
「抜釘」の正しい読み方は、「ばってい」である。「抜」「釘」の漢字をそれぞれ音読みした形だ。医療用語であり、多くの場合で「抜釘術(ばっていじゅつ)」と呼ばれる。あくまでも医療業界で使用される言葉であるため、医療関係者や、抜釘の治療を受けた人以外に、抜釘の存在や読み方を知らない人は多い。「釘」には「ちょう」という音読みもあるが、「抜釘」を「ばっちょう」と読むことはない。
「抜釘」の意味解説
「抜釘」とは、治療のために体内に入れておいた人工物を取り除くことである。主に、手足の骨の骨折治療で使用される言葉である。骨折を治す場合、基本的には自己治癒能力に任せるが、そのためには折れた部分の固定が必須である。しかし、手足、特に足には強い力がかかるため、固定が難しい。そこで、金属でできたプレートを体内に埋め込み、骨を直接固定をする。そして、治療が完了すれば、プレートは必要なくなるため、取り出すこととなる。その取り出す治療が、抜釘術である。骨とプレートを固定する際には、髄内釘という名前の釘を打ち込む。抜釘術には、その髄内釘を抜く作業も含まれている。実際に釘を抜く作業であるため、抜釘と表現する。なぜ「ばってい」と読むのか・理由
「抜釘」の読みである「ばってい」は、一般的な熟語の法則に基づいて、音読みで統一してある形だ。「抜」の音読みは「ばつ」であるが、熟語で後に続く漢字の読みがタ行だった場合、促音化して「ばっ」となる。「抜釘」の類語・用例・例文
「抜釘」の類語としては、「抜去(ばっきょ)」が挙げられる。抜くことで完全に取り除くという意味の言葉であり、医療用語としても使用される。医療用語としての抜去の範囲は比較的広く、抜釘もその中に含まれる。また、「抜鉤(ばっこう)」という類語もある。身体にメスを入れる治療をした際、切開した部分を医療用ホッチキスによって閉じる場合がある。治療後にそのホッチキスの針を取り除くことを、抜鉤と呼ぶ。さらに、傷口を閉じる際に使用した糸を取り除く「抜糸(ばっし)」も、抜釘の類語と言えるだろう。実際に「抜釘」を使用する場合、治療の名称あるいは治療中の作業を指すこととなる。治療名として使用するのであれば、「体内に入れたインプラントを取り除くために、いずれは抜釘術が必要となる」「レントゲンで確認したところ、骨の治癒が遅れているため、抜釘術の予定が先送りになった」という風に、「抜釘術」という形にすることが多い。作業自体を指す場合の使い方は、「私の骨折の治療では、医師が抜釘にてこずっていた」といった形だ。
また、特殊な例として、「眼中抜釘(がんちゅうよりくぎをぬく)」という表現で使用されることもある。自らの害になるものを取り除く、という意味の表現だ。この場合の抜釘は医療用語ではなく、読みも「ばってい」ではなくなる。
「抜釘」の英語用例・例文
「抜釘」を英語で表現すると、「intramedullary nail removal」となる。髄内釘の抜釘という意味の表現だ。例文にすると、「I am scheduled to have a intramedullary nail removal next week.(私は来週、抜釘術を受ける予定だ)」「The intramedullary nail removal was successful.(抜釘術は無事成功した)」といった形になる。《抜釘》の正しい読み方
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