《弄る》の正しい読み方
「弄る」の正しい読み方
「弄る」の正しい読み方は、「いじる」あるいは「まさぐる」である。また、「いじくる」という読み方もある。「弄くる」という風に「くる」が送り仮名になることが多いが、「弄る」と書いて「いじくる」と読むのも間違いではない。そして、どの読み方であっても、基本的な意味は同じである。ただ、それぞれ細かな意味合いは異なるため、状況に応じて読みを使い分ける必要がある。「弄る」の意味解説
「弄る」とは、指先を使って触ったり撫でたりするという意味の言葉である。そして、「いじる」あるいは「いじくる」と読んだ場合は、物事に手を加えて改変するという意味にもなる。この場合の改変は、主に良くない意味である。また、趣味として機械の操作をしたり、植物の剪定をしたりするという意味も持っている。「まさぐる」にはそのような意味合いはなく、代わりに手先の感覚だけを頼りにものを探すという意味がある。さらに、「いじる」と読む場合のみ、人をからかったりいじめたりするという意味で使用することもある。なぜ「いじる」「まさぐる」「いじくる」と読むのか・理由
「弄る」という言葉は、「印地(いんじ)」という、石を使用した、子どもの陣取り合戦遊びが元になっている。相手に向かって石を投げる素振りを見せながら、相手の陣地を奪っていく遊びだ。投げる素振りを見せて相手をからかったり、相手の陣地に入り込んで干渉したりすることが、「弄る」の意味の元である。そして、「印地(いんじ)」と、投げることを意味する「射る(いる)」あるいは陣地に入ることを指す「入る(いる)」が組み合わさって、「いじる」という読みとなっている。「いんじいる」を略して、「いじる」とする形だ。そして、「いじくる」はその「いじる」が変化した形である。また、「まさぐる」は、「探る(さぐる)」が語源になっている可能性がある。
「弄る」の類語・用例・例文
「弄る」は、読みによって意味が異なる。「彼女は暇なのか、数分前からずっと髪を弄っている」「物語の内容を、作者の許可なしに弄るのは良くない」「私は休日に、趣味で作ったエンジンを弄るのが楽しみである」という風に使用する場合は、「いじる」または「いじくる」のどちらでも問題ない。そして、「まさぐる」という読みであれば、「彼は必死に鞄の中を弄っている」「ポケットの中を弄るが、鍵は見つからなかった」といった形で使用する。からかったりいじめたりするという意味での「弄る(いじる)」だと、「彼が新人を弄るのを誰も止めない」「考えもなしに弄るのは、反感を買う恐れがある」といった使い方となる。「弄る」の類語としては、「弄ぶ(もてあそぶ)」が挙げられる。同じ漢字を使用した表現であり、指先を使用して触ったり撫でたりするという意味が共通している。そして、大切にすべきものを遊びとして好き勝手に扱うという意味もあり、からかったりいじめたりすることを指す場合の弄るとも近い表現だ。また、指先を使って無意味な動作をしたり、勝手に手を加えて改変したりするという意味の「こねくり回す」も、「弄る」の類語である。
「弄る」の英語用例・例文
「弄る」を英語で表現する場合、意味に応じて複数の単語や表現を使い分けることとなる。指先で触ったり撫でたりするという意味では、「play with」を用いる。改変するという意味で使用するのは、「改ざん」を意味する「tamper」という単語だ。例文にすると、「He is playing with the key to kill time.(彼は暇つぶしに鍵を弄っている)」「The editor ignored the intention of the writer and tampered the content of the novel.(編集者は作家の意向を無視して、小説の内容を弄った)」といった形になる。趣味として何かを弄るという意味では、「mess」という単語が適切だ。そして、からかったりいじめたりするという表現では、「make fun of」という表現を使用する。例文だと、「My hobby is messing computers.(コンピュータ弄りが趣味である)」「He made fun of her and made her angry.(彼は彼女を弄って怒らせた)」のような表現となる。指先を使用して何かを探すという意味の「弄る(まさぐる)」は、「rummage for」を使用し、「He is rummaging his bag for a key.(彼は鍵を見つけるために鞄の中を弄っている)」といった表現にする。
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