《庇》の正しい読み方
「庇」の正しい読み方
「庇」の読み方は「ひさし」である。ただし「庇護(ひご)」や「雪庇(せっぴ)」のような熟語においては、「庇」は「ひ」と読む。「ひさし」は訓読みであり、「ひ」は音読みである。
「庇」の意味解説
「庇(ひさし)」は、建物の窓・縁側・出入り口などの上に設けられた、片流れの小屋根である。建物の屋根そのものとは別個に、壁面に設けられる。主な用途は日除けや雨除けである。玄関に庇があれば、玄関の手前で体を濡らさずに傘を畳んで出入りできる。窓に庇があると、夏場の強烈な日差しを適度に遮ったり、雨を部屋の中に入りにくくしたり、あるいは雨による外壁や窓の汚れを軽減したりできる。
寝殿造では母屋(もや)の外側に突き出た細長い下屋(げや)部分を庇と呼んでいた。下屋にある部屋は庇の間とよばれていたようである。
帽子の額の上に差し出た(「つば」の)部分も「庇」という。
「庇」の類語・用例・例文
「庇」の類語としては、「軒」「軒先(のきさき)」「軒端(のきば)」「軒下(のきした)」「雨よけ」「車寄せ」「覆い」「目びさし」「日よけ」などが挙げられる。「軒」とは屋根の葺き下ろしの下端の、建物の外部に飛び出している部分のことである。「軒先」とは軒の先端もしくは軒に近い家の前を表す言葉である。「軒端」とは軒の端、「軒下」とは軒の下を表す。
「庇」の語を使った文例としては「庇を貸して母屋を取られる」という慣用表現が知られる。これは、ほんの一部分を提供した結果すべて奪われる、よかれと思って助けた相手からひどい仕打ちを受ける、といった意味の表現である。
「庇」の英語用例・例文
「庇」は英語では「eaves」という。窓の庇は「window roof」ともいう。帽子のつばを指す意味では「visor」「peak」などの語が用いられる。- 《庇》の正しい読み方のページへのリンク