《一入》の正しい読み方
「一入」の正しい読み方
「一入」の正確な読み方は、「ひとしお」である。「一」の訓読みである「ひと」と、「入」の訓読みの「しお」を組み合わせた読みだ。「しお」は常用には含まれないものの、「入」の正式な読みである。したがって、「一入(ひとしお)」は、特殊な当て字や熟字訓ではなく、それぞれの漢字を読んだ形となる。そして、読みは「ひとしお」のみであり、「ひといり」や「いちしお」と読むことはない。「一入」の意味解説
「一入」は、程度が増すことを意味する言葉である。「入(しお)」は、染め物を行う際に、布を染料に浸ける回数を示す単位である。つまり、「一入」は、漢字の意味だけであれば、布を1回染料に浸けるということとなる。そして、染料に浸ける回数が増えれば、それだけ布は色濃く染まっていく。その色が濃くなっていく様子を、程度が増すと表現したのが、一入である。なぜ「一入」と読むのか・理由
「一入」の「入」を「しお」と読むのは、「一入」の語源が関係している。染料に布を浸ける単位である「入(しお)」が元であるため、「しお」以外の読みはしない。「一」という漢字は、熟語にした場合、後に続く漢字が和語由来の訓読みであれば、訓読みの「ひと」となる。そして、「入(しお)」は訓読みであるため、音読みの「一(いち)」ではなく訓読みを使用して、「一入(ひとしお)」となる形だ。「一入」の類語・用例・例文
「一入」には、他の言葉の意味合いを強める役割がある。例文にすると、「友人と長い間会えなかったので、再会した時の喜びは一入だった」「空腹を調味料にすれば、美味しさも一入だろう」「ここまで苦労して作っているものが完成した暁には、感動も一入に違いない」といった形だ。「一入」の類語としては、「一際(ひときわ)」が挙げられる。他の言葉の程度を強めるという、一入と同じ役割がある言葉だ。ただ、一入が、「辛さが一入である」「美しさが一入だ」という風に、他の言葉の後に続くのに対して、一際は「一際辛い」「一際美しい」のように、言葉の前に置くという違いがある。その他には、「各段(かくだん)」という類語もある。「各段に辛い」「各段に美しい」という風に使用する言葉で、程度の強さを示せる。そのため、一入と同様の使い方が可能だ。さらに、「より一層」という表現も類語のひとつである。他の類語と同様に「より一層辛い」「より一層美しい」といった使い方で、言葉の程度を強められる。
「一入」の英語用例・例文
「一入」を英語で表現する場合は、「much~er」という表現、あるいは単語の「especially」を使用すると良いだろう。それらの表現を使用して例文を作ると、「The sadness of losing something important is much greater(大切なものを失う悲しみは一入である)」「The happiness of meeting her again was especially(彼女と再会した喜びはひとしおだった)」のようになる。《一入》の正しい読み方
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