《アドバイス》の敬語
「アドバイス」の敬語表現
「アドバイス」は、英語の名詞「advice」に由来する外来語です。これを敬語表現にするなら、「ご助言」や「ご指導」のように言い換えるとよいでしょう。英語には、文法的に丁寧さを加える表現はありますが、日本語のように名詞に「御」を付けて丁寧さ向上といった言い方はありません。
日本語は名詞に「御」を付ければ丁寧な表現にできますが、外来語のカタカナ表現にはそうそう「御」は付けられません。(「おタバコ」や「おビール」のような例外はあります)
このため、「アドバイス」を敬語表現として述べる場合には、「アドバイス」という言葉にこだわらず抜本的に言い換えた方がうまくいきやすいのです。
「アドバイス」の敬語での誤用表現・注意事項
「アドバイス」を敬語で表現する場合、「おアドバイス」というように、そのまま接頭辞をつけて表現するのは適当ではありません。「おデート」や「おビール」など、外来語に接頭辞を付けて美化語として使用する方もいますが、それが正しい日本語かどうかという点については議論の分かれるところであり、「アドバイス」という語に「お」や「ご」の接頭辞を使うのは一般的ではなく、誤用に当たります。「アドバイス」の敬語表現として「ご助言」「ご指導」などの語を用いる場合は、「~いただく」「~賜る」「~頂戴する」など、それを受け取る自分の行為を低める謙譲語の動詞と組み合わせて使用します。これは、自分をへりくだることによって相手への敬意を示す表現です。このような謙譲語と組み合わせず、「ご指導をもらう」「ご助言をもらう」とした場合、敬語表現として中途半端であり、あまり適切ではないので、注意が必要です。
謙譲語と組み合わせる場合、「アドバイス」という語をそのまま用いて、「アドバイスいただく」としても誤りではありませんが、より敬意を強調する場合は、「ご助言いただく」「ご指導賜る」などの表現が適切です。
「アドバイス」の敬語での言い換え表現
「ご指導」と言い換えて敬語表現にする場合は、例えば教授のアドバイスのおかげで成果を上げられたという場面などで、「~できましたのは、ひとえに先生のご指導のたまものと存じます」というように使用します。「アドバイス」ではなく「ご指導」とし、さらに「たまもの(賜物)」という言葉を添えることで、より相手への尊敬と感謝の念が感じられる表現になります。なお、「ご指導」という語は、相手が自分を教え導くものという前提に立っているので、先生や上司、その道の専門家など、明らかに自分より上の立場の方に使用します。類義語である「ご教示」「ご教授」などの言葉を使用することも可能です。
「アドバイス」を「ご助言」と言い換えて敬語表現にする場合は、「先日は、的確なご助言をいただき~」「ご多忙のところ、親身になってご助言くださり~」というように使用します。「ご指導」や「ご教示」が、長期間にわたるアドバイスを連想させる語であるのに対し、「ご助言」は、どちらかというと短期間や単発のアドバイスについて使うことが一般的です。
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