○金・○ビ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 04:15 UTC 版)
1984年の『金魂巻(キンコンカン)』は、1980年代の代表的職業(コピーライター、イラストレーター、ミュージシャンなど“横文字職業”)にある人々のライフスタイルを鋭く観察したもの。行動がすべてプラス方向に向かい高収入を得られる金持ち「○金」(まるきん)、行動がすべて裏目に出ていつまでも底辺にいる=貧乏な「○ビ」(まるび)を対比させ、その典型像を図解し、「一億総中流」と言われた当時、同じ職業の中に存在する階層差・所得格差を戯画化した。同書はベストセラーとなり、「○金・○ビ」は同年の第1回流行語大賞を受賞した。 「○金・○ビ」の初出は1983刊の小冊子「コピーライターズスペシャル」で、渡辺がイラストを担当しており『金魂巻』につながった。同書は1985年ににっかつで映画化されたが、書名のままだとインパクトが薄いと判断されたのか『○金・○ビの金魂巻』(表記は金、ビを丸で囲った形)という、むりやり流行語をくっつけた珍妙な題名がつけられた。内容的には原作とほとんど関係のない、脚本西岡琢也によるオリジナルストーリーである。 この年から1年間、『笑っていいとも!』(フジテレビ)にもレギュラー出演した。また、自動車雑誌「NAVI」には、1984年の創刊から連載コラムを持っていた。開始時のタイトルは「やっぱり自動車は面白い」で、その後、市井の車好きに話を聞く連載「みんな自動車が好き」になった。 1986年、その連載3回目で、自動車趣味の人を表現する言葉「エンスー」(エンスージアストの略。小林彰太郎をモデルにした)を発明。1989年からはコラムが「エンスーへの道」となり、連載は1997年3月号まで続いた。1994年には書籍『エンスー養成講座』が刊行。これらの渡辺の活動により、「エンスー」という言葉は世間に広まった。渡辺は一貫して「エンスーに貴賎なし」という態度だった。
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