美少女戦士セーラームーン (テレビアニメ)
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変身シーンについて
セーラー戦士の変身シーンのバンクは「メイク・アップ!」という呪文を唱えて化粧をし、光るリボンを全身のシルエットに絡ませてコスチュームに変えていく新体操のようなスタイルで、後継の作品に多大な影響を与えた。これについて、初代SDの佐藤順一が次の2点を証言している[3]。
- この変身バンクは、『超電磁ロボ コン・バトラーV』のロボットの合体シーンをベースにしたものである。
- バンクの長さは40秒以上にもなるが、これは、通常のテレビアニメのセルの枚数が1話あたり3000枚であるところ、予算が少なく、「1話内でのセル画の枚数は2,000枚以内」という厳しい条件での制作を強いられたため、必殺技シーンのバンクと合わせて尺の節約を図るためだった。
変身バンク用のBGMは劇伴の有澤孝紀が全て担当し、フルオーケストラの伴奏にキャラクターの名前を繰り返すコーラスを組み合わせている。
変身バンクの絵コンテと演出は、原画として参加した庵野秀明が担当したセーラーウラヌスとセーラーネプチューンを除き、初登場回を演出したアニメーター達がBGMの尺に合わせて描いた。セーラームーン(無印)とセーラーマーキュリーとセーラーちびムーン(S)は佐藤順一、セーラーマーズとセーラージュピターは竹之内和久、セーラーヴィーナスとセーラームーン(R)は幾原邦彦がそれぞれ担当している。
反響
シリーズ全5作の平均視聴率は11.6%。最高視聴率は関東エリアでは16.3%(第74話)、関西エリアでは21.7%(第88話)、中部エリアでは19.3%(第123話・第126話)に達し[6]、同時期に放送されていた『たけし・逸見の平成教育委員会』(フジテレビ系列)と互角の人気番組となった。また、その他の裏番組には『まんが日本昔ばなし』(TBS系列)などがあった。
1993年放送の第44回NHK紅白歌合戦の応援合戦では、出演者の森口博子・坂本冬美・西田ひかるがセーラームーン、マーキュリー、マーズのコスプレをして、本シリーズの主題歌「ムーンライト伝説」を歌った。
同時期にアニメ放送された『ドラゴンボール』とセットのイベントが2度、ひらかたパークで1993年の春と1994年の春に行われた。
同性愛がメインテーマの作品というわけではないが、第3作「S」に天王はるか/セーラーウラヌスと海王みちる/セーラーネプチューンが登場した後は、それまで女性の愛好家が主だった百合ファンが男性にまで波及するようになった[7]。
セーラー戦士を演じた声優の三石琴乃・久川綾・富沢美智恵・篠原恵美・深見梨加は、声優ユニット「Peach Hips」を1993年10月11日に結成し、PCエンジン版ゲームの主題歌やアニメのエンディングテーマなどを歌った。アニメと連動したイベントにも出演し、第2期『R』放映中の1993年9月11日・12日にライブイベント「Peach Hips Live」が開催され、、同年12月25日には「セーラームーン & クリスマス」というクリスマスイベントも開催された。さらに、シリーズ終了から11年を経た2009年12月6日には東京・秋葉原のUDXシアターでDVD-BOX発売記念イベントが開催された際に揃って出演し、「クラスメートのように仲が良かった」と当時の思い出を語った[8]。
放映時のキャラクター商品数は約1200種、キャラクター商品の売上はピーク時の1994年で年間約260億円、1992年から1997年までに1000億円[9]。コロちゃんパックの売り上げは1994年までに4タイトル合計で50万本以上[10]、バンダイが発売したセーラームーンR人形の売上は1993年4月の発売以来、9カ月で100万体を販売[11]、バンダイが発売した「ムーン・スティック」の売上は1993年6月時点で50万本を完売[12]。
変身アイテムの総売上は2001年3月時点で280万本、テレビアニメシリーズ(レンタルビデオ、セルビデオ、レーザーディスク、レーザーカラオケの合計)は160万本に達した。変身アイテムの総売上は2001年3月時点で280万本[13]、セルビデオ「美少女戦士セーラームーンR」Vol.1とVol.2はともに8万本を販売[14]、服部セイコーが発売したセーラームーンR時計は1993年7月の発売以来、1994年3月末までに16万6000本を販売[15]。
2013年にテレビ朝日で放送された「世界に進出した日本の人気アニメ ベスト100」にて、本シリーズが3位を獲得した[16]。
2017年にNHKで放送された「ベスト・アニメ100」にて、本シリーズが60位を獲得した[17]。
他作品への派生・影響
『S』をもって降板した初代シリーズ構成の富田祐弘と『R』をもって降板した初代キャラクターデザインの只野和子は、本シリーズの派生作・競合作『愛天使伝説ウェディングピーチ』の原作とキャラクターデザインを担当した。武内直子は『ウェディングピーチ』の大ファンであり、同人誌を大量に買い漁ったり、『コードネームはセーラーV』に結婚引退がテーマの『オーロラ♡ウェディング』というパロディ作品を登場させていた。
『SuperS』をもって降板し、東映アニメーションから自主退社した二代目SDの幾原邦彦は、二代目シリーズ構成の榎戸洋司ら少数精鋭のスタッフを率いてオリジナルアニメ製作チーム「ビーパパス」(意味は大人になろう)を創設し、お姫様と王子様の物語を発展させた『少女革命ウテナ』を制作、その後も『輪るピングドラム』『ユリ熊嵐』『さらざんまい』を発表している。初代SDの佐藤順一はその後も少女向け作品を多数制作し、本シリーズの劇伴を担当した有澤孝紀と『夢のクレヨン王国』、三代目SDを担当した五十嵐卓哉と『おジャ魔女どれみ』、二代目キャラクターデザインを担当した伊藤郁子と『プリンセスチュチュ』『魔法使いTai!』を発表、近年でも脚本家の坪田文と『HUGっと!プリキュア』『ワッチャプリマジ!』を制作している。五十嵐卓哉と榎戸洋司は『桜蘭高校ホスト部』でタッグを組んで以来、『STAR DRIVER 輝きのタクト』『キャプテン・アース』『文豪ストレイドッグス』を続々発表している。
シリーズ完結後の後番組には『キューティーハニーF』が放送され、三代目シリーズ構成だった山口亮太、『亜美ちゃんの初恋』でキャラクターデザインを担当した下笠美穂がメインスタッフに参加している。
ウラヌスとネプチューンの変身バンクの演出や原画手伝いを担当した『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明は、本シリーズが人気を得た理由について「あのアニメには中身がない」「キャラクターと最低限の世界観だけが存在する砂場のようなもの」と評しており、『エヴァンゲリオン』制作の参考にしたと述べている[18]。庵野は本シリーズの劇場版一作目を劇場で3度鑑賞して貞本にビデオを見せていたようで、庵野の強い希望で主人公の碇シンジ役には地場衛の少年期を演じた緒方恵美が採用された[19]。渚カヲルのモデルは庵野の友人である幾原で、葛城ミサトは月野うさぎ役の三石琴乃を見てイメージしたとされ、キャラクターデザインを担当した貞本義行は、ミサトの前髪のデザインは月野うさぎから拝借したと語っている[20](ミサト役が三石となったのは全くの偶然である)。綾波レイは水野亜美と土萠ほたるに似たキャラクターだが、綾波レイの名前は火野レイから名付けられた。また、貞本による漫画版『エヴァンゲリオン』の最終回は、本シリーズ第一期の最終回によく似た構図であった。
本シリーズのパロディ
社会現象となったため、パロディをされた作品の数も膨大である。例えば他作品のパロディで構成された『ゲンジ通信あげだま』には、月野うさぎ役の三石琴乃が声を担当した平家いぶきが登場し、彼女の変身シーンは無印のセーラームーンのパロディになっている。また、『あげだま』の原作者・富田祐弘は、シリーズ初期のメイン脚本家でもある。
『セーラームーンS』1994年8月20日放送分(第104話)では、野原しんのすけにそっくりな言動の美少年・しんのすけと野原みさえにそっくりな言動の母親が登場し、しんのすけの「ナウマンぞうさん」にショックを受けたちびうさが絶句する場面がある。この2人の声は、同話ゲストの美少年家元・玉三郎の声を演じた初代しんのすけ役の声優・矢島晶子と、同話ゲスト怪人のチャガーマの声を演じたみさえ役の声優・ならはしみきが当てている。さらにこのパロディと前後して、『クレヨンしんちゃん』1994年8月8日放送分の「アクション仮面に再会だゾ」には、荒木香恵演じるセーラームフーン、久川綾演じるセーラーイヤーン、篠原恵美演じるセーラーバカーンと『美少女軍団セーラームフーンH』の伊藤一彦監督が登場した。これは、『クレヨンしんちゃん』の本郷みつる監督と佐藤順一の仲がよかったこと、および、テレビ朝日のプロデューサー・太田賢司がこの二作を同時に担当していたことによって実現したお遊びだったという[21]。
1994年に同じテレビ朝日系で放映されたアニメ『機動武闘伝Gガンダム』では、セーラー戦士のような女性型ガンダム・ノーベルガンダムが登場。ときた洸一による漫画版に付属するおまけ4コマ漫画『がんばれ!ドモンくん』では、同機に搭乗するアレンビー・ビアズリーによる「ノーベルガンダムでおしおきよー!」のセリフと共にノーベルガンダムがセーラームーンの決めポーズをとっている。また、『スーパーロボット大戦MX』での、『GEAR戦士電童』のベガとアレンビーとの会話イベントでは、アレンビーのノーベルガンダムに興味を持ったベガがアレンビーに「あのガンダム・・・ティアラとか投げたりする?」「月に代わって何々とか・・・」と聞くシーンがある。うさぎ役の三石琴乃は『電童』でベガを演じており、いわゆる「声優ネタ」である。
秋本治原作のアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』には、セーラームーンとセーラーヴィーナスのパロディである特殊刑事課の月光刑事と美茄子刑事が登場し、本シリーズの変身シーンに似たBGMも使用された。
1993年3月26日発売のPCエンジン『ムーンライトレディ』は本シリーズのパロディゲームであり、題名・キャラクター編成・変身シーン中に流れるBGMまでそっくり。
1999年~2000年放送のアニメ『へっぽこ実験アニメーション エクセル♥サーガ』の17話『アニメーションUSA』では、三石琴乃が声を担当したエクセルがセーラームーンにそっくりな登場をするシーンがある。
1993年発売のOVA『NG騎士ラムネ&40 DX』では、ヒロインが変身するセーラー戦士のパロディのロイヤル美少女戦士が登場する。三石琴乃が声を担当したゲストキャラクターは、サントラCDのジャケットでセーラーヴィーナスに似た衣装を着ている。
2009年10月6日からテレビ朝日系で放送中の『お願い!ランキング』の番組キャラクター・おねがい戦士は、セーラー戦士のパロディである。
2013年4月4日放送分の「ロンブー&チュートの芸能人ヒットソングで爆笑ショーバトル!」の『アニメオープニング実写化対決』にてももいろクローバーZが、本シリーズの3作目「S」の実写化を披露した。配役はセーラームーンを百田夏菜子、セーラーマーキュリーを高城れに、セーラージュピターを有安杏果、セーラーマーズを佐々木彩夏、セーラーヴィーナスを玉井詩織が担当し、タキシード仮面とカオリナイトは南海キャンディーズの山里亮太が担当[22]。
海外の反応
世界各国で放送され、現在でもヨーロッパなどで絶大な人気を誇る。『Magical Girl/魔法少女』ジャンルを世界に広げた作品であり、近年では、本シリーズのファンである海外の若手クリエイターたちが、本シリーズをオマージュしたスペイン映画『マジカル・ガール』、ディズニーのTVアニメ『悪魔バスター★スター・バタフライ』、カートゥーン ネットワークのTVアニメ『スティーブン・ユニバース』などを発表している。
『パワーレンジャーシリーズ』の大ヒットを受けたサバン・エンターテイメントは、実写パートとアニメパートとで構成した本シリーズのリメイクを企画し、パイロット版を公開したが、観客の反応は散々なもので、そのまま頓挫してしまった。
北米版の権利はDICエンターテイメントが獲得し、オープニングにはオリジナルに敬意を表して「ムーンライト伝説」のアレンジ版が使用された。それ以外は独自のBGMに差し替えられ、暴力シーンや同性愛に関わる設定が大幅に検閲されている(ダーク・キングダム四天王のゾイサイトとアマゾン・トリオのフィッシュ・アイが女性に変更され、天王はるかと海王みちるは従姉妹同士になるなど)。特に、はるかとみちるを従姉妹に改変した点は海外のアニメファンに有名であった。また、アメリカのアニメ雑誌のインタビューで、はるか役の緒方恵美が「同性愛者を演じて宗教的に糾弾されなかったのか」と訊かれたという。
ハリウッド映画『ザ・コア』では「いつもセーラームーン見てる高速回線があるだろ!」という台詞が登場したり、ハリウッド映画『宇宙戦争』では本シリーズがテレビに映る場面がある。
カナダのロック・バンド「ベアネイキッド・レディース」が発表しBillboard Hot 100で1位となった「One Week」の歌詞にセーラームーンが登場する。レズビアン、ゲイ、トランスジェンダーが多数登場する作風から、海外で「テレビ史上最もゲイなアニメ作品」[23]として注目を集め、性的マイノリティーが当たり前のように受け入れられる世界観から、LGBT層に絶大な支持を得ている。ただし、アメリカのフェミニストの間では「女性差別的な価値観に基づくもの」という否定的な意見と「女性の権利向上のシンボルである」という肯定的な意見の2つに分かれた、という資料もある[24]。
ヴァン・ヘイレンのデイヴィッド・リー・ロスが日本で撮影した短編映画(小錦八十吉と共演)で、最後のキメゼリフは「月にかわっておしおきよ!」である。[25]
ロシアのフィギュアスケート選手、エフゲニア・メドベージェワは本シリーズのファンであると公言している。日本のメディアとのインタビューで主題歌の歌詞を披露したり、選手権大会のエキシビションでは本シリーズを寸劇的に再現する演目をコスプレ込みでこなすほどである。
各シリーズ紹介
- 美少女戦士セーラームーン(第1シリーズ)
- 1992年3月7日 - 1993年2月27日まで、全46話が放送された。原作第1期の「ダーク・キングダム編」に相当する。月野うさぎ/セーラームーン、水野亜美/セーラーマーキュリー、火野レイ/セーラーマーズ、木野まこと/セーラージュピター、愛野美奈子/セーラーヴィーナス、地場衛/タキシード仮面、ルナ、アルテミスが初登場した。
- うさぎと衛の前世からの恋を軸に、正体不明のプリンセスと「幻の銀水晶」を狙うダーク・キングダムとの戦いが描かれた。原作に追いつかないよう、25~31話までアニメオリジナルストーリーの「虹水晶編」が放送され、「最強妖魔七人衆」が転生した人間に隠された「虹水晶」の争奪戦が描かれた。
- 序盤はうさぎが「変装ペン」で働く女性に変身し、情報収集する魔法少女要素もあった。途中までうさぎ・亜美・レイの3人体制で進行し、中盤に入ってまこと、終盤で美奈子が加入した。
- うさぎ・レイ・衛の三角関係や、うさぎの親友・大阪なると四天王のネフライトの悲恋、四天王のクンツァイトとゾイサイトがゲイカップルであるなど、原作とは異なる恋愛模様が展開されている。亜美と恋に落ちた妖魔七人衆の浦和良、レイに片思いする火川神社の下働き熊田雄一郎、レイの祖父の火川宮司、美奈子のイギリス時代の仲間カタリナとアランなどのアニメオリジナルキャラクターも登場する。
- 第45話でジュピター、マーキュリー、ヴィーナス、マーズが戦死、最終話の第46話でもタキシード仮面やセーラームーンも落命する衝撃的な展開が描かれ、新聞の読者投稿欄に「ショックを受けた子供たちが体調不良を訴えている」と寄稿されたほどであった[26]。最終話でうさぎ達は銀水晶の力で転生し、本編中の歴史も抹消されたが、今作で培われた人間関係は次作以降に引き継がれている。
- 美少女戦士セーラームーンR(第2シリーズ)
- 1993年3月6日 - 1994年3月12日まで、全43話(47~89話)が放送された。物語は前作最終話のラストシーンの時点から2か月後より始まる。
- 前作の好評を受けて急遽シリーズ化されたため、物語進行が原作に追い付かないよう、最初の13話まではアニメオリジナルストーリーの「魔界樹編」を放送した。魔界樹編では前作の記憶を失ったうさぎ達の再集結が描かれ、オリジナルキャラクターのエイル/銀河星十郎とアン/銀河夏美、月影の騎士(ナイト)が登場する。
- 14話からは原作第2期相当の「ブラック・ムーン編」を放送。未来から来た少女・ちびうさと新たなセーラー戦士・セーラープルートが初登場し、ちびうさの命を狙うブラック・ムーン一族との戦いが描かれた。
- 59話で初代SDの佐藤順一が降板(以降も演出で参加)、60話から幾原邦彦に交代した。今作をもって初代キャラクターデザインの只野和子が降板。
- 『R』の由来については諸説ある[27]。東映動画側は「ロマンス」の頭文字と解釈していた[27]。テレビ朝日側は「リターンズ」「輪廻転生」「(主人公の月野うさぎの名前から)ラビット」の頭文字という説もあるとしており[27]、広報部は見る側で自由に判断してほしいとコメントしていた[27]。
- 美少女戦士セーラームーンS(第3シリーズ)
- 1994年3月19日 - 1995年2月25日 まで、全38話(90 - 127話)が放送された。原作第3期の「デス・バスターズ編」に相当する。天王はるか/セーラーウラヌスと海王みちる/セーラーネプチューン、セーラープルートに変身する冥王せつな、土萠ほたる/セーラーサターンが初登場する。
- うさぎたちは中学3年生に進級し、ちびうさもセーラー戦士見習い・セーラーちびムーンとして帰って来る。
- モラリズム(うさぎ)とリアリズム(はるかとみちる)の対立を軸に、「ピュアな心」を持つ人間の中に隠れたアイテム「タリスマン」、中盤からは終わりの近づいた世界を破壊するセーラーサターンと「真の救世主(メシア)」が手にするアイテム「伝説の聖杯」を巡り、ウラヌスとネプチューン、敵組織・デス・バスターズとの三つ巴の戦いが描かれた。
- キャラクターデザインが伊藤郁子に交代、今作をもって初代シリーズ構成の富田祐弘が降板する。
- 美少女戦士セーラームーンSuperS(第4シリーズ)
- 1995年3月4日 - 1996年3月2日まで、全39話(128 - 166話、スペシャル1話)が放送された。原作第4期の「デッド・ムーン編」に相当する。ダイアナが初登場した。
- ちびうさとペガサス/祭司エリオスの淡い恋を軸に、ペガサスが隠れた「美しい夢を持つ人間」を狙うデッド・ムーンとの戦いが描かれた。
- はるか、みちる、せつな、ほたるはレギュラー登場せず、はるかとみちるはスペシャルで、せつなは劇場版のみ登場する。
- シリーズ構成が榎戸洋司に交代、今作をもって幾原邦彦と伊藤郁子が降板する。
- 初期(128 - 131話)のオープニングではタイトル名が『美少女戦士セーラームーンSS』表記だったが、「『SS』の部分がハーケンクロイツ(カギ十字)を連想させる」というクレームが付いた為、1時間スペシャルの放送分からは『美少女戦士セーラームーンSuperS』表記に変更された。その影響により、映像ソフトではオープニングのタイトル表記は、本放送の1時間スペシャル以降のバージョンに差し替えられた。
- 美少女戦士セーラームーンセーラースターズ(第5シリーズ)
- 1996年3月9日 - 1997年2月8日まで、全34話(167 - 200話)が放送された。最初の6話はアニメオリジナルストーリーの「ネヘレニア復活編」を放送。外部太陽系のセーラー戦士も再集結し、初めてレギュラー陣が揃い踏みした。
- 7話から放送された原作第5期相当の「シャドウ・ギャラクティカ編」では、星野光/セーラースターファイター、大気光/セーラースターメイカー、夜天光/セーラースターヒーラー、ちびちび/セーラーちびちびが登場。
- うさぎたちは高校生に進級し、うさぎと衛と星野光の三角関係を軸に、特別な人間が持つ「真のスターシード」を探すシャドウ・ギャラクティカとの戦いが描かれた。
- SDが五十嵐卓哉に交代、キャラクターデザインも爲我井克美に変わり、シリーズ構成も榎戸洋司から山口亮太に交代となった。
- 第4シリーズまでは2段書きで「美少女戦士」がサブタイトル扱いで表記されたが、同作品では「美少女戦士セーラームーン」までがサブタイトル扱いとなり、その下に「セーラースターズ」を大きく表示する形となっている。オープニング(OP)曲をこれまでの「ムーンライト伝説」から「セーラースターソング」にするなど、イメージの一新も図られた。
注釈
- ^ テレビシリーズ全200話に加えて、テレビスペシャル1話を含めた話数となる。
- ^ 体調不良によって担当予定だった美術デザインを弟子の窪田忠雄に交代、本人は美術監修にあたった。
- ^ このページにおいては「1992年9月の段階では『某少年誌掲載のバスケ漫画』のアニメが後番組として準備されていた」とある。
- ^ 武内による設定資料をまとめた『美少女戦士セーラームーン原作設定資料集』が発売されている。
- ^ うさぎは本シリーズと同じく三石、亜美は金元寿子、レイは佐藤利奈、まことは小清水亜美、美奈子は伊藤静が担当。
- ^ ミュージカル版でうさぎを演じた。
- ^ 1時間番組『サンデーあいらんど』として、本シリーズの裏番組だった『まんが日本昔ばなし』(枠後半に挿入)とセットで放送。
- ^ 「S」は愛媛ではEAT開局に間に合わなかったため放送されなかった。
- ^ テレビ朝日、名古屋テレビ放送、朝日放送、九州朝日放送(どちらもアナログ親局はVHF)
出典
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- ^ 美少女戦士セーラームーン20周年記念BOOK(講談社、2016年10月)「ハロー!こちらセーラームーン情報局Returns!」p.149
- ^ a b c 美少女戦士セーラームーン20周年記念BOOK(講談社、2016年10月)p.114 - 115「初代SD佐藤順一さんが語るアニメ版『セーラームーン』誕生秘話」
- ^ 『Eternal《後編》』のパンフレット内のコラム「HISTORY 美少女戦士セーラームーン 1992〜1997愛と奇跡の伝説 / 「美少女戦士セーラームーン」の歩み」
- ^ 『日本TVアニメーション全史』(2014年12月30日、世界文化社発行)278ページ。
- ^ 美少女戦士セーラームーン20周年記念BOOK(講談社、2016年10月)p.150
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- 美少女戦士セーラームーン (テレビアニメ)のページへのリンク