ムギセンノウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 17:58 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ムギセンノウ | ||||||||||||||||||||||||
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ムギセンノウの花
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Agrostemma githago L.[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ムギセンノウ(麦仙翁)[3] ムギナデシコ(麦撫子)[4] | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
corn cockle purple cockle[4] common corn cockle[5] |
特徴
形態
畑地や路傍に見られる一年草。茎は直立し草丈30~100cm[5][6]。葉は線形~線状披針形で対生し、基部で対生した葉同士が融合して短い鞘を形成する[3]。茎は上部で分枝し、それぞれの枝頂に1つずつ花をつける[6]。萼は筒状で固く長さ1.5cm、10本の脈があり、萼片は5裂し線形に3~5cmと花弁よりも長く伸びる[5][8]。茎・葉・萼ともに毛が生え、特に葉と萼には長毛が密生する[5]。花径は約3cm、花弁は5枚の倒卵形~倒心臓形、中心は白色に近く外側ほど赤紫色~桃色を呈し、縦に数本の条斑を生じる[4][5]。園芸品種では野生種よりも花は大振りである。花期は5~6月[7][9]。果実は蒴果。種子は黒色で径3~4mm、表面に鋭い粒状突起があり、有毒である[5][6][10]。
分布
ヨーロッパ原産[8]。ヨーロッパ全土に広く分布し、ユーラシア大陸ではさらに西アジア、インド北部、中国東北部、朝鮮半島。アフリカ大陸では北アフリカ地中海沿岸と南アフリカ共和国。南北アメリカ大陸ではカナダ、アメリカ合衆国、アルゼンチンなど。オセアニア州ではオーストラリア[5]。いずれも分布域は温帯中心であり、原産地からムギ栽培とともに世界中に分布域を広げたと考えられている[6][10]。
日本では北海道十勝地方で1892年に採集され、明治時代のムギ栽培の導入とともに侵入したらしい[6][8]。現在では北海道のほか、全国各地でまばらに見られる。園芸植物の逸出や、輸入農産物に混入しての侵入が分布への影響として考えられる[11][12]。
名称
属名の Agrostemma はギリシア語・ラテン語のagros(野原・畑)とstemma(王冠)を組み合わせたもので、花の姿を冠に見立てたものと言われる[4][5]。
標準和名はムギセンノウ(麦仙翁)。「麦」は本種の細長い葉がムギに似ているため[3][5]、あるいは麦畑によく見られるためとする文献もある[4]。「仙翁」は、同じナデシコ科のセンノウ(Silene bungeana[13]、後述)により、その花が京都の仙翁寺(廃寺、京都市右京区嵯峨鳥居本に仙翁町の地名が残る)に咲いていたことに因むという[5]。別名でムギナデシコとも呼ぶが、キク科バラモンジン属のバラモンジン(Tragopogon porrifolius)にもムギナデシコの別名があり注意を要する[4][14]。園芸用に販売されている種苗では、単に属名からアグロステンマの商品名も見られる[7]。
- ^ “Agrostemma githago L. ムギセンノウ”. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList) (2014年2月4日). 2019年4月26日閲覧。
- ^ “Silene githago (L.) Clairv. ムギセンノウ”. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList) (2011年10月23日). 2019年4月26日閲覧。
- ^ a b c 新分類牧野日本植物図鑑、802頁。
- ^ a b c d e f g h 園芸植物大事典 I、53頁。
- ^ a b c d e f g h i j k 世界の雑草 II、536頁。
- ^ a b c d e f g 日本の帰化植物、54頁。
- ^ a b c d デザインのための花合わせ実用図鑑、69頁。
- ^ a b c d 日本帰化植物写真図鑑、32頁。
- ^ “育て方がわかる植物図鑑 アグロステンマ”. みんなの趣味の園芸(NHK出版). 2019年4月26日閲覧。
- ^ a b c 世界の雑草 II、537頁。
- ^ 帰化植物を楽しむ、170-171頁。
- ^ 水田光雄「輸入物資に随伴する帰化植物 (PDF) 」(全国農村教育協会『日本帰化植物友の会通信』15)(2016年9月30日).2019年4月26日閲覧。
- ^ a b “Silene bungeana (D.Don) H.Ohashi et H.Nakai センノウ”. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList) (2009年6月29日). 2019年4月26日閲覧。
- ^ 原色日本帰化植物図鑑、12頁。
- ^ “Lychnis senno Siebold et Zucc. センノウ”. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList) (2014年2月8日). 2019年4月26日閲覧。
- ^ “最近の植物学的研究(芳澤勝弘)”. 花園大学国際禅学研究所. 2019年4月26日閲覧。
- ^ “諸文献に出る仙翁花(芳澤勝弘)”. 花園大学国際禅学研究所. 2019年4月26日閲覧。
- ^ “Silene coeli-rosa (L.) Godron コムギセンノウ”. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList) (2009年6月24日). 2019年4月26日閲覧。
- ^ デザインのための花合わせ実用図鑑、53・191頁。
- 1 ムギセンノウとは
- 2 ムギセンノウの概要
- 3 人間との関わり
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