触手
「触手」とは、一部の無脊椎動物が持つ柔軟な突起状の器官のことである。口の周辺などに伸び出しており、能動的に動かせる。地形を探る感覚器や、獲物を捕獲する捕食器として用いられる。
触手はタコやイカなどの頭足類をはじめとする海洋生物に多く見られる。(ただしタコやイカの触手は「腕(うで)」と呼ばれることが多い)。
触手は、ある程度の細さ・長さ・柔軟さ、および、自在に動かせる運動性を備えた器官である。登録類のタコやイカの触手には吸盤が付いており、獲物を捕らえやすくなっている。しかもタコの触手は腕力そのものが強く、ひとたび絡みつかれると引きはがすことは容易でない。
刺胞動物であるクラゲ、サンゴ、イソギンチャクなども触手をもっている。これらの触手は腕力こそないが「毒(刺胞)」を持っている場合が多い。これによって獲物を麻痺させて捕食したり、外的から身を守ったりする。
「クトゥルフ神話」と「触手」の関係
「クトゥルフ神話」は、ラヴクラフト(Howard P. Lovecraft)」の小説をベースとする架空の神話体系であるが、そこに登場する神々のいくつかは触手を備えた存在として描かれる。神話を代表するキャラクターといえる「邪神クトゥルフ」は、顎の辺りに無数の触手のような突起を持った、タコのような頭部を持つ姿で描かれることが多い。しかしクトゥルフ神の顎のそれは、触手というよりヒゲに相当するものと解釈されることが多い。
「魔王」の異名を持つ神格「アザトース」は、触手を備えているとされる。永く封印されているとされる「シアエガ」は、無数の触手を備えた姿で描かれることが多い。
「触手」と「触腕」の違い
「触腕」とは、イカ類が餌を捕獲するために用いる、他の触よりも長い1対の腕のことである。イカの腕の10本中2本が触腕である。イカの触腕は伸縮自在であり、普段は縮められている。コウイカ類の触腕はポケットに収納できるため、外からは確認できないこともある。捕食時にはこの触腕を素早く伸ばして対象を捕獲する。外的から逃げるときには触腕を切り離す場合もある。
触手
触手
収載図書新編 真ク・リトル・リトル神話大系 3
出版社国書刊行会
刊行年月2008.1
触手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/31 14:27 UTC 版)
触手(しょくしゅ、英語: tentacle)とは、無脊椎動物の口の周囲に輪状に分布する伸縮や屈曲が可能な糸状あるいは紐状の小突起[1][2][3][4][5][6]。感覚細胞が多く分布する表皮であり、分類群や種によって千差万別であるが、感覚器・防御器(刺胞などによる[6])・捕食器・呼吸器(コケムシ類などが該当[6])・固着器などの機能のいずれか複数を有する[1][2][3][4][5][6]。
- ^ a b c 小学館『デジタル大辞泉』. “触手”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b c 三省堂『大辞林』第3版. “触手”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b c 日立デジタル平凡社『世界大百科事典』第2版. “触手”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b c d e 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “触手”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b c 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “触手”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b c d e 雨宮昭南(cf. KAKEN[1])、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “触手”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ カイヨワ・塚崎 (1975), pp. 52–56.
- ^ カイヨワ・塚崎 (1975), pp. 128–133.
- ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』. “触手を伸ばす”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b 三省堂『大辞林』第3版. “触手を伸ばす”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “触手を伸ばす”. コトバンク. 2020年5月1日閲覧。
触手(ク・リトル・リトル)
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「ク・リトル・リトル 〜魔女の使役る、蟲神の触手〜」の記事における「触手(ク・リトル・リトル)」の解説
旧支配者の肉体の転生体。普段は人間を含む生物や無生物だが、触手姫の命令で触手へと姿を変え、触手姫へと付き従う。
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触手
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肉体の一部を無数の触手に変えて対象を貫く。綾乃への不意打ちに使用。
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触手
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「宇宙の騎士テッカマンブレード」の記事における「触手」の解説
母艦のあらゆる場所から無数の触手が出現し、相手を攻撃する。反応弾すら効かないテッカマンの装甲さえも貫く威力を持ちブレードを叩きのめす。
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触手(Tentacle)
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「バイオハザード CODE:Veronica」の記事における「触手(Tentacle)」の解説
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触手(しょくしゅ)
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「犬夜叉の登場人物」の記事における「触手(しょくしゅ)」の解説
奈落の基本攻撃。髪の毛や手足などの肉体を妖怪の部分に変化させ、切り取られても再生可能。瘴気も放つ。新生後は胸部から硬質化した触手を出したり肉体の不要な部分を切り捨てて遠隔操作し攻撃できるようになった。相手の妖気の攻撃を返す際は腕の触手の棘を使用する。溶命樹を吸収後はその触手で相手の結界を溶かせる。また、魍魎丸を吸収した強化新生後は、右腕を巨大な金剛石の触手、左腕を冥王獣の鎧甲で覆われた触手に変えて犬夜叉達を追い詰めた。
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触手
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「グラディウス (ゲーム)」の記事における「触手」の解説
ぶよぶよとした球状の肉塊から細長い腕が何本も生えた生物。腕の先端から弾を出して攻撃してくる。球状の本体に攻撃することで破壊可能だが、耐久力が高い難敵。腕の中間部にある色の違う部分を攻撃すればその腕のみを破壊できる。
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触手
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反物質生成細胞の影響で反物質エネルギーが身体を循環し始めると、桁外れの代謝が可能となり、その強大なパワーを受け止めるため、体組織が強靭で柔軟な構成へと置き換わっていき、やがて外部刺激で手や指が鞭のように撓り始めたもの。この触手は感情に大きく左右され、感情が歪めば肉体は異形の姿へと変わり、憎しみが増大すれば触手に全てのエネルギーを吸い取られ、精神を蝕まれていく。柳沢以外の触手持ち(殺せんせー、二代目死神、茅野、イトナ)が「触手がどうなりたいかを聞いてきた」と語っていることから、触手自体に知能がある模様。
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触手
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「バイオハザード ダークサイド・クロニクルズ」の記事における「触手」の解説
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触手
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「ゴーレム (グラディウス)」の記事における「触手」の解説
ステージ5に登場する宇宙増殖触手。中型ザコ。ピンク色をした球状の肉塊が本体で、そこから0 - 4本の青い触手が生えている。本体自体は宇宙空間に漂うだけで、画面上に最大3つまで登場する。弾を撃ち込むごとに縮んでいき、最終的には破壊可能だが、耐久力が高い。触手は自機を追尾してくるが、動きはあまり機敏ではなく、先端から毒の弾を大量に放出する。弾はサイズが通常弾より小さいが、当たり判定の範囲は見掛けより広い。触手には中間部に黄色くなっている箇所があり、そこへ弾を当てると破壊することが可能。
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「触手」の例文・使い方・用例・文例
- 「イカにはタコと同じ数だけ触手があるの」とその子はたずねた.
- いたるところに触手を伸ばして情報を求めるのが彼らの仕事だ.
- 手で(または触手で)何かを固くつかむ行為
- 8本の触手で囲まれている丸い口にとがった歯のある舌を有するうなぎのような円口類
- 鼻の周りにピンク色の肉付きのよい触手を持つ北米東部産の両生モグラ
- 単に1つの孔と刺す構造をした触手を持つ嚢のような体を持つ放射状に対称な動物
- 腔腸動物が取る2つの形状のの1つ(例えば、ヒドラかサンゴ):通常、口の周りに通常触手の環がある空洞の円筒体を伴う定着性である
- 嚢のような浮袋と刺す触手を持つ大型クダクラゲ
- 花に似ているが、触手の口輪を持つ海洋性ポリプ
- 触手を欠いている有櫛動物
- 無触手綱と同一の領域を占める
- 有櫛動物は引っ込められる触手を持つ
- 2つの長い羽状の触手を持つ有櫛動物
- 有触手綱の1目
- 長い触手と平らな体を持つ有櫛動物
- 短い触手を持つ有櫛動物
- 幼年期だけにおける触手を持つ有櫛動物
- 触手と筒のような外皮のある細長い動物
- 減った内殻と二対の耳のような触手を持つ裸の海産腹足類の軟体動物
- よく発達した頭部、眼、および吸盤のある触手が特徴の海産軟体動物
触手と同じ種類の言葉
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