反物質とは?

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Weblio 辞書辞書・百科事典宇宙用語反物質の解説 

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はんぶっしつ 3 【反物質】

核子電子から構成される物質に対して、それらの反粒子である反核子と陽電子から構成される物質をいう。宇宙多量の反物質から成る反世界存在することは、現在の観測からは否定的である。


宇宙用語辞典

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反物質 antimatter

通常の物質を構成する反対性質を持つ原子からなる物質。反物質と物質が出会うとそれ等は消滅する。


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反物質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/01/01 17:39 UTC 版)

反物質(はんぶっしつ)は、質量スピンが全く同じで、構成する素粒子電荷などが全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される物質。例えば電子はマイナスの電荷を持つが、反電子(陽電子)はプラスの電荷を持つ。中性子と反中性子は電荷を持たないが、中性子はクォーク、反中性子は反クォークから構成されている。

目次

歴史

1930年物理学者ポール・ディラックが反粒子の存在に関する仮説を提唱。

1932年宇宙線の研究をしていた物理学者アンダーソンにより正の電荷を持つ電子陽電子が発見される。1955年、物理学者のセグレチェンバレンにより、前年に建設された粒子加速器ベヴァトロンを用いて反陽子を発見。この実験では反中性子も発見されている。

1995年欧州原子核研究機構(CERN)とドイツの研究チームにおいて、陽電子と反陽子からなる「反水素」が生成された事が分かり、翌年1月に発表。

2002年 欧州原子核研究機構日本を含む国際共同研究実験グループにおいて、反水素の5万個ほどの大量生成に成功。

性質

物質と反物質が衝突すると対消滅を起こし、質量エネルギーとなって放出される。これは反応前の物質・反物質そのものが完全になくなってしまい、消滅したそれらの質量に相当するエネルギーがそこに残るということである 。1gの質量は約 9×1013(90兆)ジュール のエネルギーに相当する。ただし 発生するニュートリノが一部のエネルギーを持ち去るため、実際に反物質の対消滅で発生するエネルギーは、これより少なくなると言われる。

反物質は自然界には殆ど存在しないので、人工的に作らねば得ることが難しい。非常に高いエネルギーを持つ粒子どうしを衝突させると多くの粒子が新たに生成されることは既に知られていて、これは粒子が衝突前に持っていたエネルギーがそれに相当する質量に変わるためであり、物質と反物質の衝突とは逆の事が起きているのだが、これによって生成される粒子の中に反粒子が実際に含まれている。そのため現在では、人工的に高エネルギーの粒子を、粒子加速器という非常に巨大な装置を使って作り出し、それらを衝突させて反粒子を作りだし捕獲することで反粒子を得ている。

反物質の消滅

反物質がどうしてわれわれの住む宇宙では殆ど存在していないのかは、長い間、物理学の大きな疑問の一つであったが、最近その疑問への回答が部分的ではあるが得られつつある。初期宇宙においての超高温のカオス状態の中で、クオークから陽子や中性子が出来、中間子が生まれ、それぞれの反粒子との衝突で光子(電磁波・ガンマ線)に変換されたり再び対生成されていた頃にすべては起こったと考えられている。

従来、物質と反物質は鏡のように性質が逆なだけでその寿命を全く同じだと考えられてきた(CP対称性)。だが近年、粒子群の中で「物質と反物質の寿命がほんの少しだけ違う」というものが出てきた。最初はK中間子と反K中間子である。そして、B中間子もはっきりと反B中間子とでは寿命が違うことが確認された。日本の高エネルギー加速器研究機構[1]のBelle検出器[2]による発見である。「反物質の寿命がわずかに短かった」(CP対称性の破れ)。これにより、初期宇宙の混沌の一瞬の間の「物質と反物質の対生成と対消滅」において、ほんのわずかな可能性だが反物質だけが消滅し物質だけが取り残されるケースがあり、無限に近いほどの回数の生成・消滅の果てに、「やがて宇宙は物質だけで構成されるようになった」と説明できる。もちろん多種さまざまな粒子群の中のわずか2つの事例であるが、他の粒子での同様の現象の発見やそもそもの寿命のずれの発生機序が解明されれば、この謎は遠からずすべてが解明されると期待されている。

将来の利用法

反物質は粒子加速器を使う核融合実験の際に、微量ずつ発生しては、発生の次の瞬間には対消滅で消え去っている事が観測データから確認されているが石油ウランなどと異なり自然には殆ど存在せず、そのため反物質を得るには一から生成する必要がある。

ただし、反物質を生成するのに必要なエネルギーは、反物質を燃料として消費するときに得られるエネルギーよりも大きいため、結局は損をする。これは、水素を燃料として使うために水を電気分解した後、再び燃料電池として電気に戻して消費するサイクルに似ている。ただ、エネルギー密度だけを考えれば非常に高密度であるので遠い将来の宇宙開発のような特殊な用途での利用が想像されている。反物質は物質に触れると爆発的な対消滅を起こすので貯蔵や取り扱いには工夫が必要になる。

反物質は、周囲の物質と対消滅を行うことにより自身の質量の200%をエネルギーに転換できるので[3]、宇宙開発上課題となっている燃料の質量を軽量化できる。NASAは反物質動力の推進機関に関心を示している。宇宙機のエンジンとして比べれば、化学燃料は質量の10-8倍が、核融合では質量の10-2倍、反物質を使えばその大部分がエネルギーとなる。例えば100kgの深宇宙探査機を50年間加速させるのに必要な反物質燃料は100μgで良い[4]

脚注・出典

  1. ^ kek.jp
  2. ^ titech.ac.jp
  3. ^ 核分裂反応ではおよそ0.1%、核融合反応でも質量の1%程度しかエネルギーに変換されない
  4. ^ astroarts
  • 新しい物性物理 伊達宗行 講談社BLUEBACKS ISBN 4-06-257483-7(消えた反物質)

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