ひふよう‐しゃ〔ヒフヤウ‐〕【被扶養者】
被扶養者(ひふようしゃ)
被扶養者
扶養
(被扶養者 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/07 17:48 UTC 版)
扶養(ふよう)は、主に生計を担っている血族や姻族が、老幼・心身の疾病・失業などの理由で経済的自立が出来ていない者(要扶助者)を養うすること[1][2][3][4][5]。
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- ^ 能美善久・加藤新太郎編集『論点体系 判例民法 9 親族』平成21年3月30日初版533頁
- ^ 横浜市の相談手続き・遺言書作成・離婚問題解決( [1] )(2)生活扶助義務
通常は生活の単位を異にしている親族が、一方の生活困窮に際して助け合う偶発的・一時的義務のことです。この場合、扶養は例外的な現象ですから、扶養権利者が文化的最低限度の生活水準以下であり、義務者が自分の配偶者、子を含めて最低限度の生活水準を維持できるだけでなく、社会的地位相応の生活を維持できてなお余力のあるような状態のときに発生するとされています。
①子の親に対する義務
②成人した子に対する親の義務
③兄弟姉妹相互間、祖父母と孫の間の義務など
- ^ 川井健著 『民法概論5親族・相続』 有斐閣、2007年4月、117頁
- ^ 泉久雄著 『親族法』 有斐閣〈有斐閣法学叢書〉、1997年5月、302頁
- ^ 利谷信義著 『現代家族法学』 法律文化社〈NJ叢書〉、1999年7月、106-107頁。鈴木禄弥「「生活保持義務」と「生活扶助義務」とのあいだには、いかなる差異があるか」幾代通=鈴木禄弥=広中俊雄『民法の基礎知識 質問と解答』(有斐閣、1964)181頁
- ^ 川井健著 『民法概論5親族・相続』 有斐閣、2007年4月、118頁
- ^ 於保不二雄・中川淳編著 『新版 注釈民法〈25〉親族 5』 有斐閣〈有斐閣コンメンタール〉、1994年4月、477-478頁
- ^ 泉久雄著 『親族法』 有斐閣〈有斐閣法学叢書〉、1997年5月、332頁
- ^ a b c d 扶養義務の基礎の基礎-未成熟子扶養の程度特に終期
- ^ a b 横浜市の相談手続き・遺言書作成・離婚問題解決( [2] )(1)生活保持義務
本来家族として共同生活すべき者の義務のことです。例えば、親の未成熟子に対する扶養義務の場合、扶養権利者(未成熟子)が扶養義務者(親)に比べて生活水準が低く、義務者が文化的最低限度の生活水準を維持してなお余力があるような状態であれば当然に発生するとされています。
①親がその※未成熟の子を養う義務
②夫婦が互いに扶養し合う義務
※未成熟子とは経済的に自立していない子を意味します。したがって成年前でも成熟子であることもありますし、成年に達していても未成熟子と認められる場合もあります。また、婚姻関係にない男女から生まれた子とその父親の扶養義務について、父親の認知がある場合は扶養義務が発生します。母親の扶養義務については分娩の事実があれば足ります。 - ^ 於保不二雄・中川淳編著 『新版 注釈民法〈25〉親族 5』 有斐閣〈有斐閣コンメンタール〉、1994年4月、738頁
- ^ a b 深谷松男著『現代家族法』第4版170頁
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- ^ a b 能美善久・加藤新太郎編集『論点体系 判例民法 9 親族』平成21年3月30日初版534頁
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- ^ 於保不二雄・中川淳編著 『新版 注釈民法〈25〉親族 5』 有斐閣〈有斐閣コンメンタール〉、1994年4月、741頁
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2016年2月9日). “【生活保護費回収断念】28億円もらい得?手段なく苦慮、大阪市「強制徴収制度あれば…」(1/2ページ)”. 産経ニュース. 2023年9月11日閲覧。
被扶養者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:15 UTC 版)
被保険者によって生計を維持されている者で所定の要件を満たす者は、保険者の認定を受けることにより被扶養者としてその保険の適用を受けることができる。保険料免除の一類型(特約)であり、被扶養者に保険料の負担はなく、被扶養者の有無、増減で被保険者の保険料に変動はない。元来は収入を得られない子供や障害者、長期入院者、専業主婦、年老いた親などが想定されていたが、家族や社会環境の変化などにより、その態様は変化している(専業主夫、リストラされた夫、資格試験受験生、いわゆるフリーターなど)。20歳以上60歳未満の配偶者は、被扶養者認定があったときは国民年金第3号被保険者として取り扱うこととされる(昭和61年4月1日庁保険発18号)。事業主は、その使用する一般の被保険者が被扶養者を有するに至ったときは、5日以内に被扶養者異動届を機構又は組合に提出しなければならない。なお任意被保険者が被扶養者を有するに至った場合は、被保険者自らが提出する。 被扶養者として認定される要件としては、以下のように定められている(第3条7項)。ただし、日本国内に居住すること及び後期高齢者医療の被保険者等でないことが必要である。 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下同じ)の直系尊属、配偶者、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの (いわゆる130万円の壁)「生計維持」が認定されるためには、認定対象者が被保険者と同一世帯の場合は、認定対象者の年収が130万円未満(認定対象者が60歳以上の者や障害者(障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害であること)である場合については年収180万円未満)で、かつ被保険者の年収の1/2未満であること(平成5年3月5日保発15号)。なお、この要件に該当しない場合であっても、認定対象者の年収が130万円未満であって、かつ被保険者の年収を上回らない場合においては、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められれば、被扶養者として認定される。 「兄弟姉妹」について、平成28年9月までは「弟妹」のみであったが、平成28年10月以降は「兄姉」も加えられた。 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合は、年収130万円未満、かつ年収が被保険者からの援助による収入額より少ないこと。「年収」とは、給与、年金、失業等給付、恩給、不動産収入等、定期的な収入である。給与の場合は、勤労の対価として支払われているものすべてが対象であり、諸手当・交通費込み、税引前の額である(被保険者の保険料算定における報酬と同様)。預貯金、相続による一時的な収入、負債などは収入条件の判定から除外される。 「同一世帯」に属する者とは、被保険者と住居及び家計を共同にする者をいう(昭和27年6月23日保文発3533号)。戸籍が同一であるか、また被保険者が世帯主であるかは問われない。また病気や就学等で一時的に別居している場合でも同一世帯と認められる。法所定の老人・障害者等の指定施設に入所している場合も「一時的別居」と考え、住居を共にしていることとして扱う(平成11年3月19日保険発24号)。 夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定については、夫婦とも被用者保険の被保険者の場合には、令和3年8月1日以降は以下の取扱いとする(令和3年4月30日保保発0430第2号/保国発0430第1号)。被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、被保険者の年間収入が多い方の被扶養者とする。 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。 夫婦の双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべき者に係る扶養手当又はこれに相当する手当の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。なお、扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由に被扶養者として認定しないことはできない。 標準報酬月額が同額の場合は、被保険者の届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。なお、標準報酬月額に遡及訂正があった結果、上記決定が覆る場合は、遡及が判明した時点から将来に向かって決定を改める。 夫婦の年間収入比較に係る添付書類は、保険者判断として差し支えない。 被保険者の3親等内の親族で前号に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの「被保険者の父母」であれば同一世帯要件は不要であるが、「被保険者の配偶者の父母」であれば同一世帯要件が必要となる。 被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの届出上の配偶者の父母・子であれば「同一世帯」要件は不要であるが、届出ない配偶者の父母・子の場合は「同一世帯」要件が必要となるのである。 届出上の配偶者とは異なり、届出ない配偶者の祖父母、孫、兄弟姉妹は、「同一世帯・生計維持」であっても被扶養者とは認定されない。 前号の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの 「日本国内に居住」については、令和2年4月の改正法施行により新たに要件に加えられ、その確認は原則として住民基本台帳の記載に基づいて行う。例外的に、「日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるもの」については被扶養認定することとし、以下の者はそれぞれに掲げる添付書類によって「厚生労働省令で定めるもの」として認定される(規則第37条の2、令和元年11月13日保保発1113第1号)。 外国において留学をする学生 - 査証、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し 日本からの海外赴任に同行する家族 - 査証、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書等の写し 海外赴任中の身分関係の変更により新たな同行家族とみなすことができる者(海外赴任中に生まれた被保険者の子ども、海外赴任中に結婚した被保険者の配偶者、特別養子など) - 出生や婚姻等を証明する書類等の写し 観光・保養やボランティアなど就労以外の目的で一時的に日本から海外に渡航している者 (ワーキングホリデー、青年海外協力隊など) - 査証、ボランティア派遣機関の証明、ボランティアの参加同意書等の写し その他日本に生活の基礎があると認められる特別な事情があるとして保険者が判断する者 - 保険者が個別に判断する なお、以下の者は日本国内に住所を有しても被扶養認定しない。ただし、国内居住要件の導入により被扶養者でなくなる者であって、令和2年4月1日時点で保険医療機関に入院している者の被扶養者の資格について、入院期間中は継続させる経過措置が設けられている。 「医療滞在ビザ」で来日した者 「観光・保養を目的とするロングステイビザ」で来日した者(富裕層を対象とした最長1年のビザ) 扶養状況を確認するために、保険者は被扶養者に係る確認(扶養現況調査)を行うことができるとされる(規則第50条)。調査票に回答と収入や居住状態の立証書類を添付して保険者に提出する。収入が多いなど上記法定の認定条件を満たさない場合、調査票の提出がない場合、勤務先の社会保険に加入していた場合は被扶養者資格がなくなる(国民健康保険などに加入する)。扶養現況調査は健康保険の適正な適用に関し重要な役割を果たしている(不当な社会保険料免除を防ぐ)が、膨大な数の被扶養者について確認を行うため、対応に苦慮している保険者も多い。厚生労働省は1年に1回以上(毎年一定の期日を定めて)実施するように保険者に指導している。 従来、被扶養者の認定、年収や同一世帯か否かの判定は、被保険者から要件に合致している旨の申し出があれば特に厳格な審査をすることなく認定していたが、平成30年10月より取り扱いが変更となり、新たな申請には公的な証明書(課税証明書、戸籍謄本等)の添付が義務づけられるようになった(既に身分関係を認定するための情報を保険者又は事業主が取得している場合(個人番号を用いて確認する場合等)を除く。平成30年8月29日保保発0829第1号)。
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被扶養者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:15 UTC 版)
被扶養者に関する保険給付(家族給付)は、あくまで保険料を負担している被保険者に対してなされるものである。したがって、被保険者が死亡した場合、その翌日から家族給付は打ち切られる。また、被保険者の資格喪失後の継続給付は、被扶養者に対しては行われない(昭和31年12月24日保文発11285号)。 家族療養費 療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費及び療養費に相当する給付は、被扶養者についてはすべて家族療養費として支給される(第110条)。 家族訪問看護療養費 家族移送費 家族埋葬料 家族出産育児一時金 被保険者と同様の給付がなされる(第111~114条)。ただし、家族埋葬料は、死産児に対しては支給されない(昭和23年12月2日保文発898号)。
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