資格喪失後の継続給付
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 08:39 UTC 版)
以下の要件を満たす被保険者(特例退職被保険者を除く)は、被保険者の資格を喪失した場合でも、前記の給付要件を満たす限り、被保険者として受けることが出来るはずであった期間、継続して同一の保険者から出産手当金の支給を受けることが出来る(第104条)。受給手続きは在職時の場合と同様であるが、事業主の証明は不要である(昭和2年2月15日保理658号)。 退職日(資格喪失日の前日)まで引き続き1年以上被保険者の資格を有していること(任意継続中の期間は含まれない)。 任意継続被保険者となる場合の要件と異なり、この場合は任意適用事業所の取消による資格喪失も含まれる。 船員保険の場合は、資格喪失日前1年間に3ヵ月以上、または3年間に1年以上強制被保険者だった場合、となる。 退職日に出勤の事実がないこと。 資格喪失時に出産手当金の支給を受けている、又は受け得る状態にある者(報酬との調整のために支給が停止されている場合を含む)。 産前42日目(多胎妊娠の場合は98日目)よりも前に退職した場合は出産手当金を受け得る状態にないため、支給されない。 船員保険の場合は、資格喪失日より6ヶ月以内に出産すれば継続給付の対象となる(船員保険法第74条2項) 出産手当金は原則として任意継続被保険者には支給されないが、上記の要件を満たす者が任意継続被保険者となった場合には支給される。なお、同一の健康保険組合の任意継続被保険者でないと給付しないとする健保組合も一部に存在する。退職後の給付には付加給付が付かないか、または任意継続被保険者であることを要件とする組合もある。また、特例退職被保険者は上記の要件を満たしても出産手当金は支給されない。 任意継続被保険者で事業に使用されていない者、又は資格喪失後の者で事業に使用されていない者にあっては、「労務」の程度は工場又は事業場において従事した当時の労務と同程度のものをいう(昭和8年8月28日保険発539号)。 健康保険の被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、船員保険から給付が行われるので健康保険からは出産手当金の継続給付は受けることはできず、また選択の余地もない(第107条)。 出産手当金は、労務に服することが可能であるかどうかにかかわらず、現に労務に服さなかったことを要件とするものであるから、資格喪失後において支給される出産手当金については、当該被保険者が基本手当を受給中(「労働の意志及び能力」ありとして支給される)であるかどうかにかかわらず、他の事業所において使用されていないかぎり当然支給すべきものである(昭和31年3月13日保文発1907号)。
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