特殊奏法とは? わかりやすく解説

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特殊奏法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:34 UTC 版)

特殊奏法(とくしゅそうほう)とは、楽器の通常の操作法によらない演奏法のことである。ここでの通常の操作法とは、一般に楽器の設計時に想定された操作法のことである。すなわち、設計時に想定された操作法を越える音の出し方を、一般に特殊奏法と呼ぶ。


  1. ^ 円谷プロダクション 『ウルトラセブンイズム』辰巳出版〈タツミムック〉、2002年。ISBN 978-4886417794 


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特殊奏法 (現代奏法)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 06:44 UTC 版)

フルート」の記事における「特殊奏法 (現代奏法)」の解説

フルート近代音楽現代音楽において特に特殊奏法が数多く開発され楽器であるが、これらは作曲者奏者によりさまざまな呼称技法記譜法があって、未だ発展途上にある。楽器奏者により、あるいはそのとき調子によって、狙った通り効果得られないこともある。 エオリアン・トーン(英:aeolian tone) ブレス・トーンともいう。発音同時に息が歌口や歯の間から漏れる噪音発する奏法通常の奏法からライザー部にあてる空気極端にぼかすことにより生じる。楽音存在する空気流れ音の占め割合のほうが大きい。この割合作曲者によって細かくパーセント記号指示されている物もある。 キー・パーカッション(英:key percussionキー・クリック、キー・クラップとも。キー強めに叩くことにより、打楽器効果狙った奏法エドガー・ヴァレーズの『密度21.5』で初め用いられたが、この曲に登場する奏法は、厳密にスタッカート通常奏法とキー・パーカッションとの併用である。 口笛(英:whistle歌口内に口笛を吹くことによって通常の口笛よりもフルートの管に共鳴させた音を作り出すその際発生する音は運指の自然倍音上の音である。口笛吹きながらフルート通常音を鳴らすことは不可能であるが、口笛の音+エオリアン・トーンであれば可能である。 ジェット・ホイッスル(英:jet whistle歌口を唇で完全に覆い、息を激しく吐き出すことにより発生した息音を使用する奏法。唇、フルート角度瞬時変化させることで息音内に含まれる楽音を自然倍音列に従い上昇下降させることができる。発生する音は運指によっても変化する重音奏法(英:multiphonic) 特殊な運指によりふたつ以上の音を同時に出す奏法運指により、調性的な和音に近いものから、割れたような荒々しい音も出すことができる。R・ディックのフライング・エチュードではこの重音奏法全体にわたり使用されている。小泉浩、P・Eアルトー、A・ニコレ著書など重音運指示されている。 循環呼吸(英:circular breathing口腔内の空気吐き出して演奏しながら、鼻から息を吸うことによって、息継ぎによる中断なしに発音し続け奏法フルートは他の管楽器比べて空気消費が多い楽器であり、循環呼吸マスターすることにより音楽的な質をより高めることができるとされる。A・ニコレ、P・ガロワ、R・ディック、W・オッフェルマンズ等の著書に「循環呼吸」について解説されている。 スラップ・タンギング(ピッツィカート)(英:slap tonging、伊:pizzicato) リップ・ピッツィカート、クアジ・ピッツィカートとも。弦楽器ピッツィカート似た音響発する奏法通常のタンギング圧力高め方法の他、いくつかの方法がある。グランド・フルートではC4(H足部管つきでB3) - D#5までは通常の運指で、さらにオクターヴキーを開ける、その他の操作をすることによりD#6まで発音可能。 ダブルタンギング(英:double tonguing古くからある特殊奏法。タンギングにおいてTとKの子音を用い速い舌突きの必要とされるパッセージをTKTKTKと奏する全ての管楽器可能なテクニックであるが、難易度フルートがもっと低くロマン派技巧的変奏曲近代作品演奏するのに必要不可欠である。 トリプルタンギング(英:triple tonguing)は、ダブルタンギングから派生したもので、3つ単位音符をTKTTKTなどのように区分けする。 ダブルトリル(英:double trill) 通常は2音間を行き来するトリルを2本の指で行うことにより往復速度が倍になったもの。左手楽器保持する必要がある為、右手行われることが多い。運指によりアグレッシブな効果から不思議な音響まで出すことができる。リングキーかカバードキーかで可能なダブルトリルの種類異なる。フルート音楽においてのダブルトリルの使用例サルヴァトーレ・シャリーノの『感謝の歌 Canzona di ringraziamento 』に多用され後述タングラムの項に挙げる魔法どのように生み出されるCome vengono prodotti gli incantessimi? 』と連続して演奏される。『感謝の歌』では二つのトリルキーを交互に連打することにより不思議な音響空間生み出している。 タングラム(英:tongue ram) 唇全体歌口覆い、舌をライザー部に当てることにより、打撃音生み出す空気吸いながら行う事も可能。これによりフルート閉管構造として共鳴するため、運指よりも長7度低い音が出る。グランド・フルートでは運指上でC4(H足部管つきでB3) - D#5まで可能、実音ではC#3 (C3) - F4までの音が出る。サルヴァトーレ・シャリーノは『魔法どのように生み出されるCome vengono prodotti gli incantessimi? 』でこの奏法積極的に用いており、太鼓連打音のような音響生み出している。 ドッペルトレモロ(独:Doppeltremolo) 通常のトレモロに息の圧力加減してオクターヴの上下を加えたもの。作品内ではポルタメント発声奏法併用されている。 ハーモニクス(英:harmonics倍音奏法フラジオレット(英:flageolet)とも。低音域の運指のまま高い倍音を出す奏法。第2倍音1オクターブ上)、第3倍音1オクターブ完全5度上)、第4倍音(2オクターブ上)、第5倍音(2オクターブ長3度上)、第6倍音(2オクターブ完全5度上)などが出せる。まれに第7倍音(2オクターブ短7度上、平均律より6分音つまり約33セント下)も指定される。曲によって力強い音を出したり、弦楽器ハープハーモニクスのような虚ろな音響効果要求したりとさまざまであるフランツ・ドップラーハンガリー田園幻想曲第1楽章終わり用いている他、ハーモニクス和音ストラヴィンスキー春の祭典にも登場する倍音成分度合い変化させることで重音を出すことも可能。 バズィング(英:buzzing) トランペット・アンブシュール(trumpet embouchure英仏混合語)とも。歌口対し唇を閉じた状態で押し付け金管楽器バズィングと同じやり方で唇を振動させ音を鳴らす奏法。舌を両唇に挟むことで金管楽器でいうペダルトーン似た効果出せる。息の圧力や指を変えることで色々な音域出せるが、フルートマウスピースや管はバズィングには向いていないためスケール安定しにくい。非常に高い圧力必要なため唇の負担大きいので、長時間バズィング奏法注意が必要である。 発声奏法(英:playing with voice通常演奏同時に声を出すことにより差音ハウリング伴い発生する奏法フルートの一音程通常音と同時に奏した場合に、高声低声では発生する差音違い生じるため男女でこの奏法内容大きく異なる。フルートと違う音程同時に歌うことにより和音が、リズムをずらすことにより二重奏が可能である。 グロウル(英:growl)は発声奏法一つで、フルート旋律と同じ動きで歌う奏法。ややグロテスクな音質になり、サックスギターにも負けない音圧音量変化できるためジャズアドリブなどで好んで使われる。 ビートボクシング・フルート(英:beatboxing flute) フルートウィズボイスパーカッションとも。フルートの特殊奏法とは厳密に異なるが、2007年ごろyoutube上でアメリカフルーティスト、G・パティロによるヒューマンビートボックスボイスパーカッション)をしながらフルート演奏する動画話題となったフルート構えバスドラムスネアドラムハイハットのような音と同時にメロディアドリブ演奏するというものである。 ビスビリャンド・トリル(伊:bisbiliando trillo) カラートリルとも。運指から離れた下のほうのキー開閉することにより、同音上で微妙に異な音色によるトリルが可能。運指によっては替え指が微分音下方になることもある。武満徹1980年代以降作品多用したのはビスビリャンドに似た四分の一音下を含むホロートーントリルであり、特に『海へ(Ⅰ,,)』において効果的に聞くことができる。トリスタン・ミュライユトリルではなく非常にゆっくりとした長い音符交替による音色変化好んで用いる。 フラッターツンゲ(独:Flatterzunge、巻き舌フラッターフラッター・タンギング(英:flutter tonguing)とも。巻き舌やうがいをするように喉を震わせることにより、トレモロ効果生み出す奏法。舌だと荒めに、喉ではマイルドになる。オーケストラではリヒャルト・シュトラウス用いたのが最初とされている。ショスタコーヴィチ交響曲第8番第4楽章冒頭イベールフルート協奏曲第3楽章カデンツァなどに使用例見られる遺伝的な理由によって舌でのフラッタータンギングを苦手とする奏者もいることに注意が必要である。その場合は喉で代替される。 マウスピースを唇で覆いながらフラッターをすることにより管内に響く音を造り出すという奏法存在する運指よりも長7度下の音が鳴りタングラム似た効果巻き舌持続する。 ホイッスル・トーン(英:whistle tone) ウィスパー・トーンとも。息を送る具合調節することにより、高音域において倍音音列に基づく非常に虚ろな音を出す奏法フルートの特殊奏法の中でもとりわけ音量小さいものに分類され大きなホール後部座席まで十分に届くほどの音量はない。 歌口を唇で完全に塞ぎ口内内径変化させることによりホイッスルトーンと似た音を奏するともできる。 ホロートーン(英:hollow tone) バンブートーン(英:bamboo tone)とも。特殊な運指によって通常の奏法では出せないくぐもった音を出す奏法。ホロートーンは武満徹のフルートソロに必ずといって良いほど登場する木管民俗楽器似せるため、あえてスケール音程音質不安定になる運指とする。運指表はオランダ奏者W・オッフェルマンズの物がある。 むら息(英:breath noise尺八奏法上記のエオリアン・トーンをより激しくし、アクセント加えた奏法。曲によっては日本の尺八を想起させる尺八奏法というとこのむら息と同時に激しビブラート組み合わせる上記の特殊奏法を組み合わせ新たな音響作り出すともできる(例:フラッター+発声奏法重音奏法+スラップ・タンギング)。

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特殊奏法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 06:23 UTC 版)

クラリネット」の記事における「特殊奏法」の解説

クラリネットには様々な特殊奏法があり、主にジャズ現代音楽などに用いられている。 重音奏法 同時に複数の音を出す奏法クラリネット場合、「きれいな音」にはならないことが多い。 フラッターツンゲフラッタータンギング巻き舌のごとく "r r r r r r" と発音する奏法循環呼吸 鼻から肺へ空気吸引する間に口腔内に溜めた空気により楽器鳴らし続け奏法微分音程度のグリッサンドまたはポルタメント グリッサンドは2音間を等速に指を滑らせ移行する奏法ポルタメント次の音に移る瞬間渡りをつけるように指を滑らせ移行する奏法。このとおりに、両者異な技法である。グリッサンドは、ガーシュウィン作曲ラプソディ・イン・ブルー」の最初ソロ用いられていることでよく知られている。

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