乃木グループ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:33 UTC 版)
慶安2年創業。乃木商事を中心とした企業グループ。運送業・出版業などを展開する拳願会最古参企業の1つ。拳願会で2番目に古い「四龍」という派閥の1社でもある。主人公たちの属する企業であり、物語の中心を担う。企業序列第6位。拳願仕合通算成績1857勝453敗。 乃木 英樹(のぎ ひでき) 声 - 中田譲治 乃木グループの会長。カリスマ性を感じさせる壮年男性。61歳。 王馬を始めとして、複数の優秀な闘技者を擁する。確かな経営手腕は持つものの、意外と自由人なところがあり、拳願仕合ではトイレに飾るためのコッポの絵画を賭けたり、クラブのお気に入りの女の子とのデート券を賭けたこともある。 拳願絶命トーナメントの発起人であり、「彼の代表闘技者が敗北を喫した場合、乃木グループは即時解散する」という約定のもとトーナメントに参加している。本来、経営者としては堅実で大博打を打つようなタイプではないが、先祖代々罪悪感を受け継いできた山下家の子孫の存在を知ってしまったこともあって、「先祖の悲願」である拳願会の革新を達成するために優勝を目指している。本当の目的は自身が会長に就任した際に山下を副会長に就任させることで、山下商事も一度乃木グループの役員として経験を積ませた後で改めて社長として運営してもらうつもりでいる。 トーナメントでは自社含め3枠分を確保した状態で本戦へ進み、うち2枠を残したまま3回戦へ進出する。また自社枠では1回戦でどちらが勝利しても指名権が自分に渡るよう画策した上で仕合に臨んだ。さらに湖山マートとも手を組んで蕪木に加えハサドをも自身の配下に迎えた上で速水の下へ潜入させておき、彼のクーデターが起きた際には観客席に居ながら事態の収束に一役買った。 準決勝では自社の支持者同士が左ブロックで当たることとなり、負傷の度合いが酷い山下商事を八百長で敗退させ、王馬の島外での治療、山下の借金51億円の無償化と乃木グループ役員への登用を条件として提示するが、覚悟を決めていた山下に申し出を断られる。 自身が送り込んだ闘技者は優勝することが叶わなかったが、会長指名権を得た鷹風からの推薦で拳願会第59代会長に就任する。 『ケンガンオメガ』では、滅堂の引退により拳願会が求心力を失いつつあることを危惧し、「煉獄」の東アジア裏格闘技界とのパイプを手に入れるため、豊田からの合併の提案を呑むことを決意する。王馬と同じ顔の龍鬼の出現や、器官培養された王馬自身の心臓が届いた件から、戦力として申し分なく部品交換が容易い戦闘員としても工作員としてもうってつけの人材として、「蟲」が王馬のクローンを作っているのではないかと疑っている。また、目黒正樹と同じ顔の速水正樹の存在から、拳願会を乗っ取ろうとした速水が「蟲」からクローンの「技術提供」を受けているのではないかとも考えている。 秋山 楓(あきやま かえで) 声 - 内山夕実 乃木の秘書を務めるクールで知的な面持ちの美女。拳願仕合についても乃木の秘書として深く知っている様子で、そちら方面の知識に疎い山下に対し助言やサポートを行う。初見のことはあまり信頼していない。年齢と体重は不詳(おそらく王馬とほぼ同年代)で、聞くと怒る。一見冷めた性格のようだが、実は人付き合いが苦手なだけの模様。ちなみに彼氏募集中。 最近は王馬のことが気になっており、彼が女性に絡まれていた際には嫉妬心を露わにしていたが自分から積極的に動くことはない。実はBLにも興味がある。かなり酒に強い。 乃木が拳願絶命トーナメントの計画を自分に秘密にしていたことに腹を立てており、トーナメント中は山下商事の面々や4バカと行動を共にしている。 トーナメントを終え、山下が本格的に起業した際にはその準備を手伝い、2年を経た『ケンガンオメガ』でも山下の秘書をしている。新たに闘技者に志願した光我と龍鬼に、拳願仕合についての基礎を説明した。山下同様、王馬が死亡していたと思っていたので、彼と2年ぶりに再会したときには驚き過ぎて失神している。 初見 泉(はつみ せん) 声 - 蓮池龍三 乃木グループの正闘技者。「初見流合気道」の使い手。通称『浮雲』。41歳。軟派で女好きな遊び人風の中年で、楓にも隙あらばちょっかいをかけている。 戦績は15敗と実力を疑問視される黒星の数だが、実力よりも素行に問題があり、負けの理由は寝坊が9回、バックレが4回、ド忘れが2回。不真面目を絵に描いたような性格であるため「拳願会史上、最強の無責任男」とあだ名される。 内面は信頼に足るとは言えないが、実力そのものは超一流で、なおかつ非常に負けず嫌い。驚異的なスピードの持ち主であり、手負いとはいえ「前借り」状態の王馬の打撃をすべて防いで見せた。投げや関節技を得意とする柔に特化したタイプで、本職のストライカーには劣るが打撃の技術も高い。「膝の入り抜き」を使い体軸をずらすことなく最小限の動きで攻撃をかわす技能を持ち、死を回避できるギリギリの距離まで打撃を引きつけることにより、まるで攻撃がすり抜けているように錯覚させられる。短期間に仕合を繰り返すと調子が上がっていく性質があり、絶好調の時には「何をしでかすか分からない」と評されているように現役トップクラスの闘技者である若槻や関林をも一蹴しているのだが、ムラが大きく、調子が悪いと仕合に出ても格下相手に苦戦することがある。 乃木が拳願会々長に名乗りを上げる計画も承知しており、調整のためにしばらくの間良三の道場や乃木の軽井沢の別荘へ厄介になっていた。拳願絶命トーナメント代表闘技者を選ぶにあたり乃木グループの闘技者に復帰、乃木によって王馬を差し置いて代表に指名される。 奏流院紫音の元カレでもあり、自身の浮気が原因で別れたものの未だに尻に敷かれている。若い頃は海外に武者修行に出ており、その縁で滅堂から五代目『滅堂の牙』候補としてスカウトされたことがあるが、1週間ほどで飽きてしまい誘いを断っている。乃木グループの闘技者になったのは若くて美人の秘書(=楓)がいると聞いたため。飄々とした性格が二虎を連想させるため、王馬からは若干の苦手意識を持たれている。 トーナメント1回戦では複数の格闘家の技を使う千葉を警戒して戦い、相手の合気道の技を使うというミスを見逃さず僅か26秒で降し、額を軽く切られただけで2回戦に駒を進める。だが、乃木が帝都大学と手を組みいざという時には自分に坂東を殺させようとしていたことを知り、不信感を抱く。 2回戦では治療を終えた坂東と対戦。関節技が通用しないという点で不利な相手で、自分を確実に殺そうとしてくる坂東への恐怖を押し殺しながら立ち向かう。事前に奥の手について考察していたおかげで間合いを計りつつ必殺の一撃を回避し続け、相手の油断を誘って腕の骨をへし折り、最後は百会投げを使って勝利した。 クーデターの時には戦わずに逃げ回っていた。 3回戦ではアギトと対戦。王馬の協力で絶好調の状態で仕合に臨むも相手の進化を見誤る。無意識のうちに受け流しを使うことで瞬殺を避けたものの、高威力の寸勁で追い詰められ、先の先を取られて手加減されたハイキックで頭を蹴り飛ばされ意識を失い敗北する。 トーナメントの約1年後に中国に渡り、以降は消息不明。 『求道の拳』の登場人物である自称「ネオNINJA」、「日本一の馬鹿息子」こと初見良三とは遠い親戚関係にあるという裏設定がある。分家の出身でありながら一応初見流の次期当主ということになっているが、現当主が元気すぎるためあまりその自覚はない。使用武術・初見流合気道 「当身7分で技3分」を旨とする、上芝流合気柔術の技術体系を受け継ぎ初見剛一郎が起こした流派。打撃の鍛錬も徹底的に行う。 主な技 叢雲・三連 体勢を崩した相手の烏兎・人中・下昆の急所3カ所に、一本拳で連続の当身を放つ技。 百会投げ 座り込んだ相手の片腕を掴んで引くと同時に同じ側の脚を払い、体を大きく投げ上げて頭頂部から地面にたたきつける技。 星落とし 左腕で抑えた相手の腰を支点に右掌で顎を押し上げるようにして投げ、受け身を取らせず後頭部から地面に叩きつける技。初見の集大成とも言える必殺技。 本間 清(ほんま きよし) 外人傭兵上がりの殺し屋。通称『伯爵』。乃木の依頼で義武を襲撃したが、義武が雇った2名の闘技者の前に敗れる。だが、実はトーナメント直前に拳願会員になっており、仮に初見が敗れた場合「会員同士の私闘を禁じる」ルールを利用して乃木を指名するよう脅迫するための駒だった。 山下 一之進(やました いちのしん) 江戸時代の拳願会黎明期に乃木の闘技者として拳願仕合に出場していた男。山下家の先祖にあたる人物。 『拳眼』の異名を持つ当時最強の闘技者の一角で、超人的な動体視力を武器にあらゆる攻撃を見切っていた。没落武家の出身で、乃木屋からの資金援助を受ける代わりに仕合に参加していたが、長年の無理が祟って手の施しようがないほどに体を壊しており、それでも夢のために戦うも第1回拳願絶命トーナメントの決勝戦を前に死亡。実家の跡取りだった兄も急死したため、山下家は途絶えたとされていた。 乃木屋 英吉(のぎや えいきち) 乃木家の先祖で江戸時代の人物。一之進の雇用主。拳願会長の座を狙い「拳願仕合の大革新」を起こそうとしていた。 上層部に掛け合って第1回拳願絶命トーナメントを開催させるが、仕合中に闘技者だった一之進を死なせてしまう。この一件の罪悪感は子孫にも代々語り継がれていた。 君島 まな(きみしま まな) 乃木グループの新人会長秘書。『ケンガンオメガ』から登場。22歳。大学卒業後即会長秘書になった優秀な人物。山下の大ファンで、乃木の右腕として拳願会の頂点に至らせた伝説のサラリーマンとして尊敬している。
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