デュポン
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デュポン(Du Pont)は、アメリカ合衆国・デラウェア州・ウィルミントンに本社を置く化学メーカー。正式社名はデュポン・ド・ヌムール(DuPont de Nemours, Inc.)。日本法人はデュポン ジャパン株式会社。ニューヨーク証券取引所上場企業(NYSE: DD)。
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デュポン社 (1977年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 14:58 UTC 版)
「アンソニー・アルジェンゴ」の記事における「デュポン社 (1977年)」の解説
アルジェンゴがデュポン社に勤め始めた1977年、アルジェンゴは、CR&Dのハワード シモンズ (Howard Simmons) の探索化学の研究グループの一員になった。アルジェンゴの研究プロジェクトは、有機合成のための反応試薬として無機酸のトリメチルシリルエステルに関する内容であった。
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デュポン社 (1984-1999年)
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「アンソニー・アルジェンゴ」の記事における「デュポン社 (1984-1999年)」の解説
デュポン社に戻った1984年、アルジェンゴは、CR&Dの職位に就き、発見したADPO分子と関連する構造化学の研究を続けた。この一連の研究は、多くの興味深い実りのある結果を生み出し、新規で異常な結合様式を持つ化合物群に関する文献が数多く掲載される一筋の学術的に魅了される分野を切り開く結果となった。ADPOに関する化学は、新しい反転機構であるedge反転の発見の基本となり、この反転機構は、デュポン社におけるアルジェンゴとデイヴィッド・ディクソン(David A. Dixon) の共同研究によって完全に解析され、そして、一般的なモデルとして考えられた。さらに、デュポンのチームは、3配位リン化合物と4配位ゲルマニウム化合物の中心元素での新しい反転経路における実験的な立証を行った。 デュポン社でのアルジェンゴの研究では、フレキシブルなポリイミドフィルム(Kapton-ZT)の開発を含む数多くの応用プロジェクトも進められた。このフィルムはフレキシブルな印刷型回路、連結部品、そして、絶縁体等の電気部品に広く使われている。デュポン社でのアルジェンゴの研究は、アルジェンゴの研究室以外の趣味に良く通じるものがあった。例えば、スポーツカーのような(上記のアルジェンゴの写真を見て下さい)趣味ともアルジェンゴの研究は関連していた。アルジェンゴは、次世代の低揮発性有機化合物(VOC) ペイントにおいて、デュポン社製コーティング剤(DuPont Performance Coatings) として使われている新しい架橋化学用の触媒を考案することによって、低VOC自動車コーティング剤の開発にも貢献した。実際には、デュポン社製水溶性コーティング剤(DuPont Waterborne Performance Coatings) はロータスのEliseとExigeモデルに使われている。アルジェンゴが仕事で手がけたペイント用触媒の工業スケール合成への貢献は、カルベン化学の領域に再度入るきっかけとなった。しかし、この時、カルベンについての研究は、先に記述したカルボニルイリド等を合成した求電子的なカルベンというよりは求核的なカルベンの内容であった。触媒合成では、様々な反応条件と反応基質を良く用いることができた。この時の実験結果の観察によりアルジェンゴは、合成上の中間体であったイミダゾール-2-イリデン(N-へテロサイクリックカルベン)の存在を仮定した。また、この時、アルジェンゴは、この化学種は、これまで常識で知られていた不安定性を示すというよりもずっと安定に存在するに違いないと考えていた。 アルジェンゴの自動車用コーティング剤開発プロジェクトが終盤にさしかかった時、アルジェンゴは、上記の研究過程の中で考えていた研究分野、すなわち、かなり安定に存在すると仮定していたカルベンを単離し、この領域の化学分野を研究するためにCR&Dのマネージメントへ申請書を提出した。この案件は、かなり丁寧に諭すように断わられた。それは次のような理由であった。アルジェンゴは、カルベン化学の長い歴史の中で一筋の明るい未来を創造するためにかなり効果的なカルベン単離の研究手段を考案していたが、当時、カルベン化学は反応活性な中間体としてかなり確立された領域であり、この中間体は、安定な実体としてこれまでに単離されたことがこれまでになかったという理由であった。しかしながら、アルジェンゴは、既にこの歴史によく認識しており、この化学の進展のために手元に出発物質を持っていて、カルベンを単離する実験を進めることを決めていた。「アルジェンゴのこのカルベンの単離に対する直感は成功した。1991年に初めての試みから150年以上もの月日が流れ、、、、」安定で結晶性の良いカルベンはデュポン社の研究室で単離され、構造解析がなされた。安定なカルベンの発生を初めて成功させた反応の後で、アルジェンゴは、デュポン社のマネージメントから援助を受け、この分野の研究を継続的に発展させることを認められた。様々な置換基を有するカルベンが合成され、構造解析が進められた。飽和のイミダゾリン-2-イリデンはかなり広範に渡りハンス-ウェルナー ヴァンツリック (Hans-Werner Wanzlik) によって、30年前(1960年代前後) にカルベンの単離をしない状態で検討が進められていた。このイミダゾリンから誘導されるカルベンは、窒素原子上に適切な置換基を導入することで単離するのに充分な安定性が得られることを示された。空気中安定なカルベンも合成された。この化学はチアゾール-2-イリデンを含む領域にも拡張された。このカルベンは、1957年にビタミンB1の触媒サイクル中の反応活性中間体としてその存在を推測されたが、40年以上もの間単離されていなかった。イミダゾール-2-イリデンはNMRスペクトル、光学電子スペクトル、そして、X線と中性子線による実験的な精密電子密度解析によって、広範囲に渡り構造解析が行われた。 安定なカルベンに関連するアルジェンゴの研究グループの構造解析は、この分野の化学を広範囲に網羅することによって包括的に集積されていった。この新しい化学は、様々な元素中心とカルベンの反応を起こした。 このカルベンと反応し、構造解析された元素は、ヨウ素、アルミニウム、銅、銀、マグネシウム、亜鉛、ゲルマニウム、ニッケル、白金、ランタニド、そして、ビスカルベンプロトン錯体中の水素である。1996年からのアルジェンゴの研究は、フンボルト賞のホストであるラインハルト・シュマッツラー (Professor Reinhard Schmutzler) 教授との関係に大きく影響した。ブランシュヴァイクにおいて得られたアルジェンゴのカルベン化学の研究成果は、イミダゾール-2-イリデンとフッ素化された無機化合物との反応に関連していた。この時の新規な化学構造は、次のカルベン・フェニルテトラフルオロホスホラン、カルベン・PF5、カルベン・AsF5、カルベン・SbF5、そして、カルベン・BF3の付加体において報告された。デュポン社でのアルジェンゴの最終的な研究業績は、カルベン・アルカリ土類金属、カルベン・アンチモン、カルベン・カドミウム、カルベン・リチウム付加体に関する内容であった。カルベンとホスフィニデンの反応は、イミダゾリン-2-イリデンの挿入反応に加える形でアルジェンゴ研究室から報告された。 1998年、アルジェンゴと共同研究らは、ヴァンツリック (Wanzlick) 研究室での安定なカルベンを生成するための初期の試みについて、デュポン社で成功した実験から得られた知識と経験を考慮して注意深く再検討した。ヴァンツリック (Wanzlick) のほとんどの研究は、飽和の系のイミダゾリン-2-イリデンに関連していた。このイミダゾリン-2-イリデン(飽和の系)は、窒素原子上の嵩高い置換基を有しない状態で二量体を与えると予想されていた。しかし、イミダゾール-2-イリデン(不飽和の系)と1,3,4,5-テトラフェニルイミダゾール-2-イリデンは、単量体として単離できるカルベンまたは単離されるはずのカルベンとして、それらの研究課題が残されていた。ヴァンツリック (Wanzlick) の独自な方法を再検討することは、初期の化学者の研究を妨げていたいくつかの鍵となる実験操作の特徴を示していた。これらの問題が正確に解決されたことによって、デュポン社の科学者達は、目的のカルベンを単離することができ、X線結晶構造解析を含む分析手段を使い完全にカルベンの構造を解析することができた。ハンス-ウェルナー ヴァンツリック(Hans-Werner Wanzlick) へ捧げる研究成果として、これらの結果は、「1,3,4,5-テトラフェニルイミダゾール-2-イリデン:Wanzlickの夢の実現化」と題して、論文において公表された。 アルジェンゴとスチュアート (Stewart) によりデュポン社で合成されたADPOのアンチモン類似体(ADSbO) external viewer. アルジェンゴとスチュアートにより合成された9配位ビスマス錯体 external viewer. アルジェンゴ、ディクソン、ロエによって3配位リン化合物のEdge反転を解明するために使われた飽和ADPO類似体 アルジェンゴ、ディクソン、ロエによって3配位リン化合物のEdge反転を解明するために使われた4配位ゲルマニウム化合物 external viewer. デュポン社で合成された初めての結晶性カルベン external viewer. デュポン社で初めて完全に解析されたイミダゾリン-2-イリデン(飽和の系のカルベン) external viewer. 安定なチアゾール-2-イリデン(ビタミンB1類似体) external viewer. 空気中安定なカルベン external viewer 正確な電子密度マップを明らかにするために使われた安定で重水素化された小さな置換基を有するカルベン external viewer. デュポン社で単離され、構造解析されたヴァンツリック (Wanzlick) のオリジナルなテトラフェニルイミダゾール-2-イリデン external viewer. [IMes] 最も一般的に使われているNHC (N-ヘテロサイクリックカルベン) 配位子(IMes)
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