有機合成化学
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/01 19:29 UTC 版)
有機化学分野では光学分割剤として用いられる。ラセミ体の酸をキニーネ塩にしてジアステレオマーとし、分離する方法で用いられる。 また誘導体は不斉触媒として用いられる。シャープレス不斉ジヒドロキシ化に用いられる配位子、ビス(ジヒドロキニニル)フタラジン ((DHQ)2PHAL) が代表的である。キニーネを四級塩化した有機分子触媒による不斉反応も知られている。
※この「有機合成」の解説は、「キニーネ」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「キニーネ」の記事については、「キニーネ」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 05:41 UTC 版)
シアン化カリウム、シアン化ナトリウムは、シアン化物イオンの源として有機合成で用いられる。シアン化物イオンは求核剤としての性質を持ち、適当な炭素求電子剤に置換、あるいは付加して対応するニトリルを与える。 ハロゲン化アルキルとの求核置換反応 R − X + KCN ⟶ R − CN + KX ( R = alkyl ) {\displaystyle {\ce {R-X\ + KCN -> R-CN\ + KX (R = alkyl)}}} ハロゲン化アリールを芳香族ニトリルとするためには、遷移金属化合物を利用する。シアン化銅を用いる古典的な手法は Rosenmund-von Braun 合成と呼ばれる。 Ar − X + CuCN + heat ⟶ Ar − CN + CuX {\displaystyle {\ce {Ar-X\ +CuCN\ +{\mathit {heat}}->Ar-CN\ +CuX}}} ザンドマイヤー反応も、シアン化銅を求核剤とすることができる。 Ar − N 2 + + CuCN + KCN ⟶ Ar − CN + N 2 {\displaystyle {\ce {Ar-N2^+\ + CuCN\ + KCN -> Ar-CN\ + N2}}} カルボン酸ハロゲン化物とシアン化物が作用すると、シアン化アシルが得られる。 RC ( = O ) − Cl + CuCN ⟶ RC ( = O ) − CN + CuCl {\displaystyle {\ce {RC(=O)-Cl\ + CuCN -> RC(=O)-CN\ + CuCl}}} アルデヒドやケトンにシアン化物イオンが付加するとシアノヒドリンを与える。さらにアンモニアを共存させておくと、イミンへの付加により α-アミノニトリルが得られ、これはストレッカー合成におけるアミノ酸へ向けた中間体となっている。これらの詳細は項目: シアノヒドリン、ストレッカー合成 を参照のこと。 RCHO + − CN ⟶ R ( NC ) CH 2 O − {\displaystyle {\ce {RCHO\ +\ {}^-CN -> R(NC)CH2O^-}}} これらの反応は基質から炭素が1個増える増炭反応である。導入されるシアノ基はカルボン酸やアミン、アルデヒドなどへ容易に変換可能であることも特長となっている。シアン化水素やシアン化トリメチルシリルを用いることもある。 シアン化カリウムはベンゾイン縮合において触媒として用いられる。 2 ArCHO + KCN {\displaystyle {\ce {2ArCHO\ + KCN}}} ( c a t . ) {\displaystyle (cat.)} ⟶ ArCH ( OH ) C ( = O ) Ar {\displaystyle {\ce {-> ArCH(OH)C(=O)Ar}}} ガッターマン反応では、シアン化亜鉛と塩化水素により芳香環が求電子的にホルミル化される。 ArH + Zn ( CN ) 2 + HCl ⟶ Ar − CH = NH 2 + ⋅ Cl − {\displaystyle {\ce {ArH\ +Zn(CN)2\ +HCl->Ar-CH=NH2^{+}\cdot Cl^{-}\ }}} (加水分解) ⟶ Ar − CHO {\displaystyle {\ce {-> Ar-CHO}}}
※この「有機合成」の解説は、「シアン化物」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「シアン化物」の記事については、「シアン化物」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/22 01:08 UTC 版)
CBS触媒の有機合成の概略を以下に示す。ボロン酸 (1) の(トルエンなどを用いた)共沸脱水によりまずボロキシン (2) が生成する。このボロキシンはプロリン誘導体 (3d) と反応し、塩基性のオキサザボロリジンCBS触媒 (4) を形成する。プロリン誘導体3dはグリニャール試薬3cとプロリンエステル3bのグリニャール反応によって調製される。ルイス酸の超酸塩 (6) はトリフルオロメタンスルホン酸 (5) によって得られる。
※この「有機合成」の解説は、「CBS触媒」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「CBS触媒」の記事については、「CBS触媒」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/20 03:20 UTC 版)
特殊な用途として、有機合成化学においてアルコールを塩化アルキルに、またカルボン酸をアシル塩化物に変換するための試薬として使用される。 脱水剤や、カルボン酸をアルコールに還元する用途もある。ジメチルホルムアミドとともに加熱すると、ゴールド試薬( Me2NCH=NCH=NMe2+Cl− )を生じる。これは、アミノアルキル化剤の原料や複素環式化合物の前駆体となる。 塩素は容易にアミンに置換され、メラミンの誘導体を与える。デンドリマーなどの合成に使われる。 また、アデノシン受容体の実験的な合成において、リガンドとして使用される。 スワーン酸化においては、塩化オキサリルの代替として使用することができる。 水中では加水分解し、イソシアヌル酸を生じる
※この「有機合成」の解説は、「シアヌル酸クロリド」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「シアヌル酸クロリド」の記事については、「シアヌル酸クロリド」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/24 06:17 UTC 版)
塩化アリルは一般に有機合成化学のビルディングブロックとして用いられる。例えばシアン化すればシアン化アリル ( CH 2 = CHCH 2 CN {\displaystyle {{\ce {CH2=CHCH2CN}}}} )、還元してカップリングさせるとジアリル ( CH 2 = CHCH 2 CH 2 CH = CH 2 {\displaystyle {{\ce {CH2=CHCH2CH2CH=CH2}}}} )、パラジウム(0) へ酸化的付加させるとアリルパラジウム(II)クロリド(二量体) ( C 3 H 5 ) 2 Pd 2 Cl 2 {\displaystyle {{\ce {(C3H5)2Pd2Cl2}}}} が得られる。
※この「有機合成」の解説は、「塩化アリル」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「塩化アリル」の記事については、「塩化アリル」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/22 05:50 UTC 版)
シアニド基が強い電子求引性基であるため、ジシアノアセチレンは強いジエノフィル(求ジエン体)であり、ディールス・アルダー反応の良い試薬となる。芳香族化合物のデュレンにさえ付加し、置換ビシクロオクタトリエンを形成する。このような芳香族化合物に反応を起こせるのは、最も反応性の高いジエノフィルのみである。
※この「有機合成」の解説は、「ジシアノアセチレン」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「ジシアノアセチレン」の記事については、「ジシアノアセチレン」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 23:52 UTC 版)
有機ハロゲン化合物のハロゲンを水素に置き換える還元剤として用いられる。反応は以下に示す通りラジカル的に進行する。 トリブチルスズをAIBN など適切なラジカル開始剤とともに用いることで、水素がラジカルとして引き抜かれてトリブチルスズラジカル、(n-C4H9)3Sn• が生じる。このスズラジカルはハロゲン化アルキルなどのハロゲン原子をラジカルとして引き抜き、発生したアルキルラジカルが新しいトリブチルスズから水素ラジカルを引き抜いてスズラジカルを再び発生させ、そうして反応が連鎖的に続く。生成物はハロゲン化アルキルのハロゲン原子が水素に置き換わった還元体 (R-H) とハロゲン化トリブチルスズ、(n-C4H9)3Sn-X である。 ( n − C 4 H 9 ) 3 Sn − H + AIBN ⟶ ( n − C 4 H 9 ) 3 Sn ∙ {\displaystyle {\ce {({\mathit {n}}-C4H9)3Sn-H\ +AIBN->({\mathit {n}}-C4H9)3Sn\bullet }}} ( n − C 4 H 9 ) 3 Sn ∙ + R − X ⟶ ( n − C 4 H 9 ) 3 Sn − X + R ∙ {\displaystyle {\ce {({\mathit {n}}-C4H9)3Sn\bullet \ +R-X->({\mathit {n}}-C4H9)3Sn-X\ +R\bullet }}} R ∙ + ( n − C 4 H 9 ) 3 Sn − H ⟶ R − H + ( n − C 4 H 9 ) 3 Sn ∙ ⟶ {\displaystyle {\ce {R\bullet \ +({\mathit {n}}-C4H9)3Sn-H->R-H\ +({\mathit {n}}-C4H9)3Sn\bullet ->}}} 2 に戻る アルキルラジカル R• が発生したとき、R の構造内に二重結合などラジカルが付加しやすい部位があれば、分子内付加が優先する場合がある。これは環化反応へ応用される。 また、アルコールから調整できるキサントゲン酸エステルも同様の反応をし、ヒドロキシ基を除去するのに使われる (Barton-McCombie脱酸素化)。
※この「有機合成」の解説は、「トリブチルスズ」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「トリブチルスズ」の記事については、「トリブチルスズ」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/22 21:29 UTC 版)
「シリルエノールエーテル」の記事における「有機合成」の解説
トリメチルシリルエノールエーテルは、強塩基とクロロトリメチルシラン、または弱塩基とトリメチルシリルトリフラートの存在下でケトンから合成できる。 シリルエノールエーテルは、求核共役付加反応で作られたエノラートを取り込むことで形成することができる。 適切な基質のブルック転位によって、シリルエノールエーテルを合成できる。
※この「有機合成」の解説は、「シリルエノールエーテル」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「シリルエノールエーテル」の記事については、「シリルエノールエーテル」の概要を参照ください。
有機合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 14:57 UTC 版)
詳細は「有機合成化学」および「生化学」を参照 単純な化合物から複雑な化合物を作る過程においては、目的とする生成物を合成するまで多段階の操作と多大な時間・労力を必要とする。特に、市販されている単純な化合物のみから、生理活性物質などの天然物や理論的に興味深い有機化合物を作るための多段階の化学合成を、全合成という。全合成は純粋に合成化学的な過程であるが、一方で、植物や動物、菌類等から抽出された天然物を原料とした場合には半合成と呼ばれる。
※この「有機合成」の解説は、「化学合成」の解説の一部です。
「有機合成」を含む「化学合成」の記事については、「化学合成」の概要を参照ください。
「有機合成」の例文・使い方・用例・文例
- 有機合成のページへのリンク