カルボン‐さん【カルボン酸】
カルボン酸
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カルボン酸(カルボンさん、英語:carboxylic acid、ドイツ語:Carbonsäure (Säureは「酸」を意味する))とは、少なくとも一つのカルボキシ基(−COOH)を有する有機酸である[1]。カルボン酸の一般式はR−COOHと表すことができ、Rは一価の官能基である。カルボキシ基(carboxyl group)は、カルボニル基(RR'C=O)とヒドロキシ基からなる官能基で、化学式は-C(=O)OH になるが、慣例的に-COOH または -CO2H と書かれる[2]。
- ^ Compendium of Chemical Terminology, carboxylic acids, accessed 15 January 2007.
- ^ March, J. “Advanced Organic Chemistry” 4th Ed. J. Wiley and Sons, 1992: New York. ISBN 0-471-60180-2.
- ^ 日本化学会命名法専門委員会『化合物命名法 : IUPAC勧告に準拠』東京化学同人、2011年。ISBN 9784807907557。 NCID BB05569416 。
- ^ IUPAC Gold Book - acyl groups
- ^ R.T. Morrison, R.N. Boyd. Organic Chemistry, 6th Ed. (1992) ISBN 0-13-643669-2.
- ^ カルボン酸 (PDF)
カルボン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 03:43 UTC 版)
カルボン酸の酸としての強さは、そのイオン化傾向に依存する。よりイオン化傾向が強ければ酸としても強くなる。酸が強くなれば pKa値は小さくなる。 酸の場合、アルキル基の電子供与性誘起効果により酸素原子の電子密度が増加し、結果として O-H 結合の解離が阻害されてイオン化傾向が低下する。ギ酸 (pKa=3.74) は酢酸 (pKa=4.76) に比べて強酸である。しかし、モノクロロ酢酸 (pKa=2.82) はギ酸よりも強く、これは塩素原子の電子求引性誘起効果によりイオン化傾向が増進された結果である。 安息香酸では、環を成す炭素は sp2混成軌道を持つ。その結果、安息香酸 (pKa=4.20) はシクロヘキサンカルボン酸(英語版) (pKa=4.87) よりも強い酸である。また、芳香族カルボン酸では、オルト位およびパラ位を電子求引性基により置換すると酸強度が強くなる。 カルボキシル基はそれ自体が電子求引基であるから、ジカルボン酸は一般にモノカルボン酸類縁体よりも強酸である。誘起効果にはその結合双極子から炭素原子と別の位置の原子との間の結合形成を助ける効果もある。
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カルボン酸
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カルボン酸 (R-COOH) (carboxylic acid) は、カルボキシル基のOとOHをH3で置き換えた炭化水素の語尾eを-oic acidとすることでその名を得られる。両端がカルボキシル基であれば語尾を-dioic acidとして命名できる。環系やヘテロ原子にカルボキシル基が直接接続していたり、直鎖に3つ以上のカルボキシル基が接続していたりする場合は、-COOHをHに置き換えた母体名の後ろに-carboxylic acidを添えることでその名を得られる。 HOOC − ( CH 2 ) 2 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC{-}(CH2)2-COOH}}} 〔慣用名 コハク酸〕 ブタン二酸 (butanedioic acid) C 6 H 5 − COOH {\displaystyle {\ce {C6H5-COOH}}} 〔慣用名 安息香酸〕 ベンゼンカルボン酸 (benzenecarboxylic acid) HOOC − CH 2 − CH ( COOH ) − CH 2 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-CH2-CH(COOH)-CH2-COOH}}} プロパン-1,2,3-トリカルボン酸 (propane-1,2,3-tricarboxylic acid) カルボン酸が末端に存在しないとき、あるいはさらに優先する官能基があるときはcarboxyを用いて命名することができる。 HOOC − ( CH 2 ) 2 − CH ( CH 2 COOH ) − ( CH 2 ) 2 − COOH {\displaystyle {\ce {HOOC-(CH2)2-CH(CH2COOH)-(CH2)2-COOH}}} 2-(カルボキシメチル)ヘプタン二酸 (2-(carboxymethyl) heptanedioic acid)
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「カルボン酸」の例文・使い方・用例・文例
- カルボキシル、またはカルボン酸で(化学化合物を)処理する
- 有機化合物で、アミノ基とカルボン酸基
- ナイロンの製造に使用されるカルボン酸
- 石炭に存在するジカルボン酸
- 新陳代謝において活動するジカルボン酸(C4H6O4)
- 糖または澱粉の酸化によって作られる白色のジカルボン酸
- 樹脂を作るのに用いられるジカルボン酸
- 保存料として使われる白い結晶質のカルボン酸
- 香水や薬品に用いられる透明で液状のカルボン酸
- 脂質分子の一部を形成し、加水分解によって脂肪から派生する脂肪族モノカルボン酸類の総称
- 酸乳および多くの果物で見つかった明瞭な無臭の吸湿性のシロップのカルボン酸
- アクリルの樹脂の製造に使用される不飽和の液体カルボン酸
- オキシカルボン酸という化合物
- シュウ酸というカルボン酸
- カルボン酸という,カルボキシル基を持つ有機酸
カルボン酸と同じ種類の言葉
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